三井奈々の学園生活

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学園生活初日(脚本)

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〇黒
三井奈々「一乃〜どこ〜?」
  少し遅れて反省室に入れられた奈々は手探りで一乃を探す
三井奈々「あら、これが一乃ね」
小石川一乃「奈々ちゃん、的確に胸をまさぐるのはやめてくださいません?」
三井奈々「あら、表面積が大きい所に手が当たりやすくなるのは当たり前のことよ?」
三井奈々「胸が太っているあなたが悪いのよ」
小石川一乃「品のない言い方やめてくださる? 普通におっぱいが大きいと言いなさい 胸が貧相な人は心にも柔らかさが無いのでしょうね」
昭二「一乃は何カップなんだ?」
  反省室は階段の下に作られたスペースなので中の声は階段を使う生徒に丸聞こえである
小石川一乃「その声は昭二ですわね 外から反省室の会話に入って来ないでくださいまし!」
三井奈々「デリカシーのない男子ですこと」
  階段を上がって行く音が聞こえ、何も聞こえなくなった
  どうやら声の主はさっさと階段を登って行ってしまったようだ。
  奈々は一乃の先程の一言を思い出して、反論する。外に漏れないように小声だ。
三井奈々「逃げられましたわ・・・・・・ それはそうと一乃」
三井奈々「私の事を貧相な胸とか言いましたわね 私のバストは平均以上の大きさですわ、女性の半分以上を敵に回したと思いなさい」
小石川一乃「はいはい・・・・・・ そういう主張は私の胸から手を退けてから言いなさいな」
  そんな感じに奈々と一乃がじゃれあっていると扉が開いた

〇広い廊下
広芝早苗「充分反省出来た?」
広芝早苗「ってなんでおっぱい揉み合ってるのよ・・・・・・ とにかく出てきなさい」
三井奈々「はーい 反省しました〜」
小石川一乃「先生!奈々ちゃんをあと1週間は反省室に入れておいてくださいまし 遅刻とは別に反省するべきことが出来ましたわ!」
広芝早苗(一体何があったのよ めんどくさい事になりそうだから聞けないけど・・・・・・)
広芝早苗「じゃあ新しい教室に向かいましょう」
三井奈々「はーい♪」
小石川一乃「はい・・・・・・」
広芝早苗「ここが2人の新しい教室ね、いわゆるエリートクラスだから2人より頭のいい子なんていくらでもいるから覚悟しといて」
「はい!」

〇おしゃれな教室
  一乃と奈々は息を揃えて教室の扉を開く。
   勢い良く開いた扉は大きな音を立てて開き、教室中の視線を集めた。
三井奈々「は、ハローグットモーニング」
小石川一乃「ごきげんようミナサマ」
  2人は噛み噛みな挨拶をして教室に入る。すると後ろの扉が勢いよく閉まった。
「ひゃん!」
蒔田 悠「遅刻魔ども、高校初日でもやらかすか・・・・・・」
  2人の後ろにいつの間にか立っていた男子はため息をついた
蒔田 悠「そんな仲良し2人の席は窓側のあそこだ」
  悠の指さす先にはちょうど2人分空いた席があった
三井奈々「サンキューゆうくん」
小石川一乃「ありがとう悠君」
  この男子は蒔田悠、2人の初等部からの友人だった。大財閥のお嬢様2人に物怖じせず文句を言える貴重な生徒である
  奈々は自分の席に座ると、荷物を整理しながら左前にいる男子生徒を睨んだ
三井奈々「ねぇ昭二君、何か私たちに言うべきことありますよね?」
小石川一乃「あれ普通にセクハラですからねデリカシー無し男」
  昭二はそんな二人の抗議に笑顔でかえした。
青柳 昭二「久しぶりの反省室の空気はどうだった?」
三井奈々「反省ゼロですかそうですか」
小石川一乃「奈々ちゃん、やっぱりこいつはコンクリ詰めしてビルの材料にでもしちゃいましょう、ちょうど取引先に工事現場が何ヶ所か・・・・」
生徒1「三井なら完全犯罪もたやすそう」
生徒2「財閥敵に回したあいつは今生き延びても人生詰んだくね?」
  松本昭二、こいつは中等部からクラスのムードメーカーとして人気者だった、しかし今三井奈々と小石川一乃に睨まれている
  本来なら絶体絶命のピンチだがこの男はそんな状況でもひょうひょうとしている
青柳 昭二「俺たちはお前らのことを助けたんだと言いたいね」
三井奈々「セクハラでセクハラ被害者を助けるだなんて逆立ちしたって有り得ません」
小石川一乃「奈々ちゃん、こいつの首を切り落としましょう、早速知り合いの古物商から日本刀買い取ってきますね」
  一乃は目から光が無くなり、さっきから物騒なことばかり言っている
  しかし、そこで動いたのは悠だった

〇広い廊下
蒔田 悠「じゃあここで一度状況を整理しよう」
蒔田 悠「奈々たちは反省室で、その・・・・・・胸の話をしていたんだよね」
三井奈々「ええ」
小石川一乃「照れずにしっかりなさい」
蒔田 悠「で、外に丸聞こえだったと、もしそこに知り合いでも何でもない男子達がいたらバストサイズとかバレてたんじゃない?」
小石川一乃「うっ・・・・・・」
蒔田 悠「だったら『セクハラ 』じみていてもその内容が外に漏れていると中にいる奈々に知らせた方が、奈々たちを守れるよね」
三井奈々「ええ、不本意ながらそういうことになるわね」
蒔田 悠「ただ単に『胸の話聞こえてるぞ』と言ったら、外でたむろしてこっそり聞いてる男子たちに睨まれるよね」
  周りの男子たちが頷く
蒔田 悠「であるならばアホを演じてそうと悟られないように『当人たちが断れる程度のセクハラ発言』を伝えるのはアリなんじゃないかな?」
三井奈々「そう考えれば説明がつかなくもないわね」
小石川一乃「そもそも奈々が私のバストを掴まなければそんな話になることも無かったんですわ!」
蒔田 悠「ここでその話を始めたら昭二君の苦労が台無しだよ」
三井奈々「とりあえず、昭二君は解放するわ」
小石川一乃「ええ、悪いのは昭二君ではなく奈々ちゃんだとはっきり分かりましたし?」

〇おしゃれな教室
  こうして昭二は解放された
  奈々はクラスを見渡すと首を傾げながら悠に話しかける
三井奈々「あれ、昴は?浜野昴、まさか遅刻?」
蒔田 悠「入学式に遅刻してくるのはお前たちぐらいだ、あいつは受験成功して筑波大付属に行ったぞ」
蒔田 悠「三井不動産の次期社長ともなるとやっぱちげーや」
蒔田 悠「あれ?どうしたの、三井財閥次期総帥と、三井銀行次期頭取」
「ううっ・・・・・・」
  二人の元へお茶の水付属からの不合格通知が届いたのは約3ヶ月前のこと、まだショックは引きずっていた
三井奈々「奇跡的に遅刻せずに受験できたのに不合格だったなんて」
蒔田 悠「いや、それスタートラインだから」
小石川一乃「奈々ちゃんは落ちた原因がもうわかってるでしょ」
河上先生「本日より皆さんの担任となりました、河上 俊と申します。これから教科書を配布しますので、皆さん出席番号順に並んでください」
  先生の言うとおりに出席番号順に並ぶと見覚えのない人も結構いることに気づいた。
三井奈々「そっか、高校受験して入ってきた子も結構いるのね」
ミルク・シャルテット「私もそうです、これからよろしくお願いします。三井奈々さん」
  後ろから声を掛けられ振り返ると金髪の女の子が笑っていた
ミルク・シャルテット「UKのセント・マーガレットスクールから来ましたミルク・シャルロットと申します」
三井奈々(私よりもお嬢様ね!むしろ姫?)
三井奈々「よろしくね、シャルロットちゃん」
ミルク・シャルテット(可愛らしい!もはや姫君!)
ミルク・シャルテット「はいよろしくお願いいたします!奈々ちゃん」
  列が進み、奈々の番になった
河上先生「はい、教科書とノートね」
  第6世代のiPad、Apple Pencil、keyboard、Apple Watch‎が渡された
河上先生「教科書データは全部その中に入ってるから」
三井奈々「あの、中学校までは紙でしたよね?」
河上先生「中学生はこんなものを与えてもすぐに壊してしまうし、それをいちいち賠償してもらうとしてもその大変さはよく分からんだろう」
河上先生「しかし高校生にもなればアルバイトが出来るし10万円を超えるこの板がどれだけ大切にしなきゃいけないものかも分かるだろ?」
河上先生「みんなもしっかり聞いておけ、もし故意に壊したら弁償だからな」
河上先生「家が貧乏だという子も安心しろ、初等部や中等部の清掃や雑用をする用務員として時給1500円で雇ってその賃金を弁償にあてる」
河上先生「金持ちの家の子も金での弁償は引き受けないからそのつもりで」
  教室のあちこちで机にiPadを置いて、深呼吸する生徒たちがいた
蒔田 悠「あの・・・・・・どうしてそんなシステムになったんですか?お金で解決しちゃいけないんですか?」
河上先生「お前らの5年上の先輩が『同級生のiPad air壊したったw』とかいうふざけた動画をYouTubeにアップした」
河上先生「もちろん動画は炎上 桜蒼学園が特定されて大変なことになったんだよ」
河上先生「『高校生にそんな高いもの持たせるな』みたいな”ご意見”が殺到して再発防止としてこのシステムになった」
河上先生「ついでに抑止力を高めるために機材を最新式最高グレード一式に変えた、という経緯だ」
  この時生徒の意見は一致した
(何やってんだよクソ先輩!)

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