スクランブル交差点でタイムリープ

美愛

タイムリープ(脚本)

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〇SHIBUYA109
佐藤美奈代(さすが、スクランブル交差点、すごい人だわ)
  佐藤美奈代はスクランブル交差点で信号待ちをしていた。
  カンカンカンカン。
  佐藤美奈代の頭の中で、時計の音が鳴り響く。
佐藤美奈代(あれっ、私、スクランブル交差点を渡っているところだったよね?)
佐藤美奈代(でも、信号もまだ変わってないんだから、そんなはずない)
佐藤美奈代(私の勘違いかな?)
佐藤美奈代(あっ、信号が変わった!)
加藤樹「佐藤さん、危ない!」
  加藤くんが佐藤さんに向かって叫んだ。
佐藤美奈代「えっ、加藤くん?」
  その瞬間、暴走車が佐藤さんに向かって突っ込んできた。
佐藤美奈代「きゃーー!」
加藤樹(また間に合わなかった)
  時計が巻き戻っていく。
佐藤美奈代(あれっ、私、交差点を渡っていたよね?)
佐藤美奈代(なにかおかしい。たしか車が・・・・・・)
  信号が青になり、佐藤さんが歩き出す。
加藤樹「佐藤さん、危ない!」
佐藤美奈代「えっ、何?」
加藤樹「危ないから動かないで」
佐藤美奈代「加藤くん??」
  加藤くんが佐藤さんを手をギュッと握った。
加藤樹「もうすぐ車がスクランブル交差点に突っ込んでくるんだ」
佐藤美奈代「車、どこにいるの?」
加藤樹「あれっ、そろそろ時間なのに」
佐藤美奈代「加藤くん、ごめん。私、急いでいるから」
  佐藤さんは加藤くんの手を離し、早足で歩き始めた。
加藤樹「佐藤さん、待って!」
  佐藤さんが交差点を渡り切った時、車が佐藤さんに突っ込んできた。
佐藤美奈代「きゃーー!」
加藤樹(また間に合わなかった)
加藤樹(車の突っ込んでくるタイミングが以前と違った)
加藤樹(どうしてなんだ!)
  時計が巻き戻されていく。
加藤樹(今度こそ、佐藤さんを助ける!)
佐藤美奈代(どうしたんだろう、頭が痛い。急ごう)
加藤樹「佐藤さん危険なんだ。 今日はスクランブル交差点を渡らないで欲しい」
  加藤くんが佐藤さんの手を握りながら言った。
佐藤美奈代「加藤くん、何を言ってるの? 私、急いでいるの! 早く手を離して」
加藤樹「ダメだ! 絶対に離さない。 今度こそ佐藤さんを助けるんだ」
  加藤くんは佐藤さんの手を離そうとしなかった。
佐藤美奈代「もう、どうするのよ! 信号が変わっちゃったじゃない! 加藤くんのせいなんだからね」
加藤樹(車が突っ込んで来ない。 僕は佐藤さんを救えたのか?)
明石琢磨(良かった。 加藤くんのおかげで未来が変わった!)
佐藤美奈代(なんだか頭が痛いし、変な感じがする)
佐藤美奈代(加藤くんも、私が事故に合うような事を言ってたし、一体なんなの?)
明石琢磨「美奈代ちゃん、もう大丈夫だよ」
佐藤美奈代「えっ、あなた誰?」
明石琢磨「信じられないと思うけど、君の未来の夫だよ」
佐藤美奈代「はぁ? そんなの信じられるわけない!」
  明石琢磨がポケットから、キーホルダーを取り出して佐藤美奈代に見せた。
佐藤美奈代「これ、私が大切にしている母からもらったキーホルダー」
佐藤美奈代「どうしてあなたが持っているの?」
  佐藤美奈代はカバンの中から同じキーホルダーを取り出した。
明石琢磨「未来で美奈代ちゃんが寝たきりになった時、君の代わりにと思って大切に持っていたんだ」
佐藤美奈代「意味がわからない! 私は事故で寝たきりになったんなら、あなたと結婚出来るはずがないじゃない」
明石琢磨「君は何とか命を取り留めて、その後出会った俺と結婚した」
明石琢磨「だけど、半年後、今日の事故の後遺症が元で意識がなくなって、ずっと寝たきりなんだ」
明石琢磨「だから、俺が過去に戻って、美奈代ちゃんが事故に合わないように何度もタイムリープしたけど、どうしても過去は変わらなかった」
加藤樹「だから、僕だったんですか?」
佐藤美奈代「どういうこと?」
明石琢磨「俺が何回タイムリープを繰り返しても変わらなかった過去が、加藤くんが美奈代ちゃんに話しかけた途端、少し変わったんだ」
明石琢磨「だから、美奈代ちゃんを助けてもらえるように、少しずつ加藤くんの位置を変えてた」
佐藤美奈代「信じられない」
佐藤美奈代「だけど、未来が変われば、私とあなたの未来もかわってしまうかもしれないのよ?」
明石琢磨「それでも、美奈代ちゃんを助けたかった。加藤くん、未来を変えてくれてありがとう」
明石琢磨「俺は未来に帰る。 美奈代ちゃん、未来で会おう」
  明石琢磨はそう言うと、消えてしまった。
佐藤美奈代「こんな事が本当に・・・・・・」
加藤樹「僕もまだ信じられない」

〇駅のホーム
加藤樹「さっきは驚いたよ」
佐藤美奈代「私だってびっくりしたよ。まさか、未来の旦那さんと会う事になるなんて」
加藤樹「その事だけど、僕が佐藤さんの未来を変える事が出来たのは、僕が佐藤さんを好きだからだと思うんだ」
佐藤美奈代「えっ?」
加藤樹「こんな事を言うのはずるいかもしれない」
加藤樹「だけど、僕も佐藤さんの結婚相手候補にして欲しい」
佐藤美奈代「えっ?」
加藤樹「もちろん未来で、君はまたあの人に会うだろう。だけど、僕も頑張るから!」
加藤樹「その時、僕かあの人、どちらかを選んで欲しい」
佐藤美奈代「・・・・・・その時がきたら」

コメント

  • 新感覚二択クイズ! ちょっと待ったぁ、と、現在が未来に挑む。すご。

  • まさか将来のだんな様が!!(^^)!
    結局どっちを選ぶの?と思ったら、ドキドキしますね!とても余韻の残る最後でした(^▽^)/

  • タイムループものは短くまとめるのが難しいのに
    綺麗に終わっていてその技量に驚きました😌
    途中で思わず「えっ!?」という展開があったのも
    面白かったです🙆‍♀️

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