エピソード1 女将の苦悩(脚本)
〇大衆居酒屋
女将「もう! 何、やってんだい!」
〇大衆居酒屋
店員A 「だってこいつがアタシのお尻を触るから!!」
客1「ちょっとくらい良いじゃねぇかよ~」
〇大衆居酒屋
ガッシャーン!!
店員B「ご、ごめん・・・ごめんなさい・・・うっうう・・・」
女将「またかい・・・一体何枚皿を割ったら気が済むんだい?」
女将「まったく、ろくなのがいやしないよ・・・!!」
〇大衆居酒屋
「お困りですか? 我々にお任せを!」
女将「あ、あんたは!?」
ジャパニーズビジネスマン「N K Y 総合商社異世界支部です。 人呼んでジャパニーズビジネスマンです」
ジャパニーズビジネスマン「察するに接客技術に不安があるご様子。 我々は人材も豊富でして──この方をご紹介いたしましょう」
〇大衆居酒屋
リーダー「某有名チェーン店で白服にまで登りつめた私に是非お任せを! 持てる技術のすべてを叩き込んでみせます!」
女将「チェーン店やら白服やらなんのことかわからないけど、お願いしてみようかねぇ・・・? このままじゃどうしようもないしねぇ・・」
〇大衆居酒屋
2ヶ月後──
店員A 「もう、触っちゃダメだって云っているのに懲りないのはこの手かしら・・・?」
客1「お、おう・・・?」
店員A 「おかげで深く傷ついたわ。 お詫びにコレとコレを注文してね (アタシに気安く触った罰よ。破産しろ)」
客1「お、おい!? この店で一番高いやつじゃねぇかよ!?」
〇大衆居酒屋
ガッシャーン!!
店員B「あ、失礼しました!」
〇大衆居酒屋
女将「まったく驚きだよ」
女将「客にすぐ殴りかかっていた娘がすっかり大人しくなって、皿を割っては泣くしか出来なかった娘がテキパキ片付けるようになって」
女将「本当にジャパニーズビジネスマン様々だねぇ!」
日本人特有の実直さ、融通の利かなさを斬新且つ繊細に見事に変化をつけてくれましたね! 私ももし店の経営していたら、是非試してみたい存在です。
困ったときにどこからともなくやってきて、経営者を危機から救ってくれる頼もしいジャパニーズビジネスマン。交通費もきっちり請求しそうなヒーローだけど、いいですね。別の現場での活躍も見てみたいです。