エピソード2 その召喚、お待ち下さい!(脚本)
〇荒廃した街
村人A「もう・・・おしまいだ・・・不作が続いたうえ魔獣まで出るようになったんじゃ・・・」
村人B「そんな・・・!? わしらは一体どうしたら・・・」
村の子ども「せいじょ、さま・・・そうだ! 聖女さまがいれば・・・!」
村人A「そうだ、聖女さまだ! 聖女さまならきっと我々を救ってくださる・・・!」
村人B「聖女さま・・・!」
〇大聖堂
偉い人「作物は育たず、魔獣まで現れはじめたのは前の聖女様の御力がなくなりはじめたからに違いない」
偉い人「よって一刻も早く新しい聖女様をお喚びしなければ、我々に未来はない──今すぐ召喚の準備を!!」
「その召喚、お待ち下さい!」
偉い人「な──誰だ!!」
〇大聖堂
ジャパニーズビジネスマン「NKY総合商社異世界支部の者です。 人呼んでジャパニーズビジネスマン!」
偉い人「NKY・・・? ジャパニーズ・・・? 何・・・?」
ジャパニーズビジネスマン「ジャパニーズビジネスマンです。 土地が痩せた、魔獣が出る、聖女様に頼りたい──ええ、ええ、お気持ちはよくわかります」
ジャパニーズビジネスマン「ですが、いつまでも聖女様の御力にすがっていてもいいものでしょうか? 聖女様方の御力にバラつきがあるのも事実!」
ジャパニーズビジネスマン「長くて数百年、短くて数年──果たして本当に当てにして良いものでしょうか?」
偉い人「・・・何が云いたい」
ジャパニーズビジネスマン「我々ならそんな悩みもスッキリ解決してみせます!」
〇大聖堂
専門家B「土壌を分析し、土地にあった作物を提案し、」
専門家A「魔獣を人里に近づけません!!」
ジャパニーズビジネスマン「どうぞ、我々にお任せ下さい!!」
偉い人「う、うぅむ・・・そこまで云うのなら・・・ただし、駄目だった時は、わかっているな・・・?」
〇菜の花畑
一年後──
村の子ども「わぁ・・・!? すごいや・・・!?」
村の子ども「聖女さまじゃなくてもすごくなるんだねぇ・・・!!」
ジャパニーズビジネスマン「そうだよ。人間には知恵があるからね」
パン、パン──!!
村人A「凄いぞ!? 音だけで魔獣が帰って行く!?」
ジャパニーズビジネスマン「あとは魔獣が苦手なこの匂いを撒けば完璧ですね!」
村人B「ああ・・・これで安心ね・・・!!」
〇大聖堂
偉い人「確かに作物は実り、魔獣は去った・・・だが、しかし・・・我々には聖女様が・・・」
ジャパニーズビジネスマン「別に実際にいらっしゃる必要はないのでは? 象徴としての聖女様なら何の問題もないのではないでしょうか?」
ジャパニーズビジネスマン「我々の世界にも聖母信仰なるものもありますし、」
偉い人「・・・その話、詳しく聞こうか」