梅雨と店主とワタシ

ぽむ

エピソード40(脚本)

梅雨と店主とワタシ

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〇奇妙な屋台
  ゴロゴロ ゴロゴロ
謎占い師さん「これは、ひと雨来ますねぇ」
謎占い師さん「全く。 店主もマッチョさんも どこ行っちゃったのか・・・」
謎占い師さん「ワタシに店番させて〜 占いのお客さん来ても、 部屋に行けないし困るんですよね!」
謎占い師さん「まったく」
北条さん「なに文句言ってるのよ 占い師さん!」
謎占い師さん「やぁ、いらっしゃい。 屋台の店番を頼まれてしまってね」
謎占い師さん「占ってあげたいけど、 館に行けなくて困ってたんですよ」
謎占い師さん「雨が降ったら もう閉めちゃおうかと 思ってたんですが」
北条さん「いいわよ、ここで。 誰も聞いてないし。 いつものように恋愛相談に のってよ!」
謎占い師さん「名も知らぬ人に一目惚れしたお話 でしたっけ?」
北条さん「そうそう。 詳しく占って!」

〇改札口
北条さん「それは駅の改札でのことよ。 音楽大学の試験の日、 降りようとしたら 切符がなかったの」
北条さん「もう時間はないわ 切符はないわ、お金もないわ 雨は降ってるわで テンパっちゃって」
北条さん「試験へのストレスもあって、 その場でワンワン泣き出しちゃった!」
北条さん「そしたら、 外国人風のイケメンがさりげなく 「お嬢さん、泣くと可愛い顔が台無しですよ」って」
北条さん「普通のヒト言わないわよね そんなこと・・・ その時はなんか嬉しくて」
北条さん「さりげなく 切符代を差し出してくれて」
北条さん「雨降ってきたから 傘までもらっちゃって」
北条さん「見つけて返したいんだけど」

〇奇妙な屋台
謎占い師さん「それで恋に落ちたってことですよね」
北条さん「そうなの〜 単純でしょワタシ!」
謎占い師さん「惚れっぽいのですかね」
北条さん「結局、試験は間に合って 実技でも気持ち落ち着いて 演奏できたし 無事に試験も受かったよ!」
北条さん「だって好みドンピシャだったし!」
北条さん「演奏会があるから 聞きに来てもらいたいけど さ〜」
北条さん「ハンカチも傘もお金も 借りっぱなしだし! お礼も言いたいし!」
北条さん「どうやってチケット渡したら良いか 教えてよ!」
謎占い師さん「そうですねぇ 占って見ましょうか」
北条さん「よろしく!」

〇奇妙な屋台
謎占い師さん「これに手を当てて・・・」
北条さん「こう?」
謎占い師さん「エネルギーをためた所で・・・」
謎占い師さん「ムムムムム〜」
謎占い師さん「駅の改札・・・ 傘・・・ 眼の前に再び現れる・・・」
謎占い師さん「だそうですよ」
北条さん「えー、現れるったって いつだかわかんないじゃん!」
謎占い師さん「それは、その時が来ればって ことじゃないですかね」
謎占い師さん「探し物の占いでワタシが ハズレたことはないですから」
北条さん「ふーん 一週間待って 当たらなかったら お金返してもらうからね!」
謎占い師さん「いいですよ。 もともとお茶代くらいしか 取ってませんし・・・」
謎占い師さん「どうぞ でも雨が強くなる前に お帰りなさい」
北条さん「はーい また来るね」
謎占い師さん「やれやれ」
店主「アラ〜なんか 楽しそうなコトしてるじゃない?」
謎占い師さん「店主〜!」
店主「アハハハ 店主はお見通しよ! わかってるんでしょ!?」
謎占い師さん「まったく・・・」
店主「コレあげるから。 行ってらっしゃい」
謎占い師さん「・・・」

〇駅前ロータリー
北条さん「「駅」「傘」っていうから とりあえず来てみたけど」
北条さん「特に何かするってのでも ないのよね・・・」
北条さん「そうだ!」

〇地下街
北条さん「そういえば最近できた地下街に ストリートピアノが置かれたんだっけ」
北条さん「よし、誰もいない・・・」
北条さん「いっちょ、ひいてみるかな!」
北条さん「曲目は・・・」
北条さん「巷の人気曲かな 有名な方がいいよね」
北条さん「雨にちなんだ曲にしよう」
  ♬〜♫〜♬〜♫
  パチパチパチパチパチ
  「ピアノすごくお上手ですね」
北条さん「あっアナタ!」
謎占い師さん「やっぱり北条さんでしたか」
北条さん「やっと気付いたの? あんなに通ったのに!」
北条さん「どうして覚えてないのよ! あんなに親切にされたのに!」
謎占い師さん「そんな覚えてませんよ、 制服着てましたし 年寄りなので・・・」
北条さん「全然そんなことないし! そんなキザっちぃ言葉言うの 占い師さんくらいでしょ!」
謎占い師さん「キザっちぃですか?」
北条さん「ううん、誰にでも「可愛い」とか 言ったら嫌だな〜なんて」
謎占い師さん「いや・・・ ワタシはこう見えて すごく年寄りなんですよ」
謎占い師さん「アナタが思う以上に・・・ 可愛いって言うのは、子どもみたいで 恋愛と申されましても・・・」
北条さん「そんなこと言わないでよ もー 全然年とか関係ないしー」
北条さん「ワタシがいいって思ったんだから いいじゃない! 付き合ってよ!」
謎占い師さん「良く知らない人に そんなことを言ったら ダメですよ・・・」
北条さん「よく知ってるもん! 有名占い師さんじゃん!」
謎占い師さん(それは表の顔・・・ 実はマッチョ国の 高級魔術師だなんて どう説明すれば良いのか)
謎占い師さん(年だって、まさか 2023歳だなんて 思わないでしょうし)
謎占い師さん「とりあえず、遅くなりますし 雨も降ってるから 送っていきますよ」
北条さん「そうだ!はい!傘ありがとう!」
北条さん「ハンカチは・・・ まだ返さない。 返したら縁がなくなっちゃいそうで」
謎占い師さん「いいですよ 差し上げますから」
北条さん「ヤダ! 借りてるから良いんだもん! いつか返すんだもん!」
謎占い師さん「まぁ・・・良くわかりませんが いいですよ。 またお店に来てくれれば いますから」
北条さん「うん! また行く! 待ってて!」
謎占い師さん「ではこれを・・・」
北条さん「えっなにこれ! ワタシに!」
北条さん「なんか凄い! 楽譜!?」
  後でわかったのだけど、
  貴重な作曲家の楽譜原本だった。
北条さん「ありがとう! ワタシもっと頑張る!」

〇奇妙な屋台
  ゴロゴロ ゴロゴロ
店主「夏も近いのかしらね」
店主「夏の誘惑にご用心♡ネ」

コメント

  • マッチョさんに続いて、占い師さんにも可愛らしい恋模様が!? とドキドキしていたら、まさかの2023歳発言!? 色々と衝撃回ですw

  • 占い師さんはいつも優しくてクールでかっこいいなあ。西暦と同じ2023歳でもデーモン閣下に比べたらまだまだひよっこだから問題なしですね。

  • じつはぼく、今日250枚の命を注いだ小説があっさり一次で落選したんです。このお話で救われた気分です。いつもすてきなストーリーありがとうございます。ほっこりでした〜

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