エピソード10(脚本)
〇殺風景な部屋
隊員4「ここが君の部屋だ」
隊員1「ここでしばらく待っていろ」
隊員4「すぐにミナミ博士がいらっしゃる」
ラン「うん」
ラン「・・・何にも無い」
ミナミ「新しいおうちはどうかしら?」
ラン「何も無いんだね」
ミナミ「えぇ、今から揃えていきましょうね。 あなたが好きなもの何でも買ってあげるわ」
ラン「いいの?」
ミナミ「ええ、もちろん あなたが一生暮らすお部屋ですもの」
ラン「嬉しい!」
ミナミ「欲しいものがあったらなんでも言って。 調達させるわ」
ラン「お母さんと一緒にお買い物できないの?」
ラン「カレン達とお買い物行ってね、 すっごく楽しかったんだよ!」
ミナミ「ラン、あなたは特別なの。 普通の人と同じような生活はできないのよ」
ラン「そうなの?」
ラン「じゃあカレン達のところには いつ遊びに行ける?」
ミナミ「何度も言わせないで。 あなたは特別なのよ。 一生ここで暮らすの」
ミナミ「どこにも遊びになんて行けない」
ラン「なんで? さっきは良いって・・・」
ミナミ「あなたが関わると みんな危険な目にあってしまうの」
ミナミ「心当たりあるわよね?」
ラン「・・・」
ミナミ「誰も傷つけたくなければ、 私の言うことを聞きなさい。 わかったわね」
ミナミ「大丈夫。 不自由はさせないわ」
ラン「お母さん!」
ラン「・・・」
ラン「この建物からは出ない・・・」
ラン「けど!」
ラン「私もお宝捜索冒険団!」
〇近未来の通路
ジン「おいおい、 医療センターって こんな簡単に入れちまうのか!」
ハヤト「まあ僕らは元研究員だから 色々裏技を知ってるんだよ」
シュウ「わぁ・・・ いよいよ本物の犯罪者ですよ・・・!」
ミレイ「引き返すなら今ですよ」
カレン「何言ってんの! 私たちは友達に会いに来ただけ! 悪いことなんてしてないもん!」
ジン「おいこら! でけえ声出すな! 気づかれちまうだろ!」
ジン「隠れろ!」
隊員2「なんか今声がしなかったか?」
隊員3「そうか?」
隊員2「若い女の子の声が聞こえたような・・・」
隊員3「気のせいじゃないか?」
隊員2「かな」
「・・・・・・」
ジン「あっぶねー!」
シュウ「これじゃ心臓がもちませんよ・・・!」
ハヤト「急いでランとリオを探すよ!」
ジン「先にミナミさんに会わなくて良いのかよ?」
ハヤト「ミナミ博士に会ったら それこそ追い出されちゃうでしょ」
シュウ「どこか検討ついてるんですか?」
ハヤト「ミレイ、わかる?」
ミレイ「はい こっちです」
カレン「ミレイちゃんすごーい! 探知機でもついてるの?」
ミレイ「はい 似たようなものが」
カレン「へーー!」
ハヤト「行こう」
シュウ「ミレイちゃんも冗談とか言うんですね」
ジン「馬鹿な事言ってねぇで行くぞ!」
〇研究装置
ラン「ここは・・・」
リオ「誰!」
ラン「あなたは・・・?」
ラン「どうしてこんなところに1人でいるの?」
リオ「近づいちゃダメ!」
ラン「っ! ・・・どうして?」
リオ「・・・近づいたら、危ないから」
ラン「なんで?」
リオ「私にもわからない! でもだめなの!」
ラン「・・・わかった」
リオ「・・・」
ラン「ここなら大丈夫?」
リオ「・・・うん」
リオ「あなたは怖くないの・・・私のこと」
ラン「こわい? どうして?」
リオ「そっか、何も知らないんだね」
ラン「なんのこと?」
リオ「私は近くにいる人の事殺しちゃうの」
リオ「悪魔みたいな兵器なんだって」
ラン「嘘・・・」
リオ「嘘じゃないよ でも、だからこそ 私にしかできないことがある」
リオ「ミナミさんがそう言ってくれたの」
ラン「お母さんが?」
リオ「お母さん? あぁ、あなたがミナミさんの言ってた 私の妹ね」
ラン「あなたが私のお姉ちゃんなの?」
リオ「そうだよ。 あなたは何のために生み出されたの?」
ラン「なんのため・・・?」
ラン「どういうこと?」
リオ「本当に何も知らないんだね」
ラン「私、 自分のこともあんまり覚えてなくて・・・」
リオ「そっか、幸せだね」
リオ「じゃあ私が教えてあげる」
リオ「私たちは、人間を幸せにするために 生み出されたの」
リオ「でも私は失敗作。 博士にも捨てられた」
ラン「なに、どういうこと? お姉ちゃんも特別なの? 博士って?何が失敗なの?」
リオ「だから!私たちは、 人間が生きていけるように 生み出された生き物なの!」
リオ「私は、それができなくなったから 捨てられた!私たちを作った博士に!」
リオ「あんたもここにいるってことは そうなんじゃないの?!」
ラン「何言ってるか、全然わかんないよ・・・」
リオ「私たちは人間じゃない!」
リオ「特別な力を持った化け物なの!」
リオ「そして私は 力を制御できなくなって、 博士に捨てられた!」
ラン「そんなの信じない!」
リオ「どうぞご勝手に どうでもいいよ」
ラン「・・・っ」
ミレイ「ここです」
リオ「誰!」
カレン「ラン!」
ラン「カレン! ジンも!シュウも!」
シュウ「よかった!無事でした!」
ジン「あいつがリオか・・・」
ジン「さーて、ここまで来ちまったけど どうするよ?」
ラン「どうしてここに!」
カレン「ランが心配で!」
リオ「みんな誰なの!? 勝手に入って来ないでよ!」
ハヤト「リオ、僕らは!」
ミナミ「騒がしいと思ったらお揃いで」
ジン「ミナミさん・・・」
ミナミ「ラン、 どうして部屋でじっとしてられないの? こっちにいらっしゃい」
ラン「いや!」
ミナミ「ああそう。 コソ泥のせいで 悪い癖を覚えちゃったのかしら」
ジン「随分な言い草じゃねぇか」
ミナミ「ハヤト先生にミレイまで久しぶりね」
ミナミ「あなた達センターは とっくの昔に辞めたんじゃなかった?」
ハヤト「ミナミ博士・・・ お久しぶりです」
ミレイ「ハヤト先生が辞めたのは、 あなたのやり方に疑問を持ったからです」
ミナミ「そう、どうでもいいけど」
ミナミ「不法侵入は立派な犯罪よ?」
ミナミ「駄目ね この国最高峰の医療センターが こんなに防犯対策が できてないなんて」
ハヤト「ミナミ博士 なぜリオがここにいるんですか?」
ミナミ「なぜ?」
ミナミ「そんなのスオウ博士が見捨てたから 引き取ったのよ」
ハヤト「そんなわけない!」
ハヤト「スオウ博士はセンターにいるときも 最後までリオの事を救おうと 研究を続けてた」
ミナミ「そうだったかしら?」
ミレイ「とぼけないでください」
ハヤト「リオを軍事利用しようと考えるあなたに、 スオウ博士がリオを託すはずがない!」
ミナミ「人なんて変わるものよ」
ハヤト「ランはどうなんです」
ハヤト「ランは、リオを守るために スオウ博士が 生み出したんじゃないですか?」
ラン「え?」
ミナミ「どうでしょうね」
ミナミ「さぁ早くここから出ていきなさい 部外者は立ち入り禁止よ」
リオ「どういうこと・・・」
ミナミ「リオ、 こんな犯罪者の言うこと聞いちゃダメ。 リオは私しか守れない」
リオ「博士は、私が失敗作だから、 怖くなって閉じ込めて、 置いていったんじゃないの?」
ミナミ「そうよ」
ハヤト「ちがう! スオウ博士は誰よりも君の事を考えてた!」
ハヤト「君の体内の毒素を どうにか浄化できないかと!」
ミナミ「リオ、そうじゃないわ」
リオ「ねぇ、どういうこと・・・?」
リオ「私は兵器としてしか 価値がないんじゃないの?」
リオ「兵器としてみんなの役に立てば、 みんな喜ぶんじゃないの?」
リオ「許してくれるんじゃないの?!」
ミナミ「そう、そのとおりよ。 それがあなたの特別な力だもの」