とおりゃんせ

おけの

その案件は怪しいニオイがする(脚本)

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〇CDの散乱した部屋
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「しまった・・・ ゲームに課金し過ぎた!」
  スマホの使用料金の金額を見た俺は、
  頭を抱えた。
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「いつもより良い案件を見つけないと 支払い出来ないぞ」
  スマホの料金が
  10万円という多額を叩き出してしまった。
  急いでパソコンを立ち上げ、
  案件を探す。
  フリーライターでまぁまぁ稼いでる俺。
  しかし、さすがにスマホ代だけで
  10万もかかるような稼ぎはない。
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「これは俺の不得意な案件だし できそうにないな」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「これは出来ても支払いにみたないし」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「こっちは引き落としに間に合わないな・・・」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「お、これは・・・」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「取材の案件で・・・ ほとんど経験がない人でもいいのか」
  滅多にないような案件だった。
  内容は──
  【とある噂のある村の取材。
  先に報酬を10万円支払います。
  取材後、村について記事を執筆されれば、
  さらに10万円振り込みの案件です】
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「これなら行ける!!」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「取材先が噂の村ってのが 少し不安だけど 背に腹は代えられない!!」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「よーーーし! 頑張って提案文書くぞ」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「よし、できた! これで送信」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「面接があるみたいだし、 噂の村について少し調べよう」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「確か村の名は・・・かくれ村 だったはず」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「・・・かくれ村じゃなくて 隠れる村と書いて “おぬむら”って読むのか」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「えーと、ニュースサイトによると・・・」
  この村の存在が知られたのは一年前。
  ネタに困っていたアイチューバーが
  生配信をし
  その途中で消息を絶ってしまい、
  それが広まったのがきっかけだ。
  その村では
  幽霊がでるらしいということで
  撮影していたらしい。
  詳しいことはわからないが、
  生配信であったことから、
  映像は残されていない。
  それ以降、村に入って
  戻って来れなかった者は5人。
  警察の調査が入っているが
  何の痕跡もなく
  捜索打ち切りとなった。
  5人は未だに
  行方不明のままで、
  神隠しと言われている。
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「こ、怖い・・・」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「何か聞こえた?」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「なんだ。 片づけてない瓶が倒れただけか」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「お、思った以上にクライアントから 早い返信が来たぞ」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「ん? 明日の10時からカフェで待ち合わせか」
藤坂 萩(ふじさか しゅう)「急いでるのかな? とりあえず、寝るか」

次のエピソード:編集者とカフェで

コメント

  • サイレントヒルとか、いつも思うのですがヤバイとわかっててそこに突っ込んでいく人を見ると「あーっ」てなりますね。
    ライターの申し込み、提案文って言うんですね。全然知らない領域の話で新鮮でした。
    課金で10万振り込んだのが彼の運のつきですね。秒で殺しに来る村長をどうかわすか楽しみです。

  • うっわー! あやしさ満点ー!
    10万って、あのゲームのガチャかな……心霊現象よりそっちが怖い……
    どうなるか楽しみですっ!

  • 曰くつきの村の取材、傍から見ればワクワクするようなものなのでしょうが、当事者の心境たるや……インパクト十分の案件ですねー

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