オヤコドン・オブ・ザ・デッド

情無合成獣スフィアマザコンザウルス

復讐編パート2(脚本)

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〇空

〇中庭
橘宏美「・・・・・・」
橘宏美「・・・・・・はあ」
柳生花凛「あっ、オニーサン発見!!」
橘宏美「・・・ん、ああ、花凛ちゃんか・・・」
柳生花凛「どうしたの?オニーサン、なんか最近元気ないけど」
柳生花凛「今日もこんな所で黄昏れちゃって・・・」
橘宏美「・・・大人には色々あるの」
柳生花凛「へぇ〜え?」
橘宏美「なんだよその顔は・・・」
柳生花凛「べっつに〜?」
橘宏美「・・・・・・・・・」
柳生花凛「ま、何があるかは知らないけど、困った事があったらあたしやママに相談してよ」
柳生花凛「だって私達、運命の赤い有刺鉄線で繋がった仲じゃない♡」
橘宏美「あのなぁ・・・」
橘宏美(・・・・・言えるワケがないだろ)
橘宏美(・・・・・・あんな事・・・)

〇職人の作業場
橘宏美「なん・・・ですって!?」
葛城乙葉「そんな事が・・・そんな、ゲームみたいな」
アンナベル羽佐間「残念だけど、確実な事実だよ・・・件のUSBメモリ内にあった情報さね」
アンナベル羽佐間「今回の事件の収束のため、政府は米軍から極秘裏に取り寄せた中性子爆弾を使い、この荒井市を吹っ飛ばすそうだよ」
アンナベル羽佐間「ゾンビや変異生物・・・そしてアタシら生存者諸共、ね」
葛城乙葉「そんな非人道的な・・・!!」
葛城乙葉「第一、中性子爆弾も分類は核兵器ですよ!? それを日本で、よりによって政府が使うなんて・・・!!」
橘宏美「いや・・・本邦の政府ならそれぐらいやるだろうよ」
橘宏美「口では平等や愛を叫びながら、俺みたいな多数派の”可哀想に見えないやつ”は平気で見捨てるような連中だろ」
橘宏美「同じように『社会のためにあなた方は死んでください』ぐらいの事、平気でやるさ」
アンナベル羽佐間「流石底辺を名乗るだけはある、理解が早くて助かるね」
橘宏美「そりゃどうも」
アンナベル羽佐間「並びに・・・今回の騒動の最中、この状況を取材しに来るマスコミの類は見なかった」
アンナベル羽佐間「県境も武装した兵隊に守らせて、侵入者も脱出者も許さない状況・・・」
アンナベル羽佐間「そして、その兵隊もついこの間姿を消した。街ごと消えんためにね・・・」
アンナベル羽佐間「・・・今回の件、よほど隠したい事があると見える」
橘宏美「隠すって何を・・・」
アンナベル羽佐間「そこまではレディ・・・USBの渡し主も掴みきれなかった、ただ・・・」
橘宏美「ただ?」
アンナベル羽佐間「・・・・・”かごめの会”という単語が関係しているらしい」
葛城乙葉「かごめの会・・・?」
橘宏美「・・・陰謀論や都市伝説の話で登場する組織ですね、アメリカでいう所のフリーメイソンみたいな」
アンナベル羽佐間「十中八九その手の好きモノを騙す為の目眩ましだろうがね、今回の件に国家レベルの力が働いてるのは確かだよ」
アンナベル羽佐間「どの道、一週間もすればアタシらはここを発つ。準備はしといてくれ」
橘宏美「・・・・・・」

〇中庭
橘宏美(あれから3日・・・・ ・・・そして脱出まであと3日)
橘宏美(このままじゃ本当に・・・)
柳生花凛「なんだかよく解らないけど・・・相当悩んでるようね」
柳生花凛「あ、そうだそうだ!」
橘宏美「今度は何よ?」
柳生花凛「これ渡そうと思ってオニーサン探してたんだ、はいこれ」
橘宏美「・・・これは?」
柳生花凛「探索中に見つけた食材で作ったの、花凛特製栄養ドリンク♪」
柳生花凛「滋養強壮、疲労回復、精力増強・・・あと、メンタルの安定効果のあるリラックス効果にも効く特注品!!」
橘宏美「・・・飲めるの?それ」
柳生花凛「失礼ねー!!ママにも手伝ってもらって、ちゃーんと味見もしたんだから!!」
橘宏美「・・・飲めるって事ね?」
柳生花凛「当たり前じゃない!!昔のラノベのヒロインじゃないんだから!!」
柳生花凛「・・・・それに」
柳生花凛「オニーサン・・・なんか最近元気ないから」
橘宏美「・・・・・・」
柳生花凛「そういう時は、ご飯食べてお酒飲んで寝ちゃえばいいのよ」
橘宏美「子供が知ったふうに言ってくれるなぁ・・・」
柳生花凛「あら?オニーサンだって、そういう苦労があるタイプの大人には見えないけど?」
橘宏美「こいつ・・・」
柳生花凛「あははっ!!これでオアイコって事で じゃあね〜♪」
橘宏美「・・・・・・」
橘宏美「・・・美味いなこれ」
柳生花凛「・・・・・・・・・」
柳生花凛「・・・・・・♡」

〇ハート

〇病室
橘宏美「────────!!!!!!」
橘宏美「・・・・・・・・・」
橘宏美(・・・・・・んだよ、またエロい夢かよ)
橘宏美(・・・まあ、身体鍛えてるわけだし、何より闘争本能も活性化してるワケだ。そらこういう夢も見るわな)
橘宏美「・・・・・・・・・」

〇黒
アンナベル羽佐間「・・・もしかしたら使う機会は無いかも知れない」

〇病室
橘宏美(・・・そんな事あってたまるか!!)
橘宏美(10年以上待ってようやくチャンスが巡ってきたのに、そんな・・・!!)
橘宏美「・・・んっ?」
  ・・・・・・・・・
橘宏美「だ、誰だ?そこにいるの・・・」
柳生花凛「・・・あたし、だよ オニーサン」
橘宏美「・・・なんだ花凛ちゃ・・・」
橘宏美「・・・・・・ん!?」
橘宏美「な・・・何!?その格好・・・!?」
橘宏美「てか服!服着なさいよ服!」
柳生花凛「・・・オニーサン?」
柳生花凛「・・・・・最後になるかも知れないからさ」
橘宏美「えっ・・・」
橘宏美「・・・・・・」
橘宏美「・・・・・そうか、信用できる人間には教えるつってたもんな」
柳生花凛「うん・・・全部おば様から聞いた ママも知ってる」
橘宏美「・・・そっか」
柳生花凛「・・・それもある、でも・・・」
柳生花凛「なんだか・・・最近のオニーサン、生き急いでるみたいに見えて、不安なの」
柳生花凛「このままじゃ、いつしか死ぬんじゃないかって・・・」
橘宏美「・・・・・・」
柳生花凛「だから・・・・・・」
橘宏美「・・・・・・」
橘宏美「・・・・・・やっぱり駄目だ」
柳生花凛「・・・どうして?」
柳生花凛「どうしてっ!?どうしてあたしは駄目なの!?オニーサンだって興奮してるくせに!!」
橘宏美「してるからだよ!!!!」
柳生花凛「何よそれ!?意味わかんない!!」
橘宏美「・・・・・情けないとでも言うがいいさ 事実だから仕方ないけど」
橘宏美「・・・実際つーか、俺中学時代はいじめられてたし」
柳生花凛「それが今何の関係が・・・!!」
橘宏美「その時いじめてた連中は、俺がトラウマに苦しむ横でリアル人生充実してたんだよ!!」
橘宏美「今だって女と引っ付いて!子供コロコロ産んじゃって!自転車に乗っけて買い物なんか行ったりして!塾なんかに行かしたりして!」
橘宏美「・・・・・・」

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