〇研究所の中枢
隊員4「失礼します！」
ミナミ「ええ」
隊員1「ご報告します！」
隊員1「逃亡中のラン様の足取りが掴めました！」
隊員4「現在貧民街に根城を構えている コソ泥のところに身を寄せているようです！」
ミナミ「そう、よかった」
ミナミ「無事で何よりだわ 早く迎えに行ってあげなきゃ」
ミナミ「良かったわね、リオ あなたの妹を連れてくるわよ」
リオ「いもうと・・・」
ミナミ「さ、準備しましょう」
隊員1「我々が起こした失態！ 我々が保護して参ります！」
ミナミ「いいえ、大丈夫よ。 私が迎えに行ってあげないと」
ミナミ「それにあなたたち、 この前あの子のことを 散々怖がらせてしまったでしょう」
隊員1「それは・・・」
隊員4「申し訳ございません！」
ミナミ「早く保護してくれようとするのは ありがたいけど」
ミナミ「丁重に扱ってもらわないと困るわ」
ミナミ「大事な大事な娘なんだから」
「はっ！」

〇組織のアジト
ジン「まぁ、色々試した結果 数値の減少はランのおかげってことで ほぼほぼ間違いないだろう」
シュウ「ランちゃんにスキャナー当てても 少しも反応しないですしね！」
カレン「すごーい！」
カレン「すごいよラン！」
ラン「そうなの？」
シュウ「この力？体質？が 追われてた原因なんですかね？」
ジン「さあなぁ」
カレン「ラン空気清浄機みたい！」
ラン「それは・・・褒めてるの？」
カレン「もちろん！」
ラン「そっか、ありがとう」
カレン「ランが居ればどこにでも行けるね！」
シュウ「そうだね」
ジン「こらこら！」
ジン「ランはちゃんと お家に帰さんとでしょーが」
カレン「そうだけどー」
ラン「そういえば、 ３人は何をしてる人達なの？」
カレン「ある時は空気の汚染度測定員！」
カレン「ある時は地質調査団！」
カレン「またある時はお宝捜索冒険団！」
ジン「雨漏りも直すし、子守りもするし 爺さん婆さんの足にもなるぞ〜！」
シュウ「まぁ要は ”何でも屋さん”ってとこかな⭐︎」
ラン「そうなんだ」
カレン「報酬さえもらえれば！」
シュウ「ある程度！」
カレン「なんでもやらせていただきます！」
ラン「すごいね！」
ジン「つっても、こんな生活だけどな〜」
シュウ「それはジンさんが 格安で色々引き受けちゃうから！」
ジン「いいんだよ 貰えるところから貰えば」
カレン「色んなもの拾って来れるしね！」
シュウ「あんまり良くないけどね！」
ラン「３人はどんな人からでもお願いされたら なんでも引き受けてくれる 何でも屋さんなんだよね」
ジン「おぉ！」
シュウ「だから！ ある程度！ 仕事は選びますよ！」
ラン「あの、じゃあ・・・」
ラン「私、自分が何者なのか知りたいの！」
ラン「お金は、えっと・・・ 今は無いけど、 絶対どうにかするから・・・！」
ジン「最初からそのつもりだよ」
ラン「え？」
シュウ「報酬なんていらないよ、 ね？ジンさん」
ラン「そんな！ダメだよ！」
ジン「何言ってんだ」
ジン「お前からはもうもらってるだろ」
カレン「そうだよ！」
カレン「ランはみんなのこと 健康にしちゃったんだよ?! 逆にお礼しなきゃいけないくらい！」
ラン「別に私は何もしてないよ！」
ジン「いやいや、薬代も浮きますし」
シュウ「作業も捗るし！」
カレン「ランは居るだけで 色んな人を救えちゃうんだよ！」
カレン「天使だ・・・！」
ラン「天使・・・？」
シュウ「さっきは ”空気清浄機”って言ってたけどね！」
カレン「うるさい！ いいの！」
カレン「ね？」
ラン「・・・ありがとう」
ラン「よろしくお願いします！」
ジン「つってもどうすっかな〜」
ジン「何にも手掛かりねえし」
カレン「もう一回ランがいた場所に 行ってみる？」
カレン「『犯人は現場に戻ってくる』 って言うし！」
シュウ「それだと僕たちが犯人みたいじゃない？」
シュウ「それにあの追ってきてた人達がまた居たら 今度は逃げ切れないかも・・・」
ジン「ラン、 お前自分の名前以外に 何か覚えてることねえのか？」
ラン「うん・・・ ごめんなさい」
ジン「謝ることはねぇけどよ！」
シュウ「だとするとやっぱり手掛かりは あの政府の人たち・・・」
カレン「そんなこと言っても 直接聞きにいくわけにはいかないじゃん！」
シュウ「いや、それはそうだけど・・・！」
ジン「とりあえず！」
ジン「今日はみんな疲れたろ！」
ジン「ランの歓迎パーティーでもやるか！」
シュウ「賛成〜！」
カレン「宴じゃーー!!」
ジン「お前は海賊か！」
カレン「よっしゃー！ 野郎ども、買い出しじゃー！」
ラン「・・・」
ジン「ほら、お前のためのパーティーだぞ 嬉しくないのか？」
ラン「パーティーって何するの？」
シュウ「美味しいものいっぱい食べて、 いっぱい飲んで、お祝いするんだよ！」
ラン「なんで？」
ジン「なんでって・・・」
カレン「そんなのランと出会えて 嬉しいからに決まってるでしょ！」
カレン「ほらほら！ 早く行かないとお店閉まっちゃうよ！」
シュウ「あ、待ってカレンちゃん！」
ジン「そういうことだ 行くぞ」
ラン「うん！」

〇諜報機関
スオウ「成功だ！」
スオウ「ついにやったぞ！」
ミナミ「博士、これでやっと 次の段階に移行できます！」
スオウ「あぁ」
スオウ「いよいよ培養実験に移る」
ミナミ「ここからですね」
スオウ「あぁ・・・」
ミナミ「今まで誰も成し遂げられなかった 偉大な研究です」
ミナミ「学者ですら半信半疑の人も多いはず」
スオウ「そうだな」
ミナミ「もう少しですよ」
ミナミ「もう少しで この研究の有用性が示せます」
スオウ「ああ ここからはより緻密で繊細な工程になる」
スオウ「君も休める時に休むんだぞ」
ミナミ「はい」
スオウ「よし、では最終工程の確認だ」
スオウ「研究員を集めてくれ」
ミナミ「かしこまりました」