コマンド・ワールド

YO-SUKE

第七話「莉乃ちゃんのことは僕が守るんですけど!」(脚本)

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〇学校の校舎
  卒
  業
  式
  教師たちが互いに抱き合っている。
教師1「ぐ、ぐああ。なんだ! 体が勝手に!!?」
櫻井勇作「あはは。 晴れやかな門出に相応しいダンスだな!」
教師2「た、助けてくれ~!」
教師1「お、おい! お前、離れろ!」
櫻井勇作「無駄だ。そいつにはコマンド 【抱きつかせる】を仕掛けた」
櫻井勇作「せいぜいそこで楽しんでおけ。 俺の復讐が完遂するまでな」

〇体育館の舞台
  中田が松葉杖をついている。
  それを支える莉乃。
中田雷神「悪いな・・・世話をかける」
高岡莉乃「いえ、中田先輩にはお世話になったので」
高岡莉乃「でも、先輩がこんな状態のところに もし櫻井先生が来たら・・・」
中田雷神「問題ない。絶対に速水が助けに来るさ」
高岡莉乃「速水くんが?」
中田雷神「ああ。それより今日が最後だから 言っておくが・・・」
中田雷神「俺は君の気持ちに応えることができない」
高岡莉乃「え?」
中田雷神「以前、君は俺のことが好きだと 言ってくれただろ?」
高岡莉乃「あ、あの、そのことなんですけど・・・ あれは嘘なんです」
中田雷神「どういうことだ? なぜわざわざそんなことを?」
高岡莉乃「じ、実は私──」
生徒B「さ。さ、櫻井だ! 櫻井が来たぁぁぁ!!!」
櫻井勇作「櫻井先生だろうがぁ!!!」
櫻井勇作「くっくっくっ・・・ ぶち壊しに来てやったぞ。中田」
中田雷神「蛇のように執念深い奴め」
櫻井勇作「相手は手負いのお前だけか?」
中田雷神「お前の相手なんて俺一人で充分だ」
櫻井勇作「ハッ! バカめ!」
  櫻井が手をかざすと、体育倉庫から
  無数のボールが中田めがけて飛んでくる。
櫻井勇作「手始めに遊んでやる。 コマンド【ボールの的にする】」
  だがボールが中田に近づくと、一気に
  スピードが減速してノロノロになる。
櫻井勇作「なっ・・・!」
中田雷神「コマンド【スピードを緩める】だ。 こんなボール当たっても痛くはない」
櫻井勇作「ならこれはどうだ!」
  中田が突然転んで尻もちをつく。
中田雷神「くっ! これは・・・」
櫻井勇作「コマンド【足を滑らせる】だ。 松葉杖のお前には、なかなか難儀そうだな」
中田雷神「くそっ・・・!」
高岡莉乃「もう止めてください!」
中田雷神「! 下がってろ!」
櫻井勇作「莉乃か。今更お前がなんの用だ?」
高岡莉乃「櫻井先生・・・ 先生がこうなったのは私の責任ですよね」
高岡莉乃「だったら私が全て、責任を取りますから」
中田雷神「お前・・・」
高岡莉乃「だからこれ以上 卒業式をめちゃくちゃにしないでください」
櫻井勇作「莉乃・・・お前って奴は・・・」
櫻井勇作「想像以上のバカだったなぁ!」
  櫻井が手をかざすと、莉乃が宙に浮かぶ。
高岡莉乃「キャアァァァ!!!」
櫻井勇作「まずお前からぶち殺しやる」
中田雷神「や、やめろ! 櫻井!」
櫻井勇作「死ねぇ!」
  莉乃が床に叩きつけられる。
  だがその瞬間、風船のように床が弾む。
中田雷神「なんだ! どうなってる!?」
速水泰星「コマンド【床をトランポリンにする】を 使ったんだ」
高岡莉乃「速水くん・・・!」
中田雷神「ふん。ようやく来たか・・・」
櫻井勇作「お前かぁ、速水。 今更お前が来たところで何ができる?」
速水泰星「なんでもできるさ」
  速水が手をかざすと、櫻井が宙に浮かぶ。
櫻井勇作「まさか、これは・・・ 俺のコマンド【宙に浮かせる】か」
櫻井勇作「ならこれはどうだ!」
速水泰星「・・・何かしたか?」
櫻井勇作「! コマンドが発動しない!? まさか、そんなこと今まで一度も──」
速水泰星「コマンド【コマンドを封じる】だ」
櫻井勇作「な、な、なんだと!? 2つのコマンドを 同時に使えるのか・・・!」
櫻井勇作「そんなバカな!」
速水泰星「違うな。使えるのは3つだ」
  速水が手をかざすと
  櫻井が壁に飛ばされる。
櫻井勇作「くそぉ! くそぉぉぉぉ!」
速水泰星「コマンド【壁に張り付けにする】だ。 勝負あったな」

〇学校の校舎
櫻井勇作「ちくしょう! 離せ!」
警察「大人しく乗れ!」
中田雷神「これであいつも懲りてくれると いいんだけどな」
速水泰星「はい。先輩の卒業式を めちゃくちゃにしてすみません」
中田雷神「気にするな。 それよりお前、腕を上げたな」
中田雷神「どうやったんだ?」
速水泰星「山ごもりしてました」
速水泰星「毎日熊に追いかけられながら 限界ギリギリまで追い込んで」
速水泰星「そこでコマンドを発動させて・・・」
中田雷神「ふん。たいした奴だ。 もう俺の手助けも必要なさそうだな」
中田雷神「後のことは自分の力でなんとかしろ」
速水泰星「後のこと?」
中田雷神「好きな子を振り向かせるのが お前の当初の目的だろう?」
  中田は手を上げると立ち去って行く。
高岡莉乃「速水くんっ」
速水泰星「り、莉乃ちゃん・・・!」
高岡莉乃「あの、助けてくれて ありがとうございました!」
速水泰星「当然のことをしただけだよ」

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コメント

  • 完結本当にお疲れ様でした
    なんと最後はバトルものっぽい終わりでりのちゃんの戦う姿も見たかったですね!

    面白かったです

  • 完??

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