〇体育館の裏
櫻井勇作「いいか？ 俺のことを誰かに話したら お前を学校にいれなくしてやるからな」
女子生徒「・・・は、はい」
速水泰星「あれは・・・!?」
中田雷神「どうやら、櫻井があの女子生徒を 脅しているらしいな」
速水泰星「こんなに離れているのに 聴こえるんですか!?」
中田雷神「コマンド【盗聴する】を使ったんだ」
速水泰星「先輩のコマンド・・・無敵ですね」
中田雷神「やはり櫻井がクズなのは確定的だが・・・ どうするんだ？」
中田雷神「本当にあいつを懲らしめるのか？」
速水泰星「はい。被害者は莉乃ちゃんだけじゃない ですし・・・」
速水泰星「先輩、協力してくれますよね？」
中田雷神「やれやれ・・・人使いが荒い奴だ」

〇ラブホテル
速水泰星「せ、先輩！ ここ、ラブホテル街ですよね・・・？」
速水泰星「なんでこんなところに」
中田雷神「ここに櫻井が来る」
速水泰星「え？ ここに!?」
中田雷神「職員室に行って コマンド【透視する】を使ったんだ」
速水泰星「透視!?」
中田雷神「あいつのデスクや手帳の中を 覗かせてもらった」
中田雷神「今夜、女子生徒と会うらしい。 ここで証拠を掴む」
速水泰星「す、すごい・・・ もはや先輩がエスパーに見えてきました」
中田雷神「おい！ 来たぞ」
櫻井勇作「さあ行こう。 大人の授業もしっかり勉強しないとな」
高岡莉乃「あの、私まだ心の準備が──」
速水泰星「え？ り、莉乃ちゃん!? 先輩、急いでください！」
中田雷神「わかってる」
櫻井勇作「お前たちは・・・！」
速水泰星「莉乃ちゃんから離れろ！」
高岡莉乃「速水くん!? なんでこんなところに」
速水泰星「莉乃ちゃん。目を覚ますんだ。 そいつはろくな人間じゃない！」
速水泰星「色んな女子生徒に手を出しているんだ」
高岡莉乃「・・・速水くん 私のこと付けてたんですか？」
速水泰星「え、いや、そんなことは・・・」
高岡莉乃「サイテーです！ 二度と私の前に現れないでください」
櫻井勇作「あっはっはっ。 こっぴどく振られたなぁ、速水」
速水泰星「櫻井先生・・・いや、櫻井！ お前が クズ教師だってことは知ってるんだぞ」
櫻井勇作「ほう・・・クズねぇ」
中田雷神「証拠は押さえた。観念するんだな」
中田雷神「さっき撮った写真をリークすれば お前はもうおしまいだ。違うか」
櫻井勇作「あっはっはっ！ そんなもん、誰が信じる？」
櫻井勇作「俺が学校で築き上げたイメージを お前たちが崩せるもんか」
中田雷神「何・・・？」
櫻井勇作「女子生徒とラブホテルの前にいた」
櫻井勇作「そんな写真だけで、俺のことを 嵌められると思ったら大間違いだ」
速水泰星「負け惜しみいいやがって・・・」
櫻井勇作「ならいくらでも試してみるがいいさ。 あっはっはっ！」
速水泰星「先輩、どうすれば？」
中田雷神「・・・くそ。試してみろって言うなら 派手に実行するまでだ」

〇体育館の舞台
校長先生「清く正しい学生生活・・・それには 日頃の皆さんの心がけが大事です──」
生徒Ａ「お、おい！ なんだ、あれ!?」
生徒Ｂ「写真だ！ 写真が降って来た！」
生徒Ａ「この写真・・・櫻井先生だ！ 一緒にいるの誰だ？ うちの制服だぞ」
生徒Ｂ「これ、駅前のラブホだ！」
校長先生「こ、こら！ 静かにしなさい！」
速水泰星「全校生徒の皆さん・・・！ 聞いてください！」
櫻井勇作「お前たち・・・随分、派手なやり方だな」
中田雷神「女子生徒に手を出している 淫行教師を成敗しに来た」
櫻井勇作「なんだと？」
速水泰星「櫻井。お前は人の純粋な気持ちを 踏み躙っている。僕は許さない」
高岡莉乃「速水くん・・・」
櫻井勇作「生徒の皆さん、落ち着いてください」
櫻井勇作「今どき、こんな写真は合成で いくらでも作れます。違いますか？」
速水泰星「合成なんかじゃない」
櫻井勇作「なら聞くが なぜこの女子生徒の顔を隠している？」
速水泰星「それは・・・」
櫻井勇作「この写真が俺だとして この相手は誰なんだ」
櫻井勇作「言ってみろ？」
速水泰星（そ、そんなの言えるはずないだろ！ 莉乃ちゃんをみんなの前で──）
　　櫻井に迫られている。
　　どうする？
　　１　笑う　
　　２　なでる　
　　３　拍手する　
　　４　怒鳴る
速水泰星（! ここでコマンドが・・・！）
櫻井勇作「どうした？ どうせ適当にでっち上げてる から何も言えないのだろう？」
高岡莉乃「もう止めてください！」
速水泰星（莉乃ちゃん!?）
高岡莉乃「もういいよ。速水くん。私が話す」
速水泰星（ダメだ！ 莉乃ちゃん・・・！ こうなったら――これだ！）
櫻井勇作「ふん・・・速水、中田。お前たちこんな 大仰なことをしでかしてタダでは──」
速水泰星「黙れこのクソ教師がぁぁぁぁ!!!」
櫻井勇作「なっ・・・！」
速水泰星「女の子を泣かして、傷つけるような奴を 僕は教師と認めない」