第四話「好きな人と買い物に来たんですけど」(脚本)
〇ショッピングモールの一階
中田雷神「おい。なんで俺がお前のデートに 付き添わなきゃならないんだ?」
速水泰星「僕はまだコマンドが4つしかないんですよ」
速水泰星「こないだ増えたのだって【怒鳴る】です。こんなのデートに役立ちませんよ」
中田雷神「好きな男とデートするために 勝負服を買うんだろ?」
中田雷神「そんなの最初から負け戦じゃないか」
速水泰星「負け戦とか言わないでください!」
速水泰星「とにかく、何かあった時に先輩いなかったら不安なんで遠くで見守っていてください」
中田雷神「ふう・・・仕方ない奴だ」
速水泰星「あ、莉乃ちゃん、来た! 先輩、隠れて早く」
中田雷神「やれやれ・・・」
高岡莉乃「こんにちは。待ちましたか?」
速水泰星「全然。てか、莉乃ちゃんの私服 めちゃかわいい・・・」
速水泰星「僕のアドバイスなんて いらない気がする・・・」
高岡莉乃「あくまで一男性としてのご意見を 伺いたいんです」
高岡莉乃「アドバイスお願いします」
速水泰星(さっそく心をえぐってくるな・・・)
速水泰星「が、がんばります」
〇アパレルショップ
高岡莉乃「速水くん。 こっちの赤い服と、青い服だったら どっちがいいと思いますか?」
速水泰星「え、えーと・・・」
彼女に質問をされた。
どうする?
1 笑う
2 なでる
3 拍手する
4 怒鳴る
速水泰星(くそっ・・・やっぱり1と3が 無難なところだよなぁ・・・えいっ)
高岡莉乃「え? なんで拍手ですか?」
高岡莉乃「あのぉ・・・」
速水泰星(ダメだ。まだ喋れない。 でも僕は赤がいいと思う! 赤だ・・・!)
高岡莉乃「その表情は・・・わかりました!」
高岡莉乃「青ですね! よく見たら 赤はセンスの欠片もありませんし!」
速水泰星(心えぐられるパート2だ・・・)
〇宝石店
高岡莉乃「やっぱり服に似合うアクセサリーも 買いたいんですけど・・・」
高岡莉乃「どれがいいですか?」
速水泰星「アクセサリーか・・・」
彼女に質問をされた。
どうする?
1 笑う
2 なでる
3 拍手する
4 怒鳴る
速水泰星(またかよ! また3を選んで、 変に勘違いされても困るしな・・・)
高岡莉乃「あ、私、アクセサリーなんて 似合わないですかね・・・」
高岡莉乃「そうですよね」
速水泰星(ち、違うんだ! いまコマンド選択を 決めあぐねているだけで・・・)
速水泰星(あー、どうしよう!)
高岡莉乃「すみません・・・私──」
速水泰星「けしからん!」
高岡莉乃「え?」
速水泰星「ウジウジと悩んで 自分に自信を持たないでどうするんだ!?」
速水泰星(しまった、時間切れだ! 【怒鳴る】が自動選択されたのか・・・!)
高岡莉乃「ごめんなさい・・・私・・・」
速水泰星(さ、最悪だ・・・ 心がえぐられるパート3だ・・・)
〇ショッピングモールの一階
高岡莉乃「速水くん。早く早く! 向こうのお店も見てみましょう!」
速水泰星(僕の前ではしゃぐ かわいい莉乃ちゃん・・・)
速水泰星(これが彼女だったら最高なのに)
速水泰星「って、莉乃ちゃん、前見て!」
高岡莉乃「え? きゃ!」
???「おっと」
高岡莉乃「すみません、ぶつかっちゃった・・・」
櫻井勇作「お、莉乃じゃないか」
高岡莉乃「さ、櫻井先生!?」
速水泰星(あれは、現国の櫻井!)
速水泰星(学校一のイケメン教師)
速水泰星(女子たちの間でファンクラブまで 出来ているという噂の──)
櫻井勇作「あはは。学校の外で先生って 言われると恥ずかしいなあ」
櫻井勇作「莉乃はどうしてこんなところにいるんだ」
高岡莉乃「あ、いや、その・・・私は・・・」
櫻井勇作「あ、そうかデートだな?」
櫻井勇作「そこにいるのは・・・同じ一年の速水か」
高岡莉乃「デ、デ、デ、デートなんかじゃないです!」
櫻井勇作「速水。学食でのダブル告白は噂に聞いたが ・・・本命は莉乃だったか」
速水泰星「あ、あれは誤解なんです!」
櫻井勇作「あははは。わかってるよ・・・ でも、安心したよ」
高岡莉乃「え?」
櫻井勇作「速水に大事にしてもらえよ」
高岡莉乃「いや、あの・・・」
櫻井勇作「速水。いい子だから、よろしく頼むよ」
速水泰星「はあ・・・」
櫻井勇作「じゃあな」
高岡莉乃「はぁ・・・なんでこんなことに・・・」
速水泰星「莉乃ちゃん?」
〇田舎のショッピングモール
速水泰星「はい。これ食べる?」
高岡莉乃「ありがとうございます」
速水泰星「櫻井先生と会ってから 様子がおかしいけど」
速水泰星「もしかして・・・」
高岡莉乃「そうなんです。 私が好きな人は櫻井先生です」
高岡莉乃「入学式で迷子になっている時に 声をかけてくれて・・・」
高岡莉乃「それ以来ずっと」
速水泰星「そ、そうだったんだ・・・」
高岡莉乃「生徒と教師なんてうまくいくはずないって わかってるんですけど・・・」
高岡莉乃「いつか櫻井先生とデートしたくて」
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絶対速水くんが良いと思いますが恋は盲目
イケメン先生出て来て確かにこの人に誘われたら嬉しいな〜と思っちゃいますね
サクサク読めて正にタップノベル!勉強になります