08 隼也の今後(脚本)
〇田舎の学校
土日を跨いで再び月曜日。先日のヤンデレ騒動が終わり、漸く俺の日常は平凡を取り戻した。その筈だったのだが、
星宮咲「隼也!今日のお弁当は自信作よ!有難く受け取りなさい!」
黒崎友香「隼也さん!国語の課題でちょっと分からない所有るんですが、この後教えてくれませんか?」
あの後、俺達は三人で帰って、その帰り道で俺は二人から告白されたが、俺はどっちも大切と言う理由で告白を断っていた。
それが余程悔しかったのか、土日の間に二人から熱烈なアピールを受けて一人の時間が中々取れなかった。
星宮咲「ちょっと友香ちゃん?私が最初に隼也に声掛けたんだから、順番位守ってよね?」
黒崎友香「あれ?居たんですか?恋は先手必勝って言うじゃ無いですか。星宮先輩の理屈なんて興味有りませんから」
黒崎友香「何より、そんなに怒るとシワが増えておばさんに成っちゃいますよ?」
星宮咲「言わせて置けばこの小娘ぇ!!」
沢渡隼也「分かった!分かったから落ち着け!一人ずつ話聞くから!此処で喧嘩するな!な!」
俺が告白を断って以降、二人のバトルは激化している様な気がした。かと言ってどちらか一人を選んだら選んだで何処か
後味の悪い結果が待っていそうで怖かった。俺としてはどっちの気持ちも大事にしたいが、こう言うのを、優柔不断と言うのだろう。
星宮咲「大体!隼也が何時までも決断しないのがいけないんだよ!私達がこんなにアピールしてるんだから、そろそろ決めなさいよ!」
黒崎友香「隼也さん、そんなシワ寄せおばさんなんかより、私の方が絶対隼也さんを幸せにする自身有りますからね!」
星宮咲「誰がおばさんよこの幼稚園児!」
黒崎友香「言ってくれますね。この際怠慢張りますか?」
沢渡隼也「分かったから喧嘩するなって!俺もどうして良いか分からないんだって!」
三谷かな恵「おやおや、朝っぱらから見せ付けてくれるねぇ!」
この光景が目に入った三谷が近付いて来た。あの騒動の真実に気付けたのは間違い無く三谷のお陰だ。俺は駄目元で三谷に
声を掛ける。
沢渡隼也「なぁ三谷、この状況何とか出来ないか?」
三谷かな恵「何言ってるの?どれもこれもあんたが原因で成った事でしょ。もうあたしでも解決出来ないよ」
沢渡隼也「そうかもだけど、何か良い知恵無い訳?あいつ等を止めるだけで精一杯だし」
三谷かな恵「沢渡、あんたももうそこまで子供じゃ無いんだ。何で自分が学校来てると思ってるの?勉強する上で、自分のやりたい事」
三谷かな恵「見つける為だろ?黒崎の未来を守ったんだ。あんたがやりたいと思った事をやれば良い。だからあたしは何もしてやれない」
三谷かな恵「あんたならやれるよ!じゃ、そう言う事だから!」
三谷は言いたい事だけ言って校内へ向かって行った。結局俺はどうして良いか分からず終いだったが、
星宮咲「隼也!あんたは只でさえ鈍臭いんだから、私が居ないと困るわよね!私と一緒に居なさい!」
黒崎友香「隼也さん、こんな奴と一緒に居てもストレスにしか成りません。私が貴方を一生支えます!」
沢渡隼也「・・・・・・思い付いちゃったし、やるしか無いのか・・・」
星宮咲「え?やるって何を?」
黒崎友香「やっと私を選んでくれる気に成ってくれましたか!?」
沢渡隼也「二人共、良く聞いて。俺は、」
俺は二人に、これからひたすら勉強に打ち込む事を明かした。