難を転じて福となす(脚本)
〇風流な庭園
???「頃合いかな‥‥」
???「あの子の実家──」
???「潰すか」
???「彼女を長年、搾取してきた家族諸共‥」
???「いや」
???「“害虫”共を駆除してくれ」
存分に食い荒らしてこい
ツバキ「ヒイラギ様、見てください!コレ──」
ツバキ「すみませんっ!」
ヒイラギ「お主が無事なら、良い」
ヒイラギ「その手紙の主も、お主のおかげで 快方に向かっているのに」
ヒイラギ「お主が怪我をしたら、浮かばれん」
ツバキ「どうしてそのことを!?」
ヒイラギ「我を誰だと思っている」
ツバキ「ヒイラギ様のおかげです!」
ツバキ「ヒイラギ様からいただいた水菓子を 食べてから、調子がいいみたいで」
ヒイラギ「この屋敷内で育った作物なら 我の加護を得ている」
ヒイラギ「それが効いたのだろう」
ツバキ「あの‥ヒイラギ様、その‥‥」
ヒイラギ「何が欲しい?」
ツバキ(そんなに物欲しそうに見えるかな‥?)
”あの人たち”以外から見ても
ヒイラギ「我は与えたいんだ」
ヒイラギ「お主は無欲すぎる」
ツバキ「そ、そんなことありませんよ!」
ツバキ「玄関にある、南天が欲しいんです!」
ヒイラギ「難を転じて福とする‥」
ヒイラギ「今度はそれを送るのか」
ツバキ「‥‥実家にいた頃、よくお世話になった方で」
ツバキ「体調不良をきっかけに暇を出されて 今は苦難の真っ只中だと思うんですけど‥」
ツバキ「私の」
ツバキ「私の時みたいに──」
ツバキ「あの家から追い出されたことを 逆に、好機だと思ってほしいんです!」
ツバキ「笑わないでくださいー!」
ヒイラギ「滞りないか?」
ヒイラギ「ヒトは、体内の水が入れ替わるのに」
ヒイラギ「ひと月ほど」
ヒイラギ「ヒトの肉体が、吐故納新するのは」
ヒイラギ「三月ほど」
ヒイラギ「このまま順調に、 この屋敷の水・作物を与え続ければ──」
あの子もヒトじゃなくなる
深いのですね! 異類婚姻譚・・・ケモナーとは違うんですね?
なんだか壮大な物語の序章のような感じがして、続きを読みたくなりました。頭の部分だけで、物語的な雄大さを感じますね!!
こちらも拝読させて頂きました!面白いです!
異類だからこその残酷な愛の守り方というか、80タップなのにストーリーがしっかり伝わってきました!
異類婚姻譚はめちゃくちゃ好きなので…楽しく拝見させていただきました😊
優しさの中に影がありそうで…続きが楽しみです!