第三話「もう一度デートの約束を取り付けたいんですけど」(脚本)
〇テーブル席
中田雷神「なぜ貴重な日曜日に、お前とカフェに 来なくちゃいけないんだ?」
速水泰星「元はと言えば先輩のせいですよ!」
速水泰星「食堂の一件が拡散されて 莉乃ちゃんに嫌われちゃったんです」
中田雷神「でもコマンドは増えたんだろう?」
速水泰星「【拍手する】が一つ増えただけです」
中田雷神「千里の道も一歩から・・・って言うだろ」
速水泰星「こんなコマンド役に立ちません」
中田雷神「お前はまだわかってない。 このコマンドのすごさはじきにわかる」
中田雷神「で、なんでカフェなんだ?」
速水泰星「実はこのお店・・・」
高岡莉乃「ご注文はお決まりですか?」
速水泰星「! り、莉乃ちゃん・・・」
高岡莉乃「ご注文されないのであれば帰って 頂けますか? 営業妨害なので」
高岡莉乃「それじゃ」
中田雷神「どういうことだ?」
速水泰星「ここ、莉乃ちゃんがバイトしている お店なんです」
速水泰星「今日はこないだの誤解を 解きたかったんですけど・・・」
中田雷神「なるほど・・・ 先に聞いておけばよかった」
中田雷神「莉乃ちゃんを巻き込むことに なってしまった」
速水泰星「は?」
中田雷神「修行の一環になるかと思ってな、新しく 出来たコマンドをついさっき選択したんだ」
速水泰星「へ? それはどういう──」
斎藤穂積「おらぁ!!! 殺されたくなかったら大人しくしろ!」
高岡莉乃「きゃあぁぁぁぁ!」
速水泰星「な、な、なんだ、あれ!?」
中田雷神「見たところ警察から追われている 銀行強盗というところか」
速水泰星「はぁーーー!?」
〇テーブル席
客や従業員たちが縄で縛られている。
斎藤穂積「おい! 警察! さっさと逃走用の車を用意しろ! さもないとこの店の人間ぶっ殺すぞ!」
速水泰星「せ、せ、先輩~! 犯人、めっちゃ 物騒なこと言ってますけど!」
中田雷神「実は【事件に巻き込まれる】っていう コマンドを選択したんだ」
中田雷神「思ったよりハードな事件だったな」
速水泰星「なんでそんなコマンドを!?」
中田雷神「言っただろ? 修行の一環になるかもしれないと」
中田雷神「それより、お前にとっては色々 チャンスなんじゃないのか?」
速水泰星「チャンス?」
中田雷神「このピンチを乗り越えれば またコマンドが増えるかもしれない」
中田雷神「おまけに、莉乃ちゃんに 見直してもらえるかも」
速水泰星「莉乃ちゃん・・・ そうだ、彼女を助けないと・・・!」
速水泰星「でも手はロープでガチガチに 縛られているし、どうしたら──」
高岡莉乃「あの~、すみません」
斎藤穂積「な、なんだてめえ!」
速水泰星(莉乃ちゃん!? 何やってんの!?)
高岡莉乃「あの、手が縛られてるので タイムカードが押せなくて・・・」
高岡莉乃「バイト代が発生しちゃうので 代わりに押してもらえます?」
斎藤穂積「はあ? てめえぶっ殺されたいのか?」
速水泰星(り、莉乃ちゃんが危ない! こうなったら──)
速水泰星「お、おい! 犯人! こっちだ!」
斎藤穂積「ああん? お前何の用だ?」
速水泰星「い、いや・・・その・・・」
斎藤穂積「逃げ出そうとしてんだろ?」
速水泰星「いや、それは、その・・・」
斎藤穂積「怪しいなぁ・・・お前、何を企んでる?」
銀行強盗から睨まれている。
どうする?
1 笑う
2 なでる
3 拍手する
速水泰星(ここでコマンドか! でも、こんな状況で何を選べば・・・)
斎藤穂積「黙っているなら、警察への見せしめに お前だけ殺してやる」
速水泰星(あー! もう! 喋ればいいんでしょ!)
速水泰星「あはは。あーはっはっはっ!」
斎藤穂積「! な、なんだお前」
速水泰星「ダメだ~。笑いが止まらん。あはは!」
斎藤穂積「バ、バカにしやがってぇ!」
速水泰星「な、なんで・・・」
〇テーブル席
速水泰星「! ここは・・・」
中田雷神「目が覚めたか。お前は一発KOされたんだよ」
速水泰星「あ・・・」
中田雷神「あの銀行強盗、なかなかやるな。 おそらく格闘技をやっているぞ」
速水泰星「くそ・・・そんな奴どうやって」
中田雷神「俺なら30秒で倒せるがな」
速水泰星「え? なら助けてくださいよ!」
中田雷神「そしたらお前の修行にならんだろ」
速水泰星「そんな理由で!?」
中田雷神「脳みそをフルに使ってよく考えろ」
中田雷神「追い詰められた時こそ レベルアップのチャンスでもある」
速水泰星「よく考えろって・・・ コマンドだって3つしかないのに」
中田雷神「とにかく突破口はお前が開け」
中田雷神「あいつの気をうまく引いたら トドメは俺がさしてやるから」
速水泰星「そんなこと言われても・・・」
速水泰星「【なでる】や【拍手する】を 選んだところでどうにかなるわけ・・・」
速水泰星「あ! そうか・・・! そうだよ、試してみる価値はある!」
高岡莉乃「あの~、すみません」
斎藤穂積「! またお前か!?」
高岡莉乃「喉が渇いたのでお水を頂きたいのですが 可能でしょうか?」
斎藤穂積「可能じゃない! お前人質なんだぞ」
速水泰星(莉乃ちゃんが危ない! こうなったら一か八かだ!)
速水泰星「ま、待て!」
斎藤穂積「! どいつもこいつも・・・ 懲りない奴らだ」
斎藤穂積「またぶっ飛ばされたいのか?」
銀行強盗から凄まれている。
どうする?
1 笑う
2 なでる
3 拍手する
速水泰星(よし来た。ここでこれを選択すれば)
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りのちゃん!好きな子がいたんですね!
それにしてもりのちゃんのタイムカードの発言見てたら結構癖のある女の子?と思えてきました
好きな子が推し活のアイドルであって欲しいです!