〇神社の本殿
　　有名な縁結び神社の
　　神様
縁結びの神様「今日もお参りの列が 途切れんのぉ～」
縁結びの神様「何じゃ！矢が飛んできた！」
縁結びの神様「と思ったら消えた！」
縁結びの神様「物騒じゃの。こんなもの飛ばしおって」
縁結びの神様「それにしても・・・ 今朝は何だか様子が違うと思うのは ワシだけ？」
縁結びの神様「人？」
縁結びの神様「うん！やっぱりちがーう！」
　　ｶﾜ（・∀・）ｲｲ!!　カノジョ
　　デキマスヨウニ
縁結びの神様「まさかの達筆！」
縁結びの神様「でもお前さんたちは管轄外！ ワシ、そこまで面倒見れんよ」
縁結びの神様「というか 今日は人間が一人もいない これは一体」
「すみませーん！この辺に」
新米天使のマリちゃん「こんな矢の刺さった人見かけませんでした？」
縁結びの神様「お前か！ 人に向かって矢を射てはイカン！ 危ないじゃろ」
新米天使のマリちゃん「それがさ・・・ 全然当たらないの」
新米天使のマリちゃん「狙っても狙っても」
縁結びの神様「お前さん・・・ちょっと危ないヤツだね」
新米天使のマリちゃん「ちょっと！おじいさん！ 私の仕事にケチつけないでよ！」
縁結びの神様「おっ！おじいさん!! って！お前さん、ワシが見えるのか？ 人間には見えぬはず」
新米天使のマリちゃん「私、新米天使のマリちゃん。 よろしくね」
縁結びの神様「天使！ ワシ初めて見た！」
新米天使のマリちゃん「よく言われるの」
新米天使のマリちゃん「私は天使だから、このキューピットの矢で エイ!!」
縁結びの神様「ワシを狙うな！ ワシは、縁結びの神様じゃ」
新米天使のマリちゃん「え？まさかの同業者」
縁結びの神様「ここは神社。気が付かなかったのか？」
新米天使のマリちゃん「あ！研修中にも注意されたのに。 ヤバい！」
縁結びの神様「まあまあ。固い事　言いっこなしじゃ」
縁結びの神様「それにしても、弓。へったくそ～。 ワシの方がなんぼかマシ」
新米天使のマリちゃん「え？弓使えるの？」
縁結びの神様「神様なめんなよ」
新米天使のマリちゃん「いいわね。私全然当たらないの」
新米天使のマリちゃん「それにしても、ここの神社。 地球外生命体専門？」
新米天使のマリちゃん「不便そうな場所だから、ターゲット変えたの？」
縁結びの神様「ターゲットも何も今朝から突然こんな感じ。一体何が起こっとるのかの～」
新米天使のマリちゃん「え？知らないの？ 今渋谷の中心に温泉が湧き出たって大騒ぎよ？」
縁結びの神様「はあ・・・」
新米天使のマリちゃん「はあ・・って。 都会の真ん中に温泉よ？温泉！」
新米天使のマリちゃん「そんなの 地球外生命体の出入り口に 決まってる！」
新米天使のマリちゃん「あの辺りは お空と交信しやすいからね～」
縁結びの神様「なんと！」
縁結びの神様「地球外生命体が、縁結び？」
新米天使のマリちゃん「アリだよね！」
縁結びの神様「そんな連中にここに来られたら、 人間が恐がってここに来れんよ」
縁結びの神様「困ったな・・・」
新米天使のマリちゃん「だったらこうしない？」
新米天使のマリちゃん「私がこの人たちを何とかするから、神様は、私に弓を教えるっていうのは？」
縁結びの神様「疑う様で悪いけど、お前さん・・・ 地球外生命体に顔が効くのかね？」
新米天使のマリちゃん「さあ？でも何とかなりそうな気がする！」
縁結びの神様「その根拠のない自信もどうかと思うが・・・」
縁結びの神様「OK！ お前さんの、きゅーぴっとの矢からなんとかしよう」
縁結びの神様「危なくてかなわん」
縁結びの神様「一体いつもどんな風にしとるんじゃ」

〇コンサート会場
縁結びの神様「ここは！一体！」
　　マリちゃんは、神様を掴んで、一瞬で場所を移動した
新米天使のマリちゃん「ここは男性アイドルのコンサート会場」
縁結びの神様「はあ・・」
新米天使のマリちゃん「ここで矢の練習をしてみたけど、全然当たらなくて」
縁結びの神様「お前さん。 正気か？」
新米天使のマリちゃん「キューピットの矢だよ？ 当たっても全然問題ないし」
新米天使のマリちゃん「当たった人は、両想いになれるんだよ」
縁結びの神様「問題はそこではない」
縁結びの神様「ここにいる全員、あのステージで踊っているキラキラ坊やたちに夢中なんじゃろ？」
新米天使のマリちゃん「そう！だから手っ取り早いと思って」
縁結びの神様「そんな連中に矢が大量に刺さったらどうなると思う？」
新米天使のマリちゃん「うん？」
縁結びの神様「キューピットの矢は、本来、運命の人と結び付けるための大事な物」
縁結びの神様「一人の坊やに大量の運命の人がいるとは思えないけどのぉ・・・」
新米天使のマリちゃん「あ・・・（;^ω^）」
新米天使のマリちゃん「・・・（ ；∀；）」
縁結びの神様「きゅーぴっとの矢が刺さらないのは それが原因じゃの～」

〇温泉の湧いた渋谷
縁結びの神様「こんどはどこじゃ？温泉？」
新米天使のマリちゃん「これが、地球生命体の出入り口」
縁結びの神様「元気ないな。マリちゃん。 落ち込んでおるのか？」
新米天使のマリちゃん「実は今、テスト中なんだよね」
新米天使のマリちゃん「今日中にキューピットの矢を当てないと・・・どうしよう」
縁結びの神様「小学生の夏休みアルアルみたいじゃな」
縁結びの神様「そうだな・・・ あの人はどうじゃろうか？」
縁結びの神様「花束もって誰か待っておる」

〇温泉の湧いた渋谷
観光客３「お待たせしてゴメンナサイ！」
観光客３「初めてここに来たから様子が分からなくて」
観光客１「ボ、僕も」

〇温泉の湧いた渋谷
縁結びの神様「ちょっとズルい気もするけど、あのカップルにきゅーぴっとの矢で応援してあげたらどうかの？」
新米天使のマリちゃん「やってみる！」
新米天使のマリちゃん「あ！当たった!!」
縁結びの神様「良かったの。マリちゃん」
縁結びの神様「きゅーぴっとの矢も当たるようになったし、ワシも観光できたし、そろそろ帰るとするか」
新米天使のマリちゃん「神様。 サンキューね」
新米天使のマリちゃん「私、ここで、頑張ってみる！」

〇神社の本殿
　　後日
縁結びの神様「人が来てくれるようになったな」
縁結びの神様「ここの神社のいつもの感じ。 落ち着くの～」
縁結びの神様「うわっ！こんどは何だ！ 機嫌の悪いワンちゃんが！」
縁結びの神様「おいおい、どこから来た？ よしよし、機嫌をなおせ」
　　神様が犬の頭をなでていると
　　今度はすっごい足音がし始めた。
縁結びの神様「角の生えたイケメン！ え？誰？」
縁結びの神様「どっから来た？」
観光客２「分からぬ。 犬と鳥と猿の手下を連れた者が暴れておって・・・仕方なく」
縁結びの神様「うん？ どこかで聞いたようなメンバーじゃな」
縁結びの神様「わっ！これは、新米天使の矢。今度は矢文」
　　神様へ
　　
　　やっほ～。
　　この温泉の周辺、すっごい事になってるよ。
　　待ち合わせの場所に、目印のワンワンがいないとか
　　昔話の登場人物がうろついているって。
　　一応、知らせておくね。
　　
　　
　　新米天使のマリちゃん改め
　　天使のマリアさん
縁結びの神様「マリちゃんが出世！」
縁結びの神様「もしかして、このワンワンが、その目印？ そんなすごい事になっておるのか！」
縁結びの神様「ワシもワンワンを連れて行きがてら 様子を見に行こうかの」
縁結びの神様「何にでも出会えそうな街・・・か 夢があってええの～」