天使はあなたのすぐ近くに

Tomas02

天使に会ったことありますか?(脚本)

天使はあなたのすぐ近くに

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  この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

〇水中
  あ・・・ぁ・・・
  沈む・・・
  何故・・・沈む
  からだが・・・心が・・・
  沈む・・・
  彼女・・・に出会った・・・
  ことが・・・
  今・・・沈む原因・・・
  なのか・・・
  ・・・

〇広い改札
  僕の人生で初めて・・・見た
  天使を・・・
  僕は──天使を見た。
  改札で、すれ違った・・・彼女
  距離が近づくにつれて・・・
  独特な香水の香り・・・
  彼女・・・の魅力にマッチしていた・・・
  香りだった・・・
  その時・・・彼女と目があった
  不覚にも僕は・・・目をそらして
  しまった・・・
  その・・・眩さに・・・
  その輝きに・・・
  考えても・・・みてくれ
  太陽を直視すると眩しくて
  目をそらすのと同じように
  その時の僕は太陽を見たのだ・・・
  まさに・・・彼女が光だった・・・
  僕の心の底から込み上がる
  この気持ちはなんだろう・・・
  彼女・・・を自分のものに・・・
  いけない考えが頭をよぎる
  あぁ・・・いけない
  考えてはいけない・・・

〇駅前広場
  ・・・

〇店の入口
  その魅力に当てられた僕は・・・
  彼女を追ってしまった・・・
  いけない!
  と心に言い聞かせながら
  それでも追ってしまう
  彼女の魅力に魅了された
  駅から歩いて少しした所に着いた
  それはオシャレなカフェの店だった
  なんと彼女は誰かと待ち合わせのようだった
  待ち合わせに来た女性は彼女と親しい関係のように見えた
  少し遠くから聞き耳を立てているぼくは
  二人の会話で・・・その場に似つかわしくない
  言葉が聞こえた
  その内容は・・・
  近くで安いスーパー見つけたとか
  家の近くの八百屋さんの野菜は安いとか
  なんとか・・・
  なんと・・・似つかわしくない
  彼女に似つかわしくない
  そんなふうに僕は思った
  その時
  心の底から込み上がる感情が
  僕の身体を制御して彼女の方へ
  つれていった
  彼女はびっくりして
「私に何かようでも、あるんかい?」
  僕の心は震えていた
  天使に話しかけられたことに・・・
  でも・・・彼女の話し方に少し違和感を
  覚えた・・・
  まぁ・・・それでも彼女の魅力の前では霞んでいくもの・・・
  気にすることではない・・・
  僕は彼女に言った
「いえ・・・その」
「何もありません・・・」
  僕は何も言えなかった
  彼女を目の前にするとこんなに言葉が出ないものなんだと
  ぼくは思った・・・
「かわいい子だわねー うふふふ♡」
  その、言葉を聞いた僕は・・・
  心を鷲掴みにされたような・・・
  不思議な気持ちになった
「顔を赤くしちゃって かわいいわねー♡」
  ぼくはハートを撃ち抜かれたかのような
  感覚に陥った
  その衝撃は強く
  後ろにのけぞってしまった
「あら♡ かわいいわねー うふふふ」
  その時
  後ろにいた人とぶつかり
  偶然にその人のメガネが僕の両耳にかかり
  目の前の光景に衝撃を受けた
  メガネを通してみる世界に
  びっくりしたことだった
  僕の目が悪いなんて思っても見なかった
  そうして僕は自然と彼女の方へ顔を向ける
  ぼくは思った・・・
  これでもっとはっきりと彼女をみることが出来る
「おお! これは!」
  僕のイメージ通りだった
  白い肌に・・・きらびやかなな服装
  照れたような表情に
  魅惑的なポーズ・・・
  あぁ!
  なんて美しい
  あぁ・・・天使よ♡
  ヒビが入る音がした
天使「嫌だわー♡ そんなに見つめると照れるわよ もーー♡」
  ぼくは空へ飛んだ

〇空

〇水中
  あぁ・・・沈んでゆく・・・
  こんな気持ちだったのかな
  イカロスは・・・
  太陽に近づき過ぎてその綺麗な翼が燃えてしまった・・・
  僕の見ている世界は幻か現実か
  分からない
  でも・・・僕は・・・
  イカロスとは違う・・・
  幻の天使
  現実の天使
  ぼくは思った
  どっちも僕のタイプだった♡
  あなたの天使に会いましたか?
  天使はあなたの近くにいますよ
  終わり

コメント

  • 前半部の、対象のビジュアルを見せずに募らせる恋心、どんな方向にストーリーが向かうのかとワクワクして読んでいたら、思いもよらぬ展開が次々に。ラストも軽ツッコミしながら笑ってしまいました

  • この作品も面白かったです。「話のオチ」を「イカロスのオチ」に持ってくるとは。そして最後の最後で「どっちもタイプなんかいっ」と読者自身が突っ込むところまでが作品です、という状況を作り出す作者さんの手腕には脱帽です。

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