エピソード2 恐れを知らない少女(脚本)
〇魔法陣のある研究室
キール「・・・・・・」
レイベル(何のつもりだ・・・)
キール「それでは、お願いします」
キールはガラスケースの中に生贄の男女をひとりずつ入れた。
生贄の男「初めまして、邪神様」
生贄の女「随分と怯えているようですね・・・」
レイベルはガラスケースの隅のほうまで移動すると、とぐろを巻いた。
生贄の女「我々は貴方様の生贄です、どうぞ・・・」
レイベル「そ、・・・それ以上近づくなっ!」
レイベル「俺は普通のご飯が欲しいの!」
レイベル「・・・・・・」
レイベル「ああ・・・」
レイベル(なんで、美味しそうに見えるの・・・)
レイベル(もう、やだぁ・・・)
邪神イヴル・レーヴァ(レイベル、・・・こいつら喰うか?)
レイベル(いらない・・・!)
レイベル「早く、出ていって!」
邪神イヴル・レーヴァ(なぜ我慢する・・・?)
レイベル(誰も傷つけたくない・・・)
〇魔法陣のある研究室
レイベルは悲痛な面持ちでガラスに薄っすらと映る自分の姿を見ていた。
レイベル(あんな小さな子に噛みついて怪我をさせてしまった・・・)
レイベル(自分でやったから分かる・・・俺の牙には毒があるってこと・・・)
レイベル(あの子・・・助からないかもしれない・・・)
レイベル(俺のせいで・・・)
レイベルは右手の鋭利な爪を左肩に食い込ませて引っ掻いた。
すると、ポタポタと血と一緒に何かが落ちてきた。
レイベル(なにこれ? 鱗?)
〇魔法陣のある研究室
フィアーノ「こんにちは・・・」
レイベル「ああっ・・・・きみは!」
レイベル「良かった・・・生きてて・・・」
レイベル「ごめんね・・・本当に・・・ ごめん なさい・・・」
レイベルは泣きながら頭を下げた。
フィアーノ「邪神様・・・泣かないで・・・ フィアーノは大丈夫ですから・・・!」
レイベル「ぐすっ・・・」
邪神イヴル・レーヴァ(レイベル・・・さっき拾っていた我の鱗だが、それを使えばあの子の傷はすぐに治る・・・)
レイベル(なんだって・・・?)
レイベルは自分が入れられているガラスケース内を見渡すと、食事を置くための小さなドアがあるのを見つけた。
レイベル(ここからなら・・・)
レイベルは小さなドアを押し開けてフィアーノのほうを見た。
フィアーノ「なんでしょう・・・?」
レイベル「嫌かもしれないけど・・・傷を見せて」
フィアーノ「はい 分かりました」
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