君と嘘(脚本)
〇おしゃれな廊下
君「また明日ね」
今朝、君はそう言って僕の前から姿を消した。
今日は私用で学校を休むと言っていたが、病院へ行くことは知っている。
母さんと君のお母さんが昨晩、話しているのを聞いたんだ。
きっとまた入院しなくちゃいけないんだって。知っているんだよ。
(どうして平気で嘘をつくんだよ。テキトーな事言うなよ)
君「エイプリルフールの嘘が本当になったら私、嘘つきじゃなくなるでしょ」
なんて、訳の分からないことを言ってたな。そんな不確かなジンクスは、希望は、もう飽き飽きなんだ。
もし君が入院するならお見舞いに行くし、万が一死んでしまったら······しこたま悲しむよ。
君が何の病気かも知らないけれど、僕も君の嘘が本当になればいいと思う。僕もひとつ、嘘をついてみようかな。
「明日、デートしような」
付き合ってもいない君と、明日を約束したのに······
エイプリルフールに付く嘘の大半は人を驚かせるためあるような気がしますが,この作品では未来をより良い方向へと転換するためには「嘘」は必要なのかもしれないということを考えさせてくれました。