〇シックなカフェ
　　ここまでのあらすじ
　　ボーダムからマッドサイエンティスト幹部のアングストについて聞いた結葉。
　　丁度戻ってきたシャグランと共にアングストのために栄養ドリンクを作ってあげることにしたのだが、上手くいくだろうか？
甘咲 結葉「とりあえずコップを持ってきました」
シャグラン「うむ・・・まず野菜ジュースは入れたいよな」
甘咲 結葉「それに、タンパク質もいりますよね？ 畑の肉って言いますし大豆を入れるかわりに豆乳入れましょうよ」
シャグラン「ならばGABAというものも入れてみよう 確かGABAはヨーグルトに入ってると聞いた」
甘咲 結葉「じゃあヨーグルトも追加して・・・ あ、ヨーグルトならカルシウムも摂れますね！」
甘咲 結葉「そうだ、疲労回復にはお肉が良いんですよ!!」
シャグラン「そうだな、じゃあそれも入れよう」
シャグラン「魚に含まれる物質にも疲労回復効果があるんだ、カツオも入れよう」
甘咲 結葉「鉄分のためにレバー肉も入れましょ!!」
シャグラン「睡眠の質向上に納豆も良いらしい、入れよう」
甘咲 結葉「そもそも寝かさなきゃいけないんですよね・・・」
甘咲 結葉「睡眠薬入れましょう!! コレールさんからアングストさんの体に異状がでない睡眠薬の量は教わってるんです!!」
シャグラン「確かに寝かさねばいけないからな・・・」
シャグラン（というか何故コレール様はそれを教えたんだ・・・？）
シャグラン「それにあいつは運動をしない、筋肉増強剤も追加しよう」
甘咲 結葉「何かすごい色してるけど栄養たっぷりですね!!」
シャグラン「そうだな・・・ミキサーにかけよう」
　　ガタガタガタガタッ!!
甘咲 結葉「できあがりです!!」
甘咲 結葉「凄い色ですが、持ち帰り用のカップに入れれば気付かれません!!」
シャグラン「・・・煙出てるな」
甘咲 結葉「もはや気にしたら負けです!!」
シャグラン「そうだな、届けに行こう」

〇洋館の廊下
甘咲 結葉「この辺に置いて・・・」
甘咲 結葉「メモにメッセージを・・・」
　　ドリンクを用意しました
　　ぜひ飲んでください
甘咲 結葉「これでよし!!」
　　数時間後。
アングスト「おや、これは・・・ドリンク？」
アングスト「なかなか粋なことをする人がいるようですね」

〇実験ルーム
アングスト「さて、飲んでみましょう」
　　アングストはカップを開け、中身を口にした。
　　その瞬間、形容し難い味が彼の味覚を襲った。それと同時に眠気が襲いかかる。
アングスト「・・・こ、これは・・・」
アングスト「・・・甘い・・・？いや苦い・・・？ それより・・・なんですか・・・眠気が・・・」
アングスト「まさか・・・毒・・・」
アングスト「・・・Zzz」
　　アングストは倒れ込むように眠りにつく。
　　そのまま何時間も眠り続け、戦闘員が食事を摂るように呼びかける時間になった。
戦闘員「アングストさん？いますか？ 今日こそご飯を・・・」
アングスト「・・・Zzz」
戦闘員「アングストさん!?アングストさん!? 開けますよ!?」
戦闘員「・・・た、倒れ・・・」
戦闘員「死んでる・・・!?いや、息はある・・・」
戦闘員「寝てるのか・・・!?」
　　倒れているアングストに戦闘員は慌てて駆け寄った。
　　その拍子にアングストが持っていたドリンクが溢れる。
戦闘員「うわっ、なんだこの毒々しい液体!? アングストさんの新薬・・・!?」
戦闘員「と、とにかくコレール様に報告を・・・!!」
　　再びアングストの部屋は静かになる。
　　あれだけ戦闘員が慌てていたというのに、彼は眠りについたままだった。

〇シックなカフェ
　　一方、カフェでは。
トーイン「・・・そういや、聞いたかい？」
甘咲 結葉「何がですか？」
トーイン「アングストくん、倒れたってよ 過労が祟ったんじゃないかと思ってたが、どうやら違うみたいだ」
甘咲 結葉「倒れた!?」
トーイン「何故かカフェのカップに入った怪しい色の液体を飲んで倒れたらしいんだ 眠ってるから命に別条はないらしいがな」
甘咲 結葉（まさか・・・）
シャグラン「・・・・・・」
シャグラン「こちらに来てくれ」
甘咲 結葉「は、はい!!」
甘咲 結葉「あの・・・多分私達の渡したドリンクのせいですよね？」
シャグラン「恐らく・・・」
甘咲 結葉「悪い事してしまいましたね・・・」
アングスト「ほう？貴女達の仕業でしたか」
「!?」
アングスト「・・・よくも毒を盛ってくれましたね」
　　続く