Night Mare

こーにゅ

エピソード5(脚本)

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〇大樹の下
  二人は、現在わかっていることについて、情報共有を行う。
男性「まず、僕たちは、夢の中でしか会えない。僕は一度眠りにつかないと君に会えないし・・・」
男性「逆に君も、起きている人に関しては姿しか見られず、声は聞こえないんだね」
「ええ、どうやらそうみたい・・・メアも知らなかったけど・・・」
男性「キミは、おそらく僕の精神世界から生まれた存在だ。本来は精神体のみだから、存在を認識されない」
男性「いつの間にか、僕には考えられないくらい強い自我を持ったみたいだね。・・『メア』という一人の女の子になって」
男性「その強い自我を生かすことができれば、あるいは・・・」
「あるいは・・・?」
男性「キミが、僕らと同じ、肉体を持つ人間として生きることができるかもしれない・・・」
「それはすごく魅力的ね!いちいち夢を介さなくてよくなるもの」
「・・・あなたに会いやすくなるし」
男性「え、なにか言った?」
「な・・・なんでもないわよ!!・・・ところで、」
「今のあなたは、普通に夢を見てるの?それとも、まだ夢遊病が続いてるのかしら」
男性「うーん・・・多分普通の夢かな」
男性「なんというか・・・夢遊病のときは、会話ができないからね」
男性「僕も、多分無意識で色々言葉にしちゃうから・・・」
男性「僕が気づかないうちに、君を傷つけるようなことを言っちゃってたかも・・・」
「そういえば・・・当初、メアのことを罵倒していた気がするわね」
男性「え、そうだったの!?それはごめん・・・」
男性「多分だけど・・・僕、会社の人からすごく罵倒されてて・・・」
「えっ!?」
男性「陰口とか言われてたから・・・それを無意識に口に出してたのかもな」
男性「たまに独りでぶつぶつ言ってる時があるけど・・・メアに対して言ってるわけじゃないからね」
「・・・そんなに追い詰められていたの・・・」
男性「まぁ、今に始まったことじゃないしね」
「尚更嫌じゃないの、そんなの!!」
「あ!もしかしてこの間、似たような格好のオジさんたちと談笑してたのって・・・」
男性「似たような格好のオジさん・・・上司のことかな・・・?」
男性「まぁ、、説教や小言、愚痴、指導という名のパワハラなんて、僕にとっては珍しくないさ」
「なにそれ、聞いてるだけで腹立ってくるんだけど」
「なんで言い返してやらないのよ!」
男性「いやいや、無理だよ・・・。上司に何言っても、もっと信頼なくなるだけだし、僕の立場が危うくなるし・・・」
男性「そもそも、そんなこと言える人間じゃないよ、僕は・・・」
「もう・・・!メアにはいたずらしてくるクセに、気弱なんだから・・・!」
「あーあ、メアがそいつらにガツンと言ってやりたいわ」
男性「ふふ、ありがとう。気持ちだけで嬉しいよ」
「あなたが不当に馬鹿にされてるのを、ただ黙ってみてるだけなんて耐えられないわ」
「なにか、あなたと同じように、肉体を持つ方法はないかしら?」
男性「どうだろうね・・・僕も少し考えてみるよ」

〇汚い一人部屋
  ──その後数日間、男性は、メアが肉体を持つための方法について考えていた。
  しかし、そんな突飛な現象を実現させる方法など、思い付くはずもなかった。
  夢の中で会える存在を現実に・・・なんて、男性には考えつかなかった。
  ──数日が過ぎた、ある日のこと。
  男性は、以前のように出勤し、その晩上司に誘われて、再び例のガールズバーに向かうのだった。

〇シックなバー
「おい!もっと酒持ってこいよー!」
「アハハ、相変わらずいい飲みっぷりですねぇ~♡」
「ああ、もう酒を飲んでねぇとやってらんねぇからな!」
「もー、飲みすぎには注意、ですよぉ~?」
「はははっ!そんな飲みすぎて失敗など、この俺がするわけないだろう!!」
男性「・・・」
  男性は、店内をぐるりと見渡す。
男性(こないだのあの女性、いないな・・・ ストレスかかってるって言ってたし、もしかしてここを辞めたのかな・・・)
  男性は相変わらず、お店の中ではだんまりを決め込む。
  上司と、店員の女の子の会話が聞こえてくる。
「ホントマジで気をつけなよ~? こないだも、酒絡みでプチ事故起こってたんだからさ~」
「はぁ??なんだ、そんなポカミスやらかすヤツがいたってのか? あり得ねぇな!」
「そー、ウチの従業員だけどさー、」
  ウチの従業員・・・という言葉を聞き、男性はさらに聞き耳を立てる。
「ある客にめちゃ飲まされ過ぎたのか、帰り途中に、道端の溝に落っこちたみたいでさ」
「幸い軽症だったんだけど、頭の打ち所が悪かったっぽくてさー」
男性「く、詳しく教えてください!!」
「はぁ?なんだお前、そんな食いついて・・・」
「あー、ちょっと個人情報になるから詳しいことは言えないんですよぉ~ ・・・あー、ただ・・・」
男性「ただ・・・?」
「なんかぁ〜、どっかの病院に入院してるらしいですよぉ~」
「・・・あ。これって個人情報かな? すみません、聞かなかったことにして下さい~」
男性「にゅ、入院って・・・めちゃくちゃ大ごとじゃないですか・・・」
「そーなんですー!マジ大変だったんですよー! だから、お客さんも、飲み過ぎ注意!ですからねー!」
男性(そ、そんな・・・僕の知らない間に、そんな大変なことになっていたのか・・・)
「ははは、なにかと思えば飲み過ぎてただコケただけじゃないか。入院なんて大袈裟すぎる!どうせ大したケガもしてないんだろ!」
「まぁ~何もないに越したことはないんですけどぉ~」
「そんな馬鹿なやつはほっといて、今日は飲むぞ!!普段から金を入れてやってんだ。もっともてなせよー!」
「・・・。はいはぁーい。でも、ほどほどにしといてくださいねー?」
男性(はぁ。僕の上司とはいえ、こんなに甲斐性のない人とは思いたくなかったな・・・)

〇繁華街の大通り
「うぃ~・・・ひっく・・・」
男性「あ、あれほど店員の方から、飲み過ぎ注意って言われてたのに・・・」
「うるせぇ~俺は酔ってねぇよ~・・・ひっく・・・」
男性(うっ・・・めちゃくちゃ酒臭い・・・)
「次はぁ~さんけんめだぁ~・・・」
男性「もう行きませんよ、、今日のところは帰りましょう」
「あぁ!!?おまえっ、上司のいうことが聞けないってのかぁあ!?」
男性「う、、」
「俺が行くっつったら、行くに決まってンだろがよぉー!」
男性「は、はぁ・・・」
「くそったれぇ・・・最近の若いやつは、どいつもこいつも使えねぇったらありゃしねぇ・・・」
「だいたいお前なんか、女遊びのひとつもしねークソ童貞野郎が調子乗りやがって○✕△□・・・・・・」
男性(・・・聞かなかったことにしよう)
「この俺が・・・ウンタラカンタラ・・・」
「云々かんぬん・・・」
「どうたらこうたら・・・ ・・・・・・・・・」
「Zzzz・・・・・・」
男性「あ、ちょ・・・ここで寝ないでくださいよ・・・歩道のど真ん中じゃないですか・・・」
「Zzz・・・」
男性「えええ・・・・・・」
男性「うーん・・・これはさすがに・・・」
男性(どうしよう・・・電話でタクシー呼んだり、どうにか起こして帰ってもらうほうがいいよな・・・)
男性(でもなぁ・・・)
男性「・・・」
男性「・・・」
男性「『ほっといて帰るか!』」

〇繁華街の大通り
「うーん・・・むにゃむにゃ・・・」
  泥酔した中年の男が、歩道のど真ん中に寝っ転がっている。
「おい~・・・さんけんめいくって言ってんだろ~・・・ Zzz・・・・・・」
  何者かが、中年の男の頭上に立ちはだかる。
???「・・・あら? やっぱ、夢の中には入れなくなってるわね」
???「まぁ、丁度やってみたいことも試せたし・・・おあつらえ向きだったかしら?」
「Zzz・・・」
???「・・・よくもまぁ、こんな道の真ん中で爆睡できるものだわ。どうせ、ロクな夢を見ていないんでしょうけど」
  何者かがそう呟くと、男の身体を蹴りあげ、無理やり男を起こす。
「ぐわっ!!?いってぇえ!!?な、なんだ!?!」
???「さっさとご自分の家にお帰りなさい? ・・・邪魔よ」
「ひっ、ひぃえぇ~!」
???「ふん、なっさけない。こんな男の尻に敷かれていたのかしら?」
???「まったく・・・」
メア「・・・マジで、意味わかんない」

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