「第二話 ネームド」(脚本)
〇近未来の会議室
探究神「前回のっ・・・!!」
友和「あらすじっ・・・!!」
ジン「え?どうしたんですかお二人?」
探究神「前回お出かけを楽しんでいたジン兄弟!!」
友和「しかし突如全身真っ白の天使みたいな奴らが現れジンは怪我を負わされてしまう!!」
探究神「しかしそこに突然何者かの援護もあり!!」
友和「そこに私の隣にいるこいつの分霊が二人の元へと現れジン兄弟は窮地を脱する!!」
探究神「そして治療の後ジンは人々の感情から生まれたこの私、感情神と出会い!!」
友和「そして感情神がかつて自身の一部であった事を知る!!」
探究神「さらにジンは困惑する中探究神から驚きの頼み事をされる!!」
友和「これからとある感情神を殺して欲しいと頼まれること!!」
探究神「そしてそれが自身の記憶を思い出せる鍵であること!!」
友和「さぁどうするジン君!?」
探究神「迫り来る脅威から大切なものを守る為に!!」
友和「自身の記憶を取り戻す為に!!」
探究神「立ち上がれ!!」
友和「戦え!!」
探究神「世界を救えるのは!!」
友和「そう!!」
いい歳した成人男性と神の二人「君だけだ!!」
ジン「?????」
〇近未来の会議室
探究神「感情神を殺して欲しいんだ」
ジン「え・・・?」
ジン「それは・・・どういうことですか・・・?」
探究神「そうだね・・・分かりやすく一から説明するよ」
探究神「友和、最近の海の様子は?」
友和「そうだな・・・」
友和「ジン君、最近の横浜市の海に異変が起きてることを知っているかい?」
ジン「すみません・・・自分は海には行ったことがなくて・・・」
友和「そうか・・・これを見て欲しい」
〇海辺
・・・
・・・
・・・
〇近未来の会議室
友和「すまない・・・この先は映像が途切れていてここまでしか撮れていないんだ・・・」
ジン「な・・・なんですか今の・・・?」
友和「それは分からない・・・数ヶ月前から世界中のあらゆる「海辺」に突然現れるようになったんだ」
友和「私達も調査を続けていたがこの映像以外まともな記録が残っていなくてね・・・」
探究神「それだけじゃない・・・ジン君、最近海の水位が上がってきていることをご存知かい?」
ジン「海の水位が?上がってきてるんですか?」
友和「あぁそうさ、でもそれは地球温暖化のせいではない、2063年の現在では地球温暖化は大幅に改善しているからね」
探究神「あぁ・・・私達はこの海の異変はとある感情神・・・」
探究神「「ネームド」クラスの「ティアマト」が原因なのではないかと思うんだ」
ジン「また新しい単語が・・・」
探究神「次々と新しい情報が出てきて混乱するだろうから今はとてつもない強さの感情神とだけ覚えてくれ」
探究神「詳しい話は後で話そう」
ジン「・・・え?ちょっと待って?」
ジン「さっき貴方は僕に感情神を殺して欲しいって言いましたよね?」
ジン「まさか僕にそのティアマトを殺せって言うんですか?」
探究神「「貴方」・・・か(小声)」
探究神「あぁ・・・そうさ、その通りさ」
ジン「い・・・いやいやいや!!」
ジン「僕はなんの力も持ってない一般・・・」
ジン「記憶喪失・・・だけど一般人ですよ!?」
ジン「リキみたいに魔法とか使えないし?さっきもボコボコにされたし?」
ジン「しかもさっきとんでもない強さとか言ってたじゃないですか!?」
ジン「そりゃ記憶が思い出せるかもしれないならチャンスかもだけど・・・」
ジン「僕には・・・」
友和「ジン君・・・」
探究神「ジン君、君には先程「マスターとしての能力」があると言ったね?」
ジン「それなんなんですか・・・?」
探究神「ふむ・・・分かりやすく簡潔に説明するとだね」
探究神「私の様な感情神達の「鎖」さ」
ジン「・・・」
探究神「私達感情神は主を必要とするんだ、基本的に主の「感情」が私達の活動するエネルギーとなる」
探究神「そして感情神が暴走しないように制御する役割も持つ」
探究神「まぁ感情神にも色んな物があるから基本的には感情神のエネルギー補充と制御に必要な存在と考えてくれ」
探究神「しかし・・・例外が存在する、それが今から説明するティアマトさ」
ジン「ティアマト・・・」
探究神「感情神にはその強さに応じて基本的に三つの「クラス」に分けられる」
探究神「ちなみに私は一番上さ」
探究神「まずは「翼(よく)」」
探究神「これは一番下のクラスだ」
探究神「次は「欲究(よっきゅう)」」
探究神「その次が一番上の「心(しん)」」
探究神「そして感情神のクラスとマスターのレベルでそのペアの総合的な強さが決まる」
ジン「・・・」
探究神「しかしティアマトは感情神の中でもとびきり古い型でね、主が必要なく単独で活動出来るタイプなんだ」
探究神「それは彼女を縛る「鎖」がないということだ」
探究神「そしてティアマトはどこかの世界のある女神のエッセンスを含んでいる」
探究神「感情神としての力に加えて彼女は女神の力を得ている」
探究神「故に彼女は三つのクラスを超越し元になった感情ではなく固有の名前を得てしまった」
探究神「それが「ネームド」という特例」
探究神「そして私がクラス分けした愛情神「ティアマト」さ」
ジン「そのティアマトと水位が上がってきていることに関係が?」
探究神「あぁ・・・ネームドはとてつもない強さを持っている」
探究神「暴走でもすれば影響がその世界だけではなく、世界線を超えてやってくると言っても過言でもないほどね」
ジン「・・・(唾を飲む)」
探究神「そんな暴走したら世界が終わると言っても過言ではないネームドでも、止める方法があるんだ」
ジン「止める方法?」
探究神「それがジン君、君のマスターとしての能力だ」
ジン「・・・え?」
〇宇宙船の部屋
一方その頃リキは・・・
リキ「・・・」
リキ「あ・・・」
リキ「君は・・・」
?「あれぇ?どうしたの?元気ない?」
リキ「・・・そうだね」
リキ「兄ちゃんとお出かけしてたのにいきなり変な奴らに襲われて、兄ちゃんは痛い思いして・・・」
リキ「ほんとに今日は最悪な日だよ・・・」
?「あらら・・・」
リキ「・・・それより、君ってなんなの?」
?「俺?」
?「えっとね・・・」
?「確かパパが神様だって言ってたよ!」
リキ「神様?」
?「うん、俺生まれたばっかりだからあんまり自覚ないけどね!」
リキ「・・・」
リキ「その神様達がオイラ達になんの用さ?」
?「うーんとね・・・ジンになにかお願いがあるんだって!」
?「世界の危機を救う・・・?」
?「って言ってたよ!」
リキ「はぁ!?世界の危機!?」
?「あ、それとね!!パパ達がリキにこれ渡してだって!!」
リキ「・・・?」
リキ「なにこれ・・・?揺らすと鈴の音がする?」
?「えっとね・・・パパがこれ付けてだって!!」
リキ「なんで?」
?「──」
リキ「──!!」
リキ「えっ・・・なんで・・・知って・・・?」
・・・
〇近未来の会議室
場面は戻る。
探究神「君のマスターの能力さ」
ジン「・・・え?」
探究神「ジン君、自覚はないだろうけど君はマスターとして最高の力を持っている」
探究神「普通のマスターは無意識に感情を抑えるから感情神の力を十分に引き出すことが出来ないんだ」
探究神「まぁそもそもマスターの素質を持った人間が滅多にいないんだが」
探究神「でも君は違う、君は自身の感情に関わらず感情神達の力を存分に引き出せる」
探究神「それだけじゃない、君は感情神達の力を引き継いで使うことが出来るんだ」
ジン「僕が・・・?力を?」
探究神「まぁ君は今は私と同じく何も持っていない「はじめから」状態だけどね」
ジン「え・・・?もしかして・・・?」
探究神「そうさ、私も君と同じ記憶喪失さ」
探究神「感情神としての力は残っているけどね」
探究神「それと・・・これが今から一番重要だ」
ジン「・・・」
探究神「君は感情神達を機能停止に出来る」
ジン「機能停止・・・」
探究神「あぁそうさ・・・これは現在君だけにしか出来ないことなんだ」
探究神「そしてティアマトを止めるには今はこれしか方法がない」
探究神「ティアマトは今おそらくとても危険な状態だ、いつ暴走してもおかしくないだろう」
探究神「そうなる前に私の力でティアマトの居る世界に行き彼女を止めて欲しい」
探究神「彼女は愛情の神だ、話せば理解して君に身を委ねてくれるだろう」
探究神「だが向こうでは何が起きるか私にも分からない、十分危険であることに変わりはない」
友和「君にこんなに危険な事を頼むのは本当に心苦しいが・・・」
友和「頼む・・・!!私達に力を貸してくれ・・・!!」
探究神「私達が全力を持って君を支えよう、どうか頼む」
探究神「力を貸してはくれないだろうか、我が元主よ」
ジン「・・・」
〇海辺
後日、横浜市のとある海辺にて・・・
友和「ジン君、リキ君、くれぐれも無茶だけはしないでくれよ?」
ジン「分かってます」
リキ「オイラも居るよ、ティアマトさんと話して戻ってくるだけでしょ?」
リキ「それにほら」
・・・
リキ「特殊部隊の人達も居るしきっと大丈夫だよ」
友和「しかし・・・」
ジン「友和さん・・・」
友和「・・・分かったよ」
探究神「二人共、覚悟は良いかい?」
ジン「・・・うん」
リキ「大丈夫・・・!!」
探究神「そうか、それじゃあ「扉」を開こう!!」
ジン「うん・・・行くぞ!!」
探究神「私は付いては行けないが・・・分霊が君を助けるから安心してくれ」
探究神「ゲートも分霊が居ればいつでも開けるよ」
?「俺が一緒に居るからね!!安心だよ!!」
ジン「うん、よろしくね」
探究神「それじゃあ・・・行ってらっしゃい」
ジン「・・・よし!!」
?「おー!!」
探究神「なに・・・!?」
探究神「何が起きてる!?」
探究神「ぐわぁぁぁ!?」
?「パパー!?」
ジン「何が起こってるんだ!?」
?「おらー!!どきなさい!!」
?「パパを踏むなー!!」
?「あとあんた!!ほら!!さっさと行くわよ!!」
ジン「はぁ!?ちょ!?腕を掴むなぁぁぁ!?」
?「ジンー!!」
リキ「こらぁー!!兄ちゃんを離せー!!」
リキ「フギャァァァ!?」
?「うわーん!!リキー!!」
?「お前も早く行くぞー」
?「うわぁ!!離せー!!」
?「痛ってぇ!!噛むな!!痛ってぇ!?」
友和「なんなんだ君達は!!こら!!待ちなさい!!」
?「待たんかお前らぁ!!」
友和「・・・!?君は!?」
?「・・・!!」
?「・・・」
友和「・・・?」
?「( . .)"(ペコリ)」
友和「・・・」
友和「えっ!?ちょっと!?」
友和「こらぁ!!待ちなさぁーい!!」
友和「・・・」
友和「・・・ど」
友和「どうしようー!?」
to be continued