Odyssey「胎内回帰ティアマト」

シロニ

「第一話 感情神との出会い」(脚本)

Odyssey「胎内回帰ティアマト」

シロニ

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〇黒背景
  僕は毎晩同じ夢を見る、自分の過去がほとんど思い出せない自分が見る過去の記憶かもしれない夢。
  多分真っ暗な部屋に閉じ込められている夢、そこに何故閉じ込められているのかも、そこがどこなのかも分からない。
  そしてしばらくすると部屋が揺れる。
  揺れは段々と激しくなる。
  そしてしばらくすると必ず声が聞こえてくる。
  ?「ごめんね・・・?」
  夢は毎回必ずそこで終わるんだ。
  ?「・・・て」
  ?「・・・てよ」
  ?「兄ちゃん!!起きてってば!!」

〇一人部屋
リキ「兄ちゃん!!起きてってば!!」
ジン「うわぁぁぁ!?」
リキ「・・・」
ジン「痛ってぇ〜」
リキ「もう・・・いつまで寝てるのさ?」
リキ「まさかオイラとの約束忘れたの?」
ジン「えっ!?いや忘れてないよ、ごめんね?」
リキ「む〜」
リキ「まぁいいよ、それよりご飯出来てるみたいだから早く顔洗ってね!!」
ジン「うん、分かった」
  僕の名前は「ジン」この名前はこの白星家に来てからもらった名前で本当の名前は思い出せない。
  そしてこの子は「リキ」僕と同じく記憶を無くしていてこの家に来て出来た「弟」だ。
  「兄弟」に憧れているらしく僕を兄ちゃんと呼ぶ、まぁ悪い気はしないから良いが。

〇おしゃれなリビングダイニング
  ここは日本の横浜市という場所らしい。
  昔、突然世界中にゲートと呼ばれている「扉」が現れてその結果この世界と様々な異世界が繋がったみたいだ。
  そして時が経って異世界から来た人達はみんな「旅人」って呼ばれて今は異世界の異文化交流が盛んみたい。
  そしてここはそんな日本にある白星家、僕とリキは「旅人」としてこの家に今はお世話になっている。
桜子「あら、リキ君ご機嫌ね?なにか嬉しいことでもあったの?」
リキ「あっ、桜子さん!えっとね・・・!」
  この人は桜子さん、僕とリキを保護してくれているこの白星家の住人だ。
  倒れていた僕を保護してくれた人でもある。
桜子「そうなの!!今日はジン君とお出かけなのね?」
リキ「そうなんだ!!今日は兄ちゃんと一緒に街にお出かけするんだ!!」
桜子「あらあら、じゃあ私お小遣いあげちゃおうかしら?」
ジン「え、良いんですか?」
リキ「え、良いの!?」
桜子「良いのよ、もう貴方達はなんだかんだで私の中で新しい子供みたいなものなのよ」
ジン「そうか・・・じゃあ遠慮なく」
リキ「やった〜お小遣いだ〜!」
桜子「あっでもちゃんと交通費は残しておくこと、全部使っちゃだめよ?」
リキ「はぁ〜い!!」
桜子「あ・・・そうだジン君、記憶の方はどう?最近なにか思い出せたかしら?」
ジン「そうですね・・・やっぱり今も何も思い出せませんね・・・」
桜子「そう・・・まぁ今はそれは忘れて今日はお出かけ楽しんでらっしゃい!!」
ジン「・・・はい」

〇川沿いの公園
  そして西区にやって来た僕達。

〇センター街
リキ「兄ちゃん次あそこ行こうよー!」
ジン「分かった分かった!ちょっと待ってくれ!」
ジン「僕を置いて行くつもり?」

〇店の入口
  街をブラブラ歩き回った後、僕達は最近有名なソフトクリーム屋さんにやって来た。
ジン「あ、これほんとに美味しいな」
リキ「兄ちゃん!それオイラにも一口食べさせて!」
ジン「分かったよ、一口あげるからそんなに強くお願いしなくても良いよ・・・」
リキ「わぁ〜い」
リキ「兄ちゃんもオイラの抹茶ソフト食べて良いよ!」
ジン「ん・・・ありがとう」
  こうして二人でほのぼの過ごしている時だった・・・
リキ「オイラもっかい買ってくる!!」
ジン「え?また?」
リキ「今度は違う味にする〜!」
ジン「おっけ、じゃあここで待ってるよ」
ジン「・・・」
ジン「・・・」
ジン「・・・?」
ジン「あれ?なんだあの人・・・こっち見てる?」
?「・・・」
ジン「羽が生えてる?旅人さんかな?」
ジン「・・・!?」
ジン「な・・・なんだ?こっちに来るぞ・・・」
?「ターゲット発見、確保する」
ジン「え、ちょ!?あっぶな!?」
?「ターゲットの抵抗を確認、さらなる無力化を行う」
ジン「あっ!!がぁ・・・!!」
ジン「・・・!!右腕が・・・!!」
?「ターゲットの無力化を確認、かく・・・」
?「・・・!?」
リキ「兄ちゃん!?」
リキ「大丈夫!?」
ジン「・・・」

〇繁華な通り
?「・・・」
女の子「お父さん・・・!!なにあれ!!怖いよぉ!!」
男性「なんだこいつ・・・!!」
男性「──は下がってなさい!!」
?「・・・」
男性「おい!!動けなくしたぞ!!警察はまだか!?」
男性「・・・っが!!」
女の子「お父さん!?いやぁぁぁ!!」
男性「に・・・」
?「・・・」
?「障害を排除する」
女の子「・・・!!」
?「・・・!?」
女の子「ひっ・・・!!」
?「動けない・・・?」

〇店の入口
リキ「何・・・あいつ・・・?」
ジン「はぁ・・・はぁ・・・」
リキ「・・・!!兄ちゃん!!」
?「ターゲット発見、障害を排除し確保する」
リキ「もう一人!?」
リキ「な・・・何が起きてるの!?」
?「こっち!!早く!!」
リキ「え・・・!?」
?「早くしないとあいつら来ちゃうよ!!」
リキ「え・・・?あいつら・・・!?」
ジン「・・・リキ」
リキ「・・・!!」
ジン「とりあえず・・・ここから離れよう・・・」
リキ「え・・・」
?「何してるの!!早く!!」
リキ「・・・あぁもう!!兄ちゃん!!左腕肩に回して!!」
ジン「・・・ありがとう」

〇入り組んだ路地裏
?「もうちょっとだよ!!」
ジン「はぁ・・・はぁ・・・」
リキ「ね、ねぇ・・・!!ほんとに大丈夫なの!?」
?「大丈夫だよ!!俺ジン達を助けに来たんだよ!!」
リキ「え!?なんで兄ちゃんの名前知って・・・!?」
?「んみゃ!?」
?「危ないだろー!!ばーか!!」
リキ「うわぁ!!もうここまで来てる!?」
?「パパー!!来たよー!!「扉」開けてよー!!」
リキ「はぁ!?ゲート!?」
リキ「うわぁぁぁ!?」
ジン「・・・!!」
?「ばーかばーか!!」

〇宇宙船の部屋
リキ「顔痛いんだけど!?」
ジン「はぁ・・・はぁ・・・」
?「ふぅ・・・これでもう安心だね!!」
?「って大変!!ジン怪我してる!?」
ジン「うっ・・・多分・・・いや絶対右腕が折れてる」
?「うわぁ大変だよぉー!!パパー!!」
リキ「えっどこ行くの!?」
ジン「・・・」

〇魔法陣のある研究室
?「パパー!!居る!?」
?「おや・・・分霊君か、どうしたんだ?」
?「えっとね、ジン連れてきたんだけどね!怪我しちゃってて!」
?「なんだって・・・?」
?「あっ!!ジン!!」
?「・・・!!君が・・・!」
ジン「あ、あの・・・」
?「あぁ分かってる怪我のことだろう?」
?「とりあえず治療室に行っておいで、この子が連れて行ってくれるから」
?「詳しい話はその後、今は君の怪我の治療が最優先だ」
?「・・・!!ジン、俺に付いてきて!!」
ジン「えっ・・・うん、分かった」
リキ「・・・」
?「おや・・・君は?」

〇近未来の会議室
ジン「あんなに酷い怪我が一瞬で治ってしまった・・・」
?「安心してくれ、治療費を取るようなことはしないよ」
ジン「・・・ちなみにおいくらで?」
?「・・・」
ジン「(こっわ・・・これ以上は触れないでおこう)」
?「それよりも聞きたいことが今の君にはあるんじゃないかい?」
ジン「・・・ここはどこなんですか?」
?「ここは横浜市役所だよ」
ジン「貴方達は誰なんですか?」
?「あれ!?知らない?」
ジン「ごめんなさい、自分記憶喪失なんです」
?「あぁ・・・そっか」
友和「私の名前は「ともかず」」
友和「この横浜市の現市長だよ」
ジン「えっ市長さん?」
友和「あぁそうさ、よろしくね」
友和「それとこの子は・・・」
  ?「私の分霊さ」
?「あっ!パパ!」
?「「はじめまして」ジン君」
?「私は人の感情から生まれた神「感情神」さ」
ジン「はぁ・・・?感情?・・・神・・・?」
?「・・・そしてかつて君の一部であった「物」さ」
ジン「・・・え?」
?「私は人々の探究心が素材になっていてね」
探究神「ぜひ「たんきゅうしん」と呼んでくれたまえ!」
探究神「・・・早速本題に入ろうか」
ジン「・・・」
探究神「君をここに連れて来たのは頼みたい事があるからだ」
ジン「頼みたい事・・・?」
探究神「これは君の「記憶」にも関係する事さ」
ジン「・・・え!?」
探究神「今この世界にはいくつもの危機が迫っている、この世界と繋がっている世界以外からの脅威が迫っているんだ」
探究神「君も見ただろう?あの全身真っ白の天使みたいな奴らを」
ジン「・・・」
探究神「あいつらだけじゃない、他にも私達がまだ見ぬ世界からの脅威が刻一刻と迫っているんだ」
友和「そして私達はこの横浜市の市長として、この世界に生きる一人の「人」として、まだ見ぬ脅威達から大切なもの達を守りたいんだ」
探究神「そしてそれらは皆私と同じ感情神が関係しているんだ」
ジン「・・・それが僕にどう関係するんですか?」
探究神「そうだね・・・私はさっき自分はかつて君の一部であったと伝えただろう?」
ジン「・・・はい」
探究神「ジン君、君には「マスター」としての力がある」
ジン「マスター?」
探究神「あぁそのマスターとしての力を持った君にしか頼めない事があるんだ」
ジン「・・・」
探究神「ジン君、これから君に」
探究神「「感情神」を「殺して」欲しいんだ」
ジン「・・・え?」
  to be continued

次のエピソード:「第二話 ネームド」

コメント

  • こんばんは!リキ君にソフトクリームを買ってあげたくなりまさした👍分霊君も可愛いし神は個性が強くてキャラが魅力的ですね!

  • 以前のOdysseyも拝読しましたが、ジンにはうっすら戦いの記憶があったように思います。今回は謎の空間の夢でしたね。市長の友和や探究神の出現など、世界観がより具体的になってきていてワクワクします。タイトルのOdyssey「冒険物語」がどこに行き着くか楽しみです。

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