神様からの三行半

金平 旺大

第15話(脚本)

神様からの三行半

金平 旺大

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〇シンプルな一人暮らしの部屋
ツクヨミ「・・・・・ 眠れねぇ」
コマ「・・・ツクヨミ様」
ツクヨミ「なんだよ。 まだ一時間しか経ってないだろ」
コマ「申し訳ありません」
ツクヨミ「・・・どうした? なんだか表情が暗いな」
コマ「・・・お伝えしたいことがあります」
コマ「実は、タケハ様はツクヨミ様と考え方が まるで違うようで、」
コマ「神様には帰ってほしくないと 言っています」
ツクヨミ「どういうことだ」
コマ「タケハ様は今の淡雪さんを 大好きになっているようでして・・」
コマ「結婚するためなら、 淡雪さんを会社には 帰したくないと言ってます」
コマ「つまり、 神様が帰ってこなくても構わないと 思っているのです」
コマ「私は・・神主であるタケハ様に 従わなくてはなりません」
ツクヨミ「そうか」
コマ「そうか、ではありませんよ。 神様が帰ってこなければ、 ツクヨミ様の未来は大きく変わってしまいます」
ツクヨミ「・・・・・」
コマ「せっかくここまで 願いを叶えて、頑張ってきたのに・・」
ツクヨミ「それ以上言うな」
コマ「それではタケハ様を 止めてくれるのですか?」
ツクヨミ「止めない」
ツクヨミ「あいつには迷惑をかけたし、 神社の後継ぎという役目を押し付けた」
ツクヨミ「今度はあいつの思い通りにしてやってもいいんじゃないかな」
コマ「それではあなたの未来が・・」
ツクヨミ「変わるんだろうな。 ・・コマが嘘をつくわけがないからな」
ツクヨミ「でもそれなら未来は、自分で変える。 ずいぶん先の未来は見えないって 言ってただろ? それは未来を変えられるってことだ」
コマ「・・そうかもしれませんが」
ツクヨミ「それに、俺がいても力にはなれない。 戦いでは足を引っ張っているだけだ」
コマ「いえ、そんなことは ・・・決して・・」
ツクヨミ「いいんだ。 俺はもう用済みだ。 これ、返すよ」
コマ「これは指輪と勾玉のネックレス・・」
ツクヨミ「タケハに渡しといてくれ。 勾玉があれば、 遠くにいても状況がわかるだろ」
コマ「・・・わかりました」
コマ「これからどうなさるのですか?」
ツクヨミ「普通のゲームクリエイターに戻るさ。 そして、盗作疑惑のやつらと戦ってやる」
コマ「・・・わかりました。 お元気でいてください。 状況が変わりましたら、 報告いたします」
ツクヨミ「おぅ、よろしく頼むわ」
「・・・」
ツクヨミ「ふぅ・・・」
ツクヨミ「俺はどうすれば良かったんだろうな」
ツクヨミ「・・・わからん。 寝よ」

〇祈祷場
タケハ「ちゃんと掃除は進んでいるみたいですね」
淡雪「はい、もう終わります。 そろそろ願いを叶えに行きましょうか?」
淡雪「あれ? ツクヨミさんがいないから、 次に叶える願いがわからないな」
タケハ「あぁ、いいんじゃない? 今日は諦めようよ」
淡雪「諦めるって、 願いを叶えないんですか? 神様が帰ってこなくなりますよ」
タケハ「一日くらい大丈夫だよ。 神様もそんなに薄情じゃないって」
淡雪「・・いや、私は会社にも帰ら・・」
タケハ「ここで巫女をしてればいいよ。 会社に行けない分のお金は払うからさ」
淡雪「そういう問題では・・ わかりました。今日は休みましょう。 タケハさんも疲れているでしょうし」
タケハ「うんうんうん」
タケハ「じゃあ、僕の部屋に行こうか」
淡雪「えっ? いや、 いきなり肩とか抱かれたら、私・・・」
タケハ「ハハハハハ・・ いいでしょ。 もっと仲良くならないと 協力して敵を倒せないよ」
淡雪「・・・・・ (--〆)」
淡雪「・・また、お札を作りに帰るんですよね?」
タケハ「あそこの神社には戻るけど、 お札をある程度書いたら すぐに帰ってくるから、 ちゃんとここで待っててね」
淡雪「はい、わかりました。 ・・じゃあ、お札を社務所に 置いてきますね」
タケハ「じゃあ、 一足先に部屋で・・」
淡雪「お団子を買っているので それを食べましょう。 リビングで待っていてください」
タケハ「・・了解。 先に戻ってるね」
淡雪「・・・・・」
淡雪「ツクヨミさーん、 助けて下さーい」
淡雪「やっぱりいないか。 ・・早くコマさんに頼んで 戻ってきてもらおう」
淡雪「今は、 コマさんが帰ってくるまで 時間を稼がないと・・」

〇畳敷きの大広間
淡雪「お札を置きに来たのはいいけど、 これからどうしよう」
淡雪「コマさんが帰ってくるまで 待ってようかなぁ。 でも、帰ってこないと タケハさんが探しにくるのかな・・」
淡雪「ひとまずお札を 置きにいくフリをして、 道に迷っちゃった、とか・・・」
淡雪「したかったけど、 お札の納める棚に着いてしまった」
淡雪「引き出し開けて粘っとくか」
淡雪「でも、 なんかこの引き出し、変なのよね。 引き出しの厚みと 中の収納する高さが合ってないような・・」
淡雪「・・・ん? あれ? この引き出しの中、なんか細工がしてある」
  ゴソゴソ、ゴソゴソ
淡雪「・・引き出しの底の板が取れちゃった・・ これは、上げ底? 下に空間がある」
淡雪「いっぱい手紙がある。 これって・・・」

次のエピソード:第16話

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