〇林道
　　ある日の夜
子犬と子猫の飼い主「お前ら、今までありがとな」
クルミ「にゃにゃ？ （ここはどこ？）」
ポル「わんわんっ!! （家に帰りたい!!）」
子犬と子猫の飼い主「もう俺は、お前らを育てる価値が無くなったんだ」
子犬と子猫の飼い主「これからは、好きにしてくれ」
ポル「わん・・・!! （ご主人様・・・!!）」
クルミ「にゃにゃっ!! （ご主人様!!）」
クルミ「にゃ・・・にゃにゃ？ （これからどうする？）」
ポル「わんわん!! （２人で頑張って生きていこ!!）」
クルミ「にゃん!! （わかった！）」
白オオカミ「あの子たちは・・・誰だろう？」

〇山中の滝
ポル「クルミ、起きて!!」
クルミ「どうしたの？・・・ポル」
ポル「川遊びしよ！」
クルミ「いいよ!!」
クルミ「楽しい・・・!!」
クルミ「ポル・・・!?」
白オオカミ「私に任せて・・・」
クルミ「はい・・・」
ポル「助けてくれてありがとう・・・」
白オオカミ「いいのよ・・・」
クルミ「ありがとうございます、オオカミさん」
白オオカミ「貴方たちは、どうしてここに？」
白オオカミ「野良では無いようだけど・・・」
クルミ「昨日、ご主人様に捨てられてしまいました」
ポル「僕は、ご主人様に会いたいのに・・・」
クルミ「私も会いたいよ」
白オオカミ「それは、大変だったわね・・・」
白オオカミ「そうだっ!! 私と一緒にいらっしゃい」
クルミ「でも、オオカミさんにも家族がいるんですよね？」
白オオカミ「ええ、いるわ でも、まだ幼い子を放っておくことは出来ないわ」
クルミ「オオカミさん・・・!!」
ポル「僕は、ついて行くよ!!」
白オオカミ「ありがとう!! ・・・猫さんは？」
クルミ「もちろん、行きます!!」
白オオカミ「早速、行きましょう」

〇原っぱ
黒オオカミ「おかえ・・・貴様らは、誰だ？」
クルミ「私は、ご主人様に捨てられてしまったクルミです」
黒オオカミ「でも、どうしてここに？」
白オオカミ「私が連れてきたのよ」
黒オオカミ「そうだったのか!!」
クルミ「これからよろしくお願いします!!」
黒オオカミ「よろしくな、クルミ」
クルミ「はい！」
白オオカミ「元気いいわね・・・」
ポル「・・・・・・」
白オオカミ「どうしたの、ポル」
ポル「クルミは、楽しそうでいいなって思って」
白オオカミ「ポルも遊びましょ」
ポル「うんっ!!」
加藤 夏菜「ママ！パパ！早く早く!!」
加藤 千鶴「夏菜待ってよ・・・」
加藤 広樹「夏菜は、早く遊びたいんだね」
加藤 夏菜「そうだよ!!」
加藤 千鶴「えっ、ちょっと・・・!?」
加藤 広樹「夏菜、待ってよ!!」
ポル「あの女の子、可愛い・・・」

〇林道
加藤 夏菜「ここ、どこ？」
ポル「わん？ （どうしたの？）」
加藤 夏菜「ワンちゃんだ〜!! 可愛い!!」
ポル「わんわんっ!!」
加藤 広樹「夏菜、行くよ」
加藤 夏菜「パパ！ ねぇ、このワンちゃん飼ったらダメ？」
加藤 広樹「残念だけど、無理だよ アパートがペット禁止だからね」
加藤 夏菜「そんな・・・」
ポル「わん・・・？」
加藤 夏菜「君、名前なんて言うの？」
ポル「わんわん!! （ポルだよ！）」
加藤 夏菜「ポルって言うお名前なのね!!」
加藤 広樹「そろそろ行こうか、夏菜」
加藤 夏菜「うん!!」
加藤 夏菜「またね、ポル!!」
ポル「わん！」

〇原っぱ
クルミ「黒オオカミさんの背中に乗るの楽しい!!」
黒オオカミ「それは、よかった」
白オオカミ「貴方たち、そろそろ戻るわよ ・・・雨が降ってきそうだから」
クルミ「はい!!」
黒オオカミ「ああ、わかった」
クルミ「そういえば、ポルは？」
白オオカミ「それがどこかに行ってしまったようで・・・」
クルミ「そんな・・・」
黒オオカミ「探しに行ってくる」
白オオカミ「ありがとう、貴方」
クルミ「私達も行きましょう!!」
白オオカミ「えっ・・・!?」
白オオカミ（わかったわ）

〇川沿いの原っぱ
ポル「雨・・・降ってきちゃった」
黒オオカミ「ポル・・・!! 俺の背中に乗れ!!」
ポル「でも・・・」
黒オオカミ「雨の中にいると、風邪引くぞ」
ポル「わかった！」
　　ポルは、黒オオカミの背中に乗った。
黒オオカミ「飛ばすぜ!!」

〇山中の休憩所
加藤 夏菜「雨・・・やだ!!」
加藤 千鶴「雨が止むまで待ちましょ」
加藤 広樹「そうだな」
加藤 夏菜「嫌だ!!雨の中で遊びたい!!」
加藤 千鶴「夏菜!! 風邪引いて、夏菜の大好きな学校に行けなくなってもいいの？」
加藤 夏菜「それは・・・」
加藤 広樹「夏菜・・・学校に行きたかったら、雨が止むまで待とう？」
加藤 夏菜「うん!!待つ！」
加藤 千鶴「全く、広樹は・・・」
加藤 広樹「いいじゃん!!」
加藤 広樹「そういえば、千鶴も俺と一緒に遊園地に行った頃、途中に雨が降ってきたにも関わらず遊ぼうとしてたもんな」
加藤 千鶴「ちょっ・・・!! それは、言わない約束!!」
加藤 広樹「アハハ・・・!! ごめんごめん」
加藤 千鶴「もう!!」
加藤 夏菜「２人とも仲良い!!」
加藤 千鶴「そうかな？」
加藤 夏菜「うん!!」
加藤 広樹「嬉しいな」
加藤 千鶴「そうね」

〇山中の休憩所
加藤 夏菜「ふんふーんっ！」
加藤 夏菜（・・・？）
加藤 夏菜「オオカミ・・・!?」
黒オオカミ「ガウ!!」
加藤 夏菜「どうしたの？黒オオカミさん」
黒オオカミ「ガウガウ!!」
加藤 夏菜「えっ？」
ポル「わん!!」
加藤 夏菜「ポル!!どうしてここに？」
ポル「わんわんっ!!」
加藤 夏菜「黒オオカミさんに連れてきてくれたんだ!!」
ポル「わん!!」
黒オオカミ「ガウ」
ポル「わんわん？ （この子の所にいてもいいの？）」
黒オオカミ「ガウガウ （いいぞ、お前は飼い犬だったのだから。野良で生きていくのは難しいだろう）」
ポル「わんわん!! （ありがとう、黒オオカミさん!!）」
加藤 夏菜「ポル、おいで!!」
加藤 夏菜「可愛い（ ˶ ᷇ 𖥦 ᷆ ˵ ）」
黒オオカミ（いい笑顔だ・・・）
加藤 千鶴「夏菜、その子は誰？」
加藤 夏菜「ポルだよ!!」
加藤 千鶴「可愛い名前ね でも、この子を飼うことは出来ないよ」
加藤 夏菜「飼いたい!!」
加藤 千鶴「ダメ」
加藤 夏菜「飼いたい!!」
加藤 千鶴「ダメ」
加藤 夏菜「あ、ポル・・・」
加藤 千鶴「夏菜がどうしても、ポルを飼いたいのなら引っ越す？」
加藤 夏菜「いいの？」
加藤 千鶴「ええ、お父さんに相談しましょ」
加藤 夏菜「やった〜!!」

〇密林の中
クルミ「ポル!!」
白オオカミ「クルミに言わなきゃいけない事があるの」
クルミ「どうしたの？」
白オオカミ「ポルは、飼い犬に戻るわ」
クルミ「えっ・・・」
クルミ「私も行く・・・」
白オオカミ「えっ!?」
白オオカミ（それじゃあ、私たちとはお別れね・・・）

〇山中の休憩所
加藤 夏菜「雨、止んだ!!」
ポル「わんわん？ （クルミどうしたの？）」
クルミ「にゃにゃ!! （ポルは、この子と一緒に暮らすの？）」
ポル「わんわん!! （そうだよ！）」
クルミ「にゃにゃにゃ!! （私もポルと一緒に行く！）」
加藤 夏菜「猫ちゃん可愛い（ ˶ ᷇ 𖥦 ᷆ ˵ ） ・・・猫ちゃんも飼おう!!」

〇川沿いの原っぱ
黒オオカミ「ポルたちが笑顔ならいいはずなのに涙が・・・」
白オオカミ「あなた、そろそろ”あの人”達がくるわ」
黒オオカミ「ああ、そうだな」
渡辺 菜子「黒オオカミ、白オオカミ行くわよ」
白オオカミ「ガウ」
黒オオカミ「ガウガウ」

〇クリニックのロビー
渡辺 菜子「では、処分を致します」
白オオカミ「ガウ・・・」
黒オオカミ「ガウ・・・!! （ポル、クルミ元気でな!!）」
渡辺 菜子（オオカミって怖そうだと思ってたのに、全く怖くないのね）
渡辺 菜子（なんなら、なにか思い出してるし・・・ もしかしたら、悪さなんてしてないのかもしれないわね）
渡辺 菜子「今日は、処分なしにします」
「・・・ガウ!!」
渡辺 菜子「あなた達は、動物園に引き取って貰えるようにするわね」
「ガウガウ!!!!」
渡辺 菜子（いい笑顔ね）