グレイテストワンデック勝利への願いと絆 - 妹を救える唯一の道 -

ぽむ

エピソード8 -♡ハートのエースはどこに-(脚本)

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〇廃倉庫
  俺「ダイヤのエースが
    この中にいる・・・」
  ペコが持ってきたこのカード。
  倉庫の中にいる人から、
  渡されてきたはずのカードは
  カズミがもっている「はず」の
  ダイヤのエースだった。
  
  ダイヤのエースは
  「ひとり」だけのはずだ。
  (カズミの持っているカードは
   持ち主のものではなく、
   配られた手札カードだったのか?)
  (いやそもそも、俺はカズミが
   ダイヤのエースのカードを
   持っている所を
   見てないじゃないか。)
  (俺たちが見せられたのは
   ダイヤのエースと書かれた
   布ナプキンだったはずだ。)
  カードは紛失したら即脱落、
  死のペナルティがある。
  
  だから、このカードは
  倉庫の中の持ち主のはずだ。
  ということは、
  俺(カズミはダイヤのエースではない。
    なぜカズミは、
    俺たちに嘘をついたのか?
  
    わからない。)
  とにかく中の人を助けなきゃ。
  犬「ワン!ワワン!」
  ピッ
  ガチャ

〇刑務所の牢屋
  ピチャーン
  
  水の音がした。
  はやく・・・助け・・・
  誰か・・・
  白い腕が見える。
  ワン!
  ワンワン!
  ペコ・・・ペコなの・・・?
  ワンワンワワン!
  ガチャーン!
  
  扉は開いた。
  おに・・・いちゃ・・・
  俺「ダイヤのエース、
    おまえだったのか!」
  俺「いま助けてやるからな!」
  俺は妹を両腕でしっかり抱えて
  病院まで全速力で走った。

〇豪華な社長室
  女?「あら、見つかっちゃった。
  
     残念、ワインおかわり。」
  男?「そういうのは、
     祝杯まで取って
     おいてくださいよ?」
  女?「いいじゃない。
    もう勝ちは見えたものよ。」
  男?「仕方ないですね。
     でもまだ切り札はありますから」

〇総合病院
  俺「ハァハァ、ユリ、
    もう少しだけ我慢してくれ。」
  妹ユリを抱えながら
  無我夢中で走って来たんだ。
  
  腕も足も限界なはずだが、
  痛みも感じなかった。
  犬「ワン!ワンワンワン!」

〇病院の待合室
  入口は開いていたが、
  誰も見当たらない。
  誰もいなくて当たり前だ。
  ゲーム参加者以外
  市民は全員避難してる。
  
  残る市民は、俺を含むカードの8人と
  貴族だけだから
  犬「クゥ〜ン」
  
  俺「こら!じゃれるな!」
  ペコは俺の裾をかじる。
  
  俺「こっちに来いって言うのか?」
  
  犬「ワン!」
  ペコにさそわれるまま、
  妹を空きベッドに運んだ。

〇病室のベッド
  妹をベッドに寝かせる。
  
  あらかじめ持っていた妹の心臓の薬を
  手持ちのペットボトルで飲ませると、
  妹は安堵からか、眠りに落ちた。
  
  衰弱しているようだが、
  呼吸は安定していた。

〇病室のベッド
  妹「おにいちゃん。」
  俺「なんだよ。」
  妹「ありがとう、やっぱり
    お兄ちゃんは
    頼りになるね。」
  俺「何言ってんだよ。」
  しばらくすると、
  彼女は意識を取り戻し、
  俺の用意したコーンスープと
  アイスクリームを
  俺の手からスプーンで食べた。
  食事が取れてるし
  顔色も少し良くなった。
  だが少し熱があるようで、
  休んでいてくれ、と祈るばかりだ。
  俺「ちょっと氷枕を変えてくるよ。」
  パタン
  妹 (お兄ちゃん、ありがとう)
  コンコン
  女「こんにちは。失礼するわ。」
  兄とすれ違うように
  女が部屋に入ってきた。
  妹「アナタは?」
  女「コレを渡しに来たの。
    私の名前は、カズミ。」
  妹「カズミ・・・さん?」
  カズミ
  「これはアナタのよ。」
  妹「これは、
    インカムとリストバンド?」
  カズミ
  「そうアナタのマーク、
   ダイヤのマークが、
   入っているでしょ?」
  カズミ
  「アナタはまだゲーム参加者なの。
   ゲートを出るまで
   終わらないわ。」
  妹「わかってる。
    ワタシは一度
    負けたのだもの。
    ずっと参加者なの。」
  妹「ずっと終わらないんだわ。
    でも終わらないうちは
    ワタシも死なないの。
    ずっと生きていられる。」
  妹「お兄ちゃんと
    一緒にいられる。」

〇病院の待合室
  犬「クゥ〜ン」
  俺「どうした?ペコ。」
  そういえば、
  ロビーの電気がついている。
  俺「誰か、いるんだろうか?」
  敵ならアラートがなるはずだ。
  だから、
  
  敵ではない、誰か。

〇病室のベッド
  パタン
  ユリはとっさに
  枕の下に箱を隠した。
  俺「ユリ、誰か来なかったか?」
  妹「ううん、誰も来ないわ。」
  机の上には一枚のカード。
  ダイヤのエース。
  俺
   (他の全員を助けたら、
   俺たちが最後にゲートを抜けよう。
   俺とお前のエースで。)
  俺(ペアになれば、ゲートを抜けられるはずだ。)
  俺
  「ゆっくり休んでて、良いからな。
   俺は行かなくちゃいけない。
   時間がないんだ。
  俺「待っててくれよ、
    必ず迎えに来るからな。」
  妹
  「うん、本当にありがとう、
   お兄ちゃん。」
  妹 (ごめんね、お兄ちゃん。)

〇病院の待合室
  俺「ペコ、行くぞ!」
  犬「ワン!ワン!」

〇総合病院
  俺
  「あと二人、
   父さんと母さんの対になるカードを
   探さなきゃ。」

〇川沿いの道
  残りの二人は何処にいるんだ・・・
  俺はカードを持つ人の居場所を探しに、
  例のカジノルームに戻ることにした。
  ゲームの勝利条件は2つ。時間内に
  
  ・市民を無事に全員ゲートから逃すこと
  ・貴族を全員倒すこと
  カジノルームのモニターは、
  カードの持ち主達の居場所を
  示してくれる
  残りは8人。
  俺を含むエースの4人、
  スペードの俺、クラブのカイト、ダイヤの妹。ハートは何処へ行った?
  カズミはダイヤだと言ったが
  嘘をついてた?
  彼女は、なんだろう。
  (ともすると
   全員が嘘をついてる
   可能性だってある。)
  エース以外の市民の残りは、
  父さんのスペード7
  母さんのスペード6
  それに対するカード二枚だ。
  貴族はジャックしか倒してないので
  まだ11人残っている。
  人数の少ない俺たちが不利だし
  倒せると思っていない。
  全員を逃がすルートで攻略する。
  俺は、残りの二人の市民を探す。
  エースの問題はそれからだ。
  俺はあの店までの道を急いた。
  犬「ワン!ワンワン!」

〇学校の校舎
  ふいに学校の脇を通ると、
  明かりがいくつか見えている。
  俺「学校に明かり?
    誰か?いるのか?
  ピピッ
  
  インカムが鳴った。
  カズミ
  「聞こえてる?ワタシ、カズミ。」
  俺
  「あぁ、カズミ、何かあったか?」
  カズミ
  「いまカジノルームの
   モニターの前にいるんだけど、
   学校に、探してる
   残り二人がいるみたい。」
  カズミ
  「近くにアナタがいるのは、
   こちらから見えてるわ。」
  カズミ
  「良ければ探してくれるかな?
   必要な指示はこちらから、するから」
  俺「わかった、ありがとう。」
  ピッ
  俺
  「カズミの言う事が本当かどうか、
  結局、確かめに行くしかないんだな。」
  「行くぞ!ペコ」
  「ワン!」

〇闇カジノ
  パタン
  「ふう」
  カズミ
  「ワタシはあの時、リストバンドを
   ダイヤとハートとで
   入れ替えたのよ。」
  カズミ
  「血まみれでも、ワタシ
   怖くないんだもん。
   だって、」
  カズミ
  「だって、私が本当の心臓(ハート)。
   ハートのエースなんだから。」

〇黒背景
  つづく

〇教室
  次回予告
  
  残りの人達を無事に
  ユキトは見つけられるのか!
  本当のエースは何処へ!!!
  次回、二人のJoker!
  
  お楽しみに!

次のエピソード:エピソード7 -◇ダイヤのエース-

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