グレイテストワンデック勝利への願いと絆 - 妹を救える唯一の道 -

ぽむ

エピソード5 -♤スペードのエース-(脚本)

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〇闇カジノ
  影の声
  「ルール説明だが、
   スタートと同時に置かれてる封筒を
   開け、その指示に従うのだ。」
  影の声
  「さて始めよう!
   一枚のカードに命をかけて!
   ゲームスタートだ!」
  ジャーン
  派手な音楽が流れた。
  奥のステージで
  生演奏をしているようだった。
  俺達はテーブルに置かれた
  それぞれのマークのついた
  封筒を開けた。
  俺は、封筒から取り出した冊子の
  書かれている通りに
  読み上げる。
  俺
  「ようこそグレイテストゲームへ。
  
   わからない時は
   この冊子を開いて確認するといい。」
  俺「最初に
    インカムとリストバンドを装着。
    次にモニターの前に行くこと。」
  カイト「行こう。」

〇ジャズバー
  バンドが生演奏している傍ら、
  モニター前には、
  ひとりのディーラーがいた。
  ディーラー
  「ようこそ、ゲームを始めよう。
   さ、座って。」
  ディーラーは、
  新品のカード箱を取り出し
  眼の前で開封した。
  ディーラーに促されるまま、
  俺たちは、テーブルにつく。
  見事なシャッフルを見せられ、
  それぞれ5枚のカードが配られた。
  ディーラー
  「カードは大事にしてくれ。
   失くしたら強制脱落だからな。」
  ディーラー
  「細かいルールは
   封筒の中の紙に書いてあるから
   今は簡単なルールだけ説明するよ。」
  ディーラー
  「君たちはカードを持って外に行き
   カード番号と同じ数字の人を
   探すんだ。」
  ディーラー
  「君たちに配られたこのカードは、
   建物の鍵、つまりカードキー
   なんだ。」
  ディーラー
  「モニターを見てごらん。
   マークと数字が見えるだろう?
  
   そこの鍵に相応するんだ。」
  カイト
  「つまり、そのマークのある人の
   所の部屋が
   このカードで鍵が開く、
   という訳か?」
  ディーラー
  「そういうことだね。」
  ディーラー
  「ゲームは簡単。
   カード(プレイヤー)で組を作り、
   より早く手札を無くすこと。
  ディーラー
  「例えば、持っているカードで
   同じ数字をペアにして役を作る。
   そのカードの人達を鍵で開け
   連れてくる。
  ディーラー
  「そしてカードを
   街に複数、設置されている
   ゲートの口に投入すれば
  ディーラー
  「認証システムが作動して
   カードと合致する人を
   判別する、そして」
  ディーラー
  「ゲートが開く仕組みに
   なって、そこから退場する。
   それだけだ。」
  カズミ「それだけ?」
  
  ディーラー「そうだよ。」
  俺「じゃあ、カードで開けて
    みんなを連れて
    ゲートから出せば
    いいんだな?」
  ディーラー
  「もちろん、間違った人や
   不正に通ろうとしたら
   ペナルティがあるから
   覚悟してね。」
  ディーラー
  「そして敵と遭遇したらバトルだ。
   自分の数字より大きい数字が勝ちの
   単純なルール。」
  カイト「敵?」
    
  ディーラー「そう敵だよ。」
  ディーラー
  「負けたら即脱落。死が待っている。」
  ディーラー
  「カードの絵札が12枚あっただろう?
   それが【貴族】て名の君らの【敵】。」
  ディーラー
  「それに対して数字の君たちは
   40枚の【市民】。」
  俺
  「つまり市民の俺たちが
   貴族に勝って革命を起こす・・・
   ってことか!?」
  ディーラー
   「ふふ、カッコイイ言い方だね。
    ただしゲームに制限時間がある。」
  カイト「制限時間?」
  ディーラー
    「そう、60時間、つまり3日以内に
     ゲームの決着がつかないと
  ディーラー
    「街に仕掛けられた特殊爆弾で
     市民ごと街が消えちゃうよ。」
  俺「なんだって!?消える!?」
  
  ディーラー
   「そうだよ、跡形もなくね。」
  カイト
  「何故そんなことをするんだ?」
  ディーラー
  「わからない、
   ワタシは命令通りにするだけ。」
  カズミ「そんな・・・」
      涙声で言った。
  俺
  「大丈夫だ。
   俺たちが勝てば良いんだ。
   お母さんを助けるんだろ?」
  カズミはウンと小さく言った。
  
  俺も不安はあったが
  それを見せるわけにはいかない。
  俺
  ( 不安は伝染するんだ。
   妹を不安にさせない為に
   いつも平気な顔をするんだ。)
  俺
   (だから妹ユリも
    元気に振る舞っていたのだろう)
  ディーラー
  「最初の扉は君たちのカードで
   開くはずだよ。頑張ってね!」
  ディーラーは壁に消えた。
  また見えない扉があったのだろうか。
  カイト
  「外に出るか?」
  
  俺はうなずいた。
  俺は固く閉ざされた扉に
  差込口を見つけた。
  
  カードを通すと
  ピピッ
  ガチャ
  
  ギイイイイイイィ
  カズミ「開いたわ!」
  
  重い扉が開いた。

〇会議室のドア
  カツーン
  俺「ここは店の裏だったのか?」
  
  店の廊下に出ていた。
  カズミ
  「真っ暗だわ、足元を気をつけて。」

〇雑居ビルの入口
  登ってきた階段と段数が違う気がした。
  不思議な造りだ。
  カイト
  「外に出るぞ。」

〇寂れた雑居ビル
  俺「まだ夜明け前みたいだ。
    ゲームが始まるのは
    朝の7時じゃないのか?」
  カイト
  「時計は7時を回っているよ。
   やけに雲が厚いみたいで
  カイト
  「人も全然いないし、
   なんだが不気味だね。」
  カズミ「何処へ行くの?」
  カイト
  「僕は一度、自分の家に戻るよ。
   今から三十分後に
   どこかで落ち合おう。」
  カイト
  「移動に自転車を取りに行こうと
   思ってるんだけど、
   君たちはどうする?」
  カイトの提案は
  俺にとっても好都合だ。
  二人に知られずに
  ペコのところまで行ける。
  俺「わかった。
    じゃあ駅前の像の前でどう?」
  すると、カズミが口を挟んだ。
  カズミ
  「ワタシ怖い。母と二人暮らしで、
   母がいないとワタシひとりなの。
   家に戻るのも、怖いわ。」
  カイト
  「そんなこと言われても困るな。」
  俺
  「じゃあ、俺についてきてよ。
   自転車は乗れる?」
  カズミ
  「乗れるわ。」
  俺
  「じゃあ俺の家に予備があるから
   一緒に取りに行こう。」
  「じゃ、また後で。」
  
  三人はその場を離れた。

〇海岸線の道路
  タッタッタッタッ
  俺「やけに暗いや。
    それに人もいない。」
  カズミ
  「ごめんなさい、ワタシ怖くて。」
  俺
  「いいよ、心細いだろう?」
  カズミ
  「・・・ワタシね、
   あのカイトって人が
   〜するところを見たの。
   だから怖くて。」
  俺
  「え?なんだって?」
  カズミ「ううん、なんでもない。」
  
  俺「急ごう。」
  タッタッタッタッ

〇一戸建て
  俺「ついたよ、
    って、開かないじゃん!」
  俺「どうなってるんだよ!」
  俺が壁を乗り越えようとする時、
  
  「まって!」
  
  カズミが止めた。
  バチッ 
  
  大きな火花が出た。
  裾が焦げている。
  カズミ
  「もしかして・・・」
  俺「そうか!しまった!
    扉解除は、カードの番号か!
  俺は危うく
  ペナルティを侵す所だった!?
  俺「止めてくれてありがとう。」
  カズミ
  「ええ、
   やっぱりもうゲームは
   始まっているのね。」
  俺「えーと、
    父さんがスペードの7
    母さんがスペードの6だな。」
  しかし俺の手持ちには、開けるための
  カードがない。
  俺「なんだよ!目の前なのに、
    入れないじゃんか!」
  「ワン!ワンワン!」
  俺「ペコ!」
  
  犬「ワンワン!」
  ペコは小さな裏窓の隙間から、
  室内に入っていってしまった。

〇黒背景
  つづく

〇開けた交差点
  次回予告
  
  始まるゲーム!妹は何処に?
  早く助けなきゃ家族が!街が危ない!
  次回、♧クラブのエース!
  
  お楽しみに!

次のエピソード:エピソード4 -三人のエース-

コメント

  • ペコ……よかった……
    そして、細密に練り上げられたゲーム設定、これが如何なる展開を引き起こすのか、とてもドキドキしています!

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