第7話 決戦!部活動承認選挙(脚本)
〇生徒会室
九龍真理「ふははは!」
九龍真理「部活動承認選挙で、すべての生徒から承認を得るために」
九龍真理「瀬尾、貴様の投票を足止めに来た!」
瀬尾道安「足止めだと?」
九龍真理「部活動承認選挙で、すべての生徒から承認を得るためにはどうすれば良いか」
九龍真理「答えは簡単だ!」
九龍真理「反対の票を入れそうな生徒を投票終了時刻まで足止めし、棄権させてしまえば良い」
九龍真理「ここまでの活動の成果で、今この学園で超次元科学研究部の活動に反対しそうな生徒は貴様たちしかいない!」
瀬尾道安「生徒会の二人に何をした?」
九龍真理「彼らには麻酔銃で眠ってもらった」
瀬尾道安「麻酔銃? そんなものどこにある?」
九龍真理「ふははは! これを見て驚け!」
〇電脳空間
九龍真理「これが制服のネクタイに超小型の麻酔銃を仕込んだ護身用の発明品『超ネクタイ型麻酔銃』だ!」
九龍真理「先ほど貴様にも、これを打ち込んだ」
九龍真理「すぐに副交感神経の働きが高まり、貴様も眠りに落ちるだろう」
瀬尾道安「目的のためには手段を選ばない」
瀬尾道安「いかにもお前たちらしいやり方だな」
九龍真理「こんな手は使いたくなかったが、超次元科学研究部の設立のためには仕方ない」
九龍真理「部活動設立後は必ず生徒の役に立つような 研究に取り組み」
九龍真理「貴様にも超次元科学研究部の活動を認めさせてやる」
九龍真理「だから、今は安心して眠るが良い!」
〇生徒会室
瀬尾道安「ふっ、あくまでも超次元科学の力を信じて疑わないようだな」
瀬尾道安「それが、お前たちの覚悟か・・・」
瀬尾道安「ならば今度は私が覚悟を示す番だ!」
瀬尾は左手にボールペンを突き刺した。
〇炎
九龍真理「貴様! 何をしている!?」
瀬尾道安「痛みによる刺激があれば、眠気にも少しは対抗できるだろう?」
瀬尾道安「私は1学年連邦生徒会長だ!」
瀬尾道安「規則と規律の遵守を生徒たちに強いるこの私が」
瀬尾道安「生徒の今後を左右する投票を棄権するわけにはいかない」
〇生徒会室
相沢新人「おい、血が出てんじゃねぇか!」
相沢新人「どんだけ力強く刺してんだよ」
九龍真理「瀬尾、一つ聞かせてくれ」
九龍真理「なぜ、貴様はそこまで規則と規律の遵守にこだわる?」
瀬尾道安「生徒を守るためだ」
瀬尾道安「規則で生徒の自由を縛ることになろうとも」
瀬尾道安「私は一人でも多くの生徒の安心・安全を実現できる学園を守る」
九龍真理「ふははは! いいだろう」
九龍真理「こうなったら、どちらの覚悟が上か、はっきりさせようではないか!」
学年連邦生徒会員C「瀬尾さん、投票会場が大変なことになっています!」
学年連邦生徒会員C「って、こっちもえらいことになってる!?」
瀬尾道安「私のことなら大丈夫だ」
瀬尾道安「それより、投票会場で何が起こっているんだ?」
学年連邦生徒会員C「手当てとかした方が・・・」
瀬尾道安「必要ない! ひとまず会場に向かうぞ」
瀬尾道安「超次元科学研究部、続きはまた後だ」
九龍真理「あ、こら待て!」
九龍真理「私たちを、おいて行くな!」
〇体育館の舞台
瀬尾道安「どこで問題が起こっているんだ?」
学年連邦生徒会員C「瀬尾さん、ヤツらです」
学年連邦生徒会員C「あの生徒たちが『瀬尾を出せ』と暴れて、投票会場をめちゃくちゃにしようとしているんですよ」
熱湯サーフィン部「やっと来たか、瀬尾!」
瀬尾道安「お前たちは・・・」
書道ボクシング部「俺たちは、学年連邦生徒会によって、部活動設立説明会から追い出され」
書道ボクシング部「部活動になりそこなった『なりそこない連合』だ!」
瀬尾道安「所属部員の人数が部活動設立条件を満たしていなかった『熱湯サーフィン部』と、『書道ボクシング部』だな」
熱湯サーフィン部「たしかに、俺たちは所属部員の人数が条件を満たせなかった」
熱湯サーフィン部「でもな、活動に対する熱意は人数で測れるものじゃねぇんだよ」
書道ボクシング部「俺たちが出られないような不公平な選挙はぶっ壊してやる!」
相沢新人「あいつら、投票箱を壊すつもりだぞ」
瀬尾道安「待て! そこには生徒たちから預かった大切な投票用紙が入っている」
瀬尾道安「私に恨みがあるのなら話を聞こう」
瀬尾道安「だから、投票箱には手を出すな!」
熱湯サーフィン部「生徒思いだな、さすがは1学年連邦生徒会長様だ!」
熱湯サーフィン部「その思いを少しでも俺たちの活動に向けてくれていれば、こんなことにはならなかった・・・」
熱湯サーフィン部「でも、もう遅い!」
熱湯サーフィン部「生徒から預かった大切な投票用紙もメチャクチャにしてやる!」
瀬尾道安「待て、お前たち!」
九龍真理「斗真、相沢、麻酔銃を貸せ!」
衛士村斗真「はい! 真理ちゃん」
相沢新人「ほらよ、お嬢!」
真理は二人から預かった「超ネクタイ型麻酔銃」と自らの「超ネクタイ型麻酔銃」を合体させた。
九龍真理「完成! 超ネクタイ型麻酔ガトリング」
九龍真理「従来の麻酔銃に、連射機能が加わった優れ ものだ」
九龍真理「貴様らは選挙終了まで眠るが良い!」
九龍真理「ふははは!」
熱湯サーフィン部「うっ」
書道ボクシング部「ぐっ」
「ぐぅ〜、ぐぅ〜」
九龍真理「麻酔薬の疲労回復効果で、目覚めた頃には怒りも多少収まっているだろう」
瀬尾道安「超次元科学研究部、なぜ助けた?」
九龍真理「なぜだろうな、私にも分からん」
瀬尾道安「大切な生徒たちの投票箱を守ってくれたことには感謝する」
瀬尾道安「だが、部活動承認選挙の投票に私情を挟むつもりはないぞ」
九龍真理「ふははは、それでこそ瀬尾道安だ!」
学年連邦生徒会員C「瀬尾さん、投票終了まであと3分です!」
瀬尾道安「わかった、すぐに投票しよう」
瀬尾道安「超次元科学研究部、次は結果発表だ」
〇体育館の舞台
部活動承認選挙 終了
開票結果発表
瀬尾道安「それでは、ただいまより部活動承認選挙の 開票結果を発表する」
瀬尾道安「超次元科学研究部」
相沢新人「遂に来たぜ、お嬢」
九龍真理「うむ」
瀬尾道安「活動承認票・・・」
瀬尾道安「1051票」
衛士村斗真「やった! 承認票が、かなり多いよ」
九龍真理「いや、この人数だと・・・」
瀬尾道安「活動不承認票・・・」
瀬尾道安「5票」
相沢新人「そんな、あと5票かよ・・・」
九龍真理「くそっ、やはりダメだったか」
瀬尾道安「よって、超次元科学研究部は・・・」
瀬尾道安「部活動の設立を承認する!」
九龍真理「なに!?」
九龍真理「どういうことだ、瀬尾!」
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