超次元科学研究部《チカケン》

フカダタクヤ(公式)

第5話 怪奇!マッドサイエンティスト(脚本)

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〇理科室
九龍真理「ヒョロヒョロ男子達が突如としてマッチョになったことで、学園内の男子達からも我々の活動は評価され始めた」
衛士村斗真「1ヶ月の仮活動期間もあと少しだけど、なんとかみんなからの票を集められそうだね」
九龍真理「安心するのはまだ早い」
九龍真理「仮活動終了後は、いよいよ活動内容を学年連邦生徒会に報告せねばならん」
衛士村斗真「その報告内容が生徒にお知らせされて『部活動承認選挙』の投票が始まるんだよね?」
九龍真理「その通り!」
九龍真理「部活動承認選挙で、すべての生徒から承認を得るために」
九龍真理「我々が確保しなければならない残りの票は誰の票かわかるか?」
相沢新人「『SHO-MA2O』で女子票、『お願い!筋肉様!』で男子票は、確保できそうなんだろ?」
相沢新人「もう俺たちにできることは十分やったんじゃねぇか?」
九龍真理「甘いぞ、相沢! 我々の最大の敵を忘れているではないか!」
九龍真理「我々が最後に確保すべきは、学年連邦生徒会の票・・・」
九龍真理「ひいては1学年連邦生徒会長『瀬尾道安』の票だ」
相沢新人「そうは言ってもあれだけ喧嘩を売った相手だぜ?」
相沢新人「どうやって承認の票を入れてもらうつもりだよ?」
九龍真理「所詮ヤツらも学園の組織。学園の教育理念に沿った部活動であれば承認するしかあるまい」
九龍真理「生徒の自主性を尊重し、学校運営の大部分を学年連邦生徒会に委任している我がノーベル学園が」
九龍真理「唯一掲げる教育理念を知ってるか?」
相沢新人「えっと、たしか・・・『人類に最大の貢献をもたらす人材の育成』だったよな?」
九龍真理「そうだ!」
九龍真理「つまりは、我々が学園生徒のみならず、人類全体に貢献できることを示せば良い!」
九龍真理「学年連邦生徒会からの承認を得るために、人類に貢献しようではないか!」

〇駅前広場
九龍真理「着いたぞ! この場所が・・・」
九龍真理「瀬尾道安の地元だ!」
衛士村斗真「瀬尾はこの近くの西帝中学校出身みたいだね」
相沢新人「電車に乗ってまで、わざわざ瀬尾の地元まで来る必要あったのか?」
九龍真理「ふははは! この場所でやることに意味があるのだ」
九龍真理「瀬尾の地元で奉仕活動に取り組み、その成果を学年連邦生徒会に報告する」
九龍真理「そうすればヤツは我々の活動に恩を感じて、活動を承認せざるをえないだろう」
相沢新人「すげぇ姑息な作戦だな」
相沢新人「でも、奉仕活動って一体この街で何するんだよ?」
九龍真理「うむ、私も奉仕活動のネタ探しのために、この街のことを調べたんだがな・・・」
九龍真理「どうやら、この近くにここ最近不審者が現れているらしい」
九龍真理「その不審者というのが、悪の研究で人々を恐怖のどん底に突き落とし」
九龍真理「略奪行為を繰り返す闇の科学者だそうだ」
九龍真理「同じ科学者として、そんな輩は見過ごせん!」
九龍真理「今回はその闇の科学者を確保することで我々の有用性を瀬尾道安に」
九龍真理「いや全世界に見せつけるのだ!」
相沢新人「お嬢も、けっこう闇の科学者よりだけどな」
九龍真理「差し当たって、闇の科学者を捜索するための発明品がこちら・・・」
衛士村斗真「いた!」
九龍真理「えっ?」
衛士村斗真「闇の科学者いたよ!」
九龍真理「何を言う、斗真。まだ、発明品の紹介もしていないんだぞ」
九龍真理「闇の科学者がこんな昼間の駅前に・・・」
白衣の男「さぁ、闇の科学ショーを始めましょう」
九龍真理「いた!」

〇川沿いの公園
九龍真理「ふははは、見つけたぞ!」
九龍真理「貴様が最近世間を騒がせている闇の科学者か?」
白衣の男「闇の科学者?」
白衣の男「まっどどど」
相沢新人「うわ、変な笑い方」
相沢新人「科学者ってヤツはみんなこうなのか?」
白衣の男「いかにも、私が闇の科学者《マッドサイエンティスト》のマッドネス斎藤です」
白衣の男「よろしくお願いしマッドネス!」
九龍真理「あ、えっと私は超次元科学研究部の九龍真理です。よろしくお願いします」
相沢新人「意外にも礼儀正しい挨拶に、お嬢が押されてる!?」
九龍真理「潔くマッドサイエンティストと認めたことは褒めてやろう」
九龍真理「しかし、白昼堂々と大勢が行き交う駅前で・・・」
九龍真理「貴様、一体どんな卑劣な実験を始めるつもりだ!」
マッドネス斎藤「まっどどど」
マッドネス斎藤「バレてしまっては仕方がありませんね」
マッドネス斎藤「それでは手始めに、あなた方を七色に輝く液体に封じ込めて、夢の世界にお連れいたしましょう」
  マッドネス斎藤は白衣の内側から、銀色のリングを取り出し、傍に置いていた液体の中に浸した。
相沢新人「なんだよ、あの液体? 硫酸とかじゃねぇだろうな?」
九龍真理「落ち着け、相沢。私の予想が正しければ、あの液体は・・・」
  次の瞬間、マッドネス斎藤が超次元科学部のメンバー達に向かって、液体に浸したリングを振り下ろした。
衛士村斗真「わぁ〜、シャボン玉だ」
マッドネス斎藤「まっどどど、まずは小手調べです」
マッドネス斎藤「次は更に大きなシャボン玉で、あなた方を捕らえて見せますよ」
九龍真理「くっ、やはりシャボン玉か」
相沢新人「そんな・・・」
相沢新人「じゃあ最近巷を騒がせていた人々を恐怖のどん底に突き落としてるっていう闇の科学者は?」
九龍真理「おそらく、変な笑い方のこの男が、駅前で科学ショーを開いて、人々から怖がられていただけだろ」
相沢新人「でも、略奪行為を繰り返してるとも言ってたよな?」
九龍真理「はっ、そうか!」
九龍真理「おい、マッドネス斎藤!」
九龍真理「貴様、もしや科学ショーを口実に人々から金銭を略奪してはいないだろうな?」
マッドネス斎藤「まっどどど、略奪なんて人聞きが悪い」
マッドネス斎藤「私は市民のみなさんが受け取ってくれと言うお金を仕方がなく受け取っているまでですよ」
九龍真理「なに?」
九龍真理「では、略奪行為ではなく、あくまでもショーに対する投げ銭ということか?」
マッドネス斎藤「あいにく私は金銭を略奪するよりも、人々の笑顔を引き出すことの方が大好きでね」
マッドネス斎藤「思わず笑顔になってしまうようなワクワクする科学ショーを夜な夜な考えては、道行く人々で実験しているのですよ」
九龍真理「くそっ、全然懲らしめる理由が見つからない」
相沢新人「じゃあ、お前は投げ銭で集めた資金で何をしようっていうんだ?」

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