エピソード3 篠原サエの場合(脚本)
〇モヤモヤ
これは・・・、
俺が体験した、ある出来事の話だ──。
〇古いアパート
池田育人(はぁ、今日もあいつら俺の授業に集中してなかった)
池田育人(いったいどうすりゃいいんだろうな)
池田育人「・・・」
池田育人(今悩んでてもしょうがねえな)
池田育人(明日は休日だし、今日は買ってきたビールや飯。それにツマミでも食いながらハメを外すか!)
職場での悩みやストレスを今日はとことん発散する──
そんな気になっていたが、
まさかこのあと、自分があんなトンデモない体験をすることになるとは、
予想していなかった──。
〇古いアパート
池田育人「・・・ただいまー」
池田育人(っても、俺意外誰もいないし、返事もないんだけどな)
〇玄関内
玄関に入ると、すぐに奥から何か物音が聞こることに気がついた。
池田育人(誰か・・・居るのか?)
俺は、足音を立てないようにそっと部屋の奥へと向かうことにした。
〇古いアパートの一室
???「・・・」
池田育人(人影がある!)
人影に気づかれないように、そっと部屋の明かりを点けた
〇古いアパートの一室
篠原サエ「はぁはぁ・・・♡」
篠原サエ「すぅ~はぁ、すぅ~はぁ♡。 あぁ、先生がいつも寝ているお布団の匂い」
篠原サエ「とっても、とーてっも! たまらない!」
池田育人「・・・」
池田育人(『変態』がいる!)
篠原サエ「えっ・・・??」
篠原サエ「きゃああああー!! 見ないで!」
篠原サエ「電気を消して!!」
池田育人「お、おう!?」
〇黒背景
(・・・)
(あれ? いっけね。どうして俺が変態の言う事きいてんだよ!)
衝撃的過ぎて、気が動転していた。
〇古いアパートの一室
篠原サエ「・・・(キリ!)」
篠原サエ「お帰りなさい、池田先生♡」
池田育人「た、ただいま・・・じゃなくて!」
池田育人「キリッとしたところで誤魔化されねえからな!」
池田育人「お前誰だよ!」
池田育人「てか──、よく見たらウチの学園の制服着てるって事は生徒か!?」
篠原サエ「・・・」
篠原サエ「はい、そうです」
篠原サエ「私、一年生の篠原サエっていいます」
池田育人「一年生? こんな奴いたっけ?」
ウチの学園は規模がデカい
なので、俺が授業を受け持たない学年やクラスが何個か存在する。
そして勿論、そのクラス全員の顔や名前等は掌握していないので、この生徒はそのうちの一人なのだろう
池田育人「お前、自分が何してるのかわかってんのか!?」
池田育人「住居に勝手に侵入するのは犯罪なんだぞ!」
池田育人「それに、俺の寝床に変な事してねえだろうな!?」
篠原サエ「変な事なんてしてません!」
篠原サエ「私は池田先生のお布団がちゃんと洗濯されてるか、匂いを嗅いてチェックしてただけです!」
篠原サエ「あと、結果ですが・・・まだ、洗濯してませんね?」
篠原サエ「全くもぉ〜、だめですよ?」
篠原サエ「お布団は偶にクリーニングした方が清潔で気持ちよく寝れるんですから」
篠原サエ「あっ・・・でも、多少なりとも、先生の香りがある方が私は嬉しいですが」
篠原サエ「・・・フヒヒ♪」
池田育人「おおそうか、わざわざ布団チェックありがとな!」
池田育人「それじゃ通報するから、あとは警察に行って詳しく事情聴取を受けて来てくれ」
篠原サエ「そんな・・・酷い!」
篠原サエ「なんで・・・」
池田育人「おい、泣いたってゆるさねえ・・・から?」
篠原サエ「ナンデソンナ酷イ事言ウンデスカ?」
〇古いアパートの一室
手に包丁!?
池田育人「お、落ち着け・・・イージーイージー」
篠原サエ「じゃあ・・・私に酷い事言わないし、しませんか?」
池田育人「約束する、通報しねえから!」
池田育人「まずはその危ないモノをしまえ!」
篠原サエ「・・・」
篠原サエ「はい♡」
変態だが、意外と素直なのかもしれない。だが、機嫌を損ねない方が良さそう──
そんな印象を受ける生徒だ
篠原サエ「フフフ・・・せーんせいっ♡」
池田育人(くっつくなよ・・・)
池田育人「あの、篠原──」
篠原サエ「サエ──って呼んでください♡」
池田育人「サエ・・・、お前は何しに俺の所に来た、それとどうやって部屋に侵入した?」
池田育人「鍵はちゃんと掛けて出た筈だぞ?」
篠原サエ「それはですねぇ・・・、私こう見えて人間観察が好きでして、」
篠原サエ「たまたま池田先生のことをずっと観察してたんです」
篠原サエ「そしたら、だんだん池田先生の事を好きになってる自分が居て」
篠原サエ「もう気持ちが抑えきれず、思わず部屋に侵入しちゃいました♡」
池田育人「はぁ?」
篠原サエ「あとさらに私、こう見えてなんでもできるんで──」
篠原サエ「マジックみたいに、窓とかに隙間があれば関節を外して侵入できるんです」
池田育人(えっ・・・怖っ!)
池田育人「一応言っとくが、ここ2階だぞ?」
池田育人「もしかして──」
篠原サエ「勿論登りましたよ、余裕です!」
池田育人「マジか!?、」
池田育人(聞くんじゃなかった・・・。超クレイジーなやつじゃん)
篠原サエ「あと、そうやって頑張った自分へのご褒美に、池田先生の寝床につい侵入しちゃいました♡」
池田育人「あはは・・・そっかー、自分へのご褒美で俺の寝床につい侵入・・・っておい!」
池田育人「普通にダメだぞ?」
池田育人「侵入する為の努力を別の方向に向けろよ!」
篠原サエ「・・・」
池田育人「あーすまん! サエはすごいな!」
篠原サエ「エヘへ、褒めてくれてありがとうございます」
〇モヤモヤ
篠原サエ──
コイツはなんなんだ?
得体がしれなくて気味が悪い
〇古いアパートの一室
篠原サエ「あっ、そうだ」
篠原サエ「先生”お腹空いてませんか”?」
池田育人(読めるぜ! このパターン!)
篠原サエ「も、もしよろしければ私を──」
池田育人(──言わせるかよ!)
池田育人「あーちょー腹減ったー(棒)。早く何か食べたいぜ(棒)」
篠原サエ「くっ・・・そう、ですか」
篠原サエ「でしたら、私先生の為にお料理作ってるんで、是非召し上がってください」
池田育人「えっ・・・?」
〇幻想2
篠原サエ「先生の為に愛情込めて作りました!」
〇古いアパートの一室
池田育人(おお! 飯はまともなのか・・・)
池田育人(でもなぁ・・・)
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え…え!?
蜘蛛だったのか!╭(°ㅂ°)╮╰(°ㅂ°)╯
料理も出来るタイプの怪異、いいですねぇ( ◜ᴗ◝)
期待通り、ヤンデレちゃんが無双してる♪
と思ってタップしていたら、まさかのまさかのラスト…!!
しかも先生の部屋に住み続けているとか、そのスチルも見たかったな…🤣
このパターンはれこんさんの今までのお話しには無かったのでは?
新鮮で面白かったです。
前も書いたかもしれませんが、このサエちゃんの凶器がスッと出てくる立ち絵は秀逸ですね。連動感がハンパない!