本編(脚本)
〇学生の一人部屋
アキラ「りゅーちゃん 聞いて!!」
リュウ「んぁ・・・?」
リュウ「んだよ」
リュウ「またアキラか」
アキラ「またってなんだよ!」
アキラ「大事な親友の大ピンチなんだぜ!?」
リュウ「あー わかった、わかった」
リュウ「で、なに」
アキラ「彼女に振られた・・・」
リュウ「はいはい 知ってた」
リュウ「で、今度の彼女は なにが気に食わねえって?」
アキラ「俺が彼女より、りゅーちゃんを優先するからって」
リュウ「いつものパターンな」
リュウ(毎度おんなじような理由で振られてやんの)
リュウ(俺を巻き込むのも大概にしろっつーの)
リュウ「おまえが彼女との記念日ほっぽって」
リュウ「俺と映画にいったから?」
アキラ「それもある」
リュウ「ひとつじゃねえのかよ」
リュウ(モテるくせにすぐ振られて)
リュウ(しかもその理由が毎回 俺って・・・)
アキラ「だって、りゅーちゃんと映画にいくのは、ずっと前から決めてたし」
リュウ「だけどその日って、1ヶ月記念だったんだろ?」
リュウ「言ってくれたら俺だって気を遣ったよ」
リュウ「次の日 彼女、激おこだったじゃん・・・」
リュウ「刺されんのかって思ったわ」
リュウ「それだけが原因じゃないなら、あとはなに?」
アキラ「りゅーちゃんの誕生日に遊園地いっただろ」
リュウ「ああ おまえがチケットくれたもんな」
アキラ「そのチケット・・・」
アキラ「彼女とデートした時の福引きで当てた」
リュウ「・・・」
リュウ「バカだろ」
リュウ(バカっつーか無神経)
リュウ(デート中にふたりで当てたものなら、彼女と行けよ・・・)
アキラ「彼女と遊園地いってもつまんねえんだもん」
リュウ「いやいや・・・ それにしたってねえわ」
リュウ「そりゃ怒るだろ、彼女」
リュウ「まさかと思うけど、彼女にもそれ言っちゃった?」
アキラ「言った その場で」
リュウ「最悪」
アキラ「係のおねーさんに「どなたといきますか」って聞かれたから」
アキラ「「親友を誘います」って答えただけだよ」
リュウ「その係のおねーさんは、「彼女と一緒にいきます」って言うのを」
リュウ「期待したんだと思うけど?」
アキラ「絶叫系乗れない彼女といくより、」
アキラ「りゅーちゃんといく方が楽しいもん」
リュウ(いやいやいや・・・ 嬉しいけどね?)
リュウ(誕生日むっちゃ楽しんでたけどね?)
リュウ(ふたりで絶叫マシン2周制覇とかしたけどね?)
リュウ「やっていいことと悪いことがあんだろ」
アキラ「えー」
アキラ「りゅーちゃんは俺と遊ぶの嫌なわけ!?」
リュウ「そうじゃなくて・・・」
リュウ(・・・って)
リュウ(なんで俺の方が問い詰められてる彼氏みたいになってんの?)
アキラ「この前、家族ぐるみで一緒にいった日帰り旅行も、気に入らなかったみたいでさ」
リュウ「あー・・・」
リュウ「土産に選んでたぬいぐるみ、絶妙にキモかったよな」
アキラ「それだけじゃなくて・・・」
アキラ「彼女の誕生日だった」
リュウ「最低だな!」
リュウ(俺の誕生日祝ってる場合かよ)
リュウ(誕生日祝ってもらえないばかりか、プレゼントが絶妙にキモいぬいぐるみだけとか・・・)
リュウ(もはや嫌がらせだよ)
アキラ「だって俺、ちゃんと言ったよ」
アキラ「その日はいきたいところがあるんだって」
アキラ「そしたら彼女、俺に任せるって・・・」
リュウ「いやそれ絶対サプライズデートを期待してたんだよ」
リュウ「なんでわかんないの バカだよおまえやっぱバカ」
リュウ(道理で最近、こいつの彼女が俺に敵意剥き出しなわけだ・・・)
アキラ「しかも毎晩電話したいとか、俺絶対無理」
アキラ「りゅーちゃんとゲームしてて忙しいし」
アキラ「デートだって、普通に学校で会えるからいいじゃん?」
アキラ「放課後はりゅーちゃんちのほうが近いから、帰るの楽だし」
アキラ「わざわざ早起きしてまで一緒にいくのも面倒だし・・・」
アキラ「・・・って言ったらビンタされた」
アキラ「俺なにか問題ある?」
リュウ「あるよ 問題しかねえよ」
アキラ「え、どこ!?」
リュウ(おまえはいい加減、認めろよ)
リュウ(俺のことが好きなんだって)
アキラくんが無自覚過ぎて愛しかったです!なんだかんだで付き合ってあげてるリュウくんも可愛いし。ずっとやっててもらいたい!壁になって眺めてたいです……。
けど、アキラくんの彼女、ちょっと不憫ですね😅
ごちそうさまでした♡
イケメン同士の無自覚ラブラブ会話、楽しかったです。リュウに対するアキラの感情は、好きというより中毒に近いかも。会えない日があると禁断症状で手が震えそう。リュウがふざけて「オレ、彼女できたんだ、しばらく会えない」とか言ったらアキラは正気を保てなくなりそうで、読者ながら心配です。
途中から笑っていいのか、心配したほうがいいのか、わからなくなるほど巻き込まれました。人を好きになる過程って、意外と本人が意識していないものかもしれませんね。