エピソード23(脚本)
〇大型ホール
騒ぎのあと、無事にライブが終わり紫苑たちは帰路についた。
北澤瑛士「これで良かったんだよね・・・」
北澤瑛士「社長も、昔は所属タレント想いの良い社長だったんだけど」
松山紫苑「一度悪い事をした人間はそうそう昔の良い人間には戻れませんよ」
大野菜々美「本当に良かった! あんなキモチワルイのとどうこうするか、賠償金か、悩まなくて済んだんだもん」
北澤瑛士「二人とも、良く頑張ったよ。 それにしてもライブ終わっちゃった」
北澤瑛士「念願の武道館、二人が立つときは絶対に生で観たいって思ってたのにな」
松山紫苑「まぁ・・・また、やりますよ。きっと」
大野菜々美「え!? 本当? でも明後日、法科大学院の入試なんでしょ?」
松山紫苑「ああ、それ、やめました!」
大野菜々美「えええええ!?」
北澤瑛士「最近はお母さんもアイドル応援してくれてるみたいだもんね」
松山紫苑「えっ?」
北澤瑛士「この前、いきなりまた事務所にお母さんが乗り込んで来たからびっくりしたよ」
北澤瑛士「クラウドファンディングのやり方を教えてくれって」
松山紫苑「えええっ!?」
北澤瑛士「それで、その場で数百万振り込んでた。 ハンパねぇな、紫苑のお母さん」
大野菜々美「認めてもらえたんだ!」
北澤瑛士「でも、せっかく勉強したのに勿体無い気もするな」
北澤瑛士「来年は受けないの?」
松山紫苑「・・・わからない」
大野菜々美「えっ? どういうこと?」
松山紫苑「人生ってその瞬間瞬間にしか出来ないものがある気がしてて・・・」
北澤瑛士「確かにね。 俺も今回のでそろそろ本当にやりたいことやろうかなーって思った」
大野菜々美「ふーん。 菜々美はアイドルしか目に入って来ないけど」
松山紫苑「ふふっ、それはそれで良し! 」
松山紫苑「人生って頭で計画してもしょうがないっていうかさ、そういう感覚的なものに従うのも、何かいいなって」
大野菜々美「うん!」
松山紫苑「これからも、ずっと一緒にやろ!」
北澤瑛士「君ら、子供じゃないんだから・・・」
大野菜々美「うん、ずーっとずっと」
松山紫苑「ずぅーっと、ずっとずっとずっと!」
〇商業ビル
──九年後
〇個人の仕事部屋
北澤瑛士「ハリウッド進出の件だけど、やっぱり契約にはちゃんとした代理人を付けなきゃいけないと思うんだ」
大野菜々美「え、じゃあやっぱり延期で?」
北澤瑛士「ううん。仕事はタイミングも重要だ。 だから、強力な弁護士を呼んでおいたよ」
コンコン
「失礼します」
北澤瑛士「どうぞ!」
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