〇綺麗な一戸建て
　　私！神尾 信子！
　　エプォパ教の信者！
　　エプォパのおかげで、仕事やプライベートの
　　ツラかった事イヤな事・・・
　　全部吹っ飛んじゃった！
　　こんな素敵な教え、他の人にも
　　教えて広めなくっちゃ！
　　先輩方みたいに、私も皆さんに教えを広めるぞ！
神尾 信子「こんにちは〜！」
住人D「何か？」
神尾 信子「こんにちは〜 学生さん？ 今、お忙しいですか？」
住人D「・・・」
住人D「いえ、受験勉強中でしたが・・・ 気晴らしに丁度いいかなと」
住人D「久しぶりに立つと、頭がクラクラしますね。 はは」
神尾 信子「受験勉強中なら・・・ エプォパは結構いいですよ」
神尾 信子「歴史・・・世界史と結構絡んできますし」
住人D「あぁ、宗教の方でしたか・・・」
住人D「まぁ、社会勉強として お付き合いしましょうかね」
神尾 信子「ありがとうございます！ お優しいですね！」
神尾 信子「まず、エープォーパー神の弟が 地上に落とされ──」
住人D「『落とされ』っ──!!!!!」
住人D「落とっ・・・落ちっ・・・！」
神尾 信子「あっ・・・ごめんなさいね・・・」
神尾 信子「んーと、エープォーパー神の弟が 地上に強制的に・・・”お引っ越し” させられて〜・・・」
神尾 信子「うんぬん〜かんぬん〜・・・」
神尾 信子「そう、あれはヒマワリの花が散る頃〜・・・」
住人D「『散る』っ・・・！」
住人D「散っ・・ん、うごぉおあぁ・・・」
神尾 信子「す、すいませんすいません」
神尾 信子（（受験生と宗教の話って相性最悪だな・・））
神尾 信子「と、とにかく。 世界は一旦、崩れかけましたが・・・」
住人D「くっ、くくく『崩れ』る、なん、て・・・」
神尾 信子「あぁもう！　どう転んでもNGワードが・・」
住人D「こ　ろ　ぶ　!!!!!!!!」
神尾 信子「だだだだ大丈夫ですか???」
住人D「・・・いえ、すみませんでした」
住人D「ナイーブな、弱い私がいけないのです」
神尾 信子「あっ・・・」
神尾 信子「君、制服のすそが破れ・・・」
住人D「や、破れ・・・敗れ・・・？」
神尾 信子「あぁ、すいませんすいません〜」

〇綺麗な一戸建て
神尾 信子「本当にごめんなさい。 ・・・落ち着きました？」
住人D「・・・」
住人D「お姉さん、低学歴でしょ」
神尾 信子「えっ・・・？」
住人D「低学歴で人生うまく行ってなかったから、 宗教に走ったんでしょう、ハマったのでしょう」
住人D「僕はあなたみたいになりたくない・・・ T大に行って、順風満帆な人生を送るんだ・・・！」
住人D「だから、駄目ですよ 自身の低学歴を呪って夢ある若者の メンタルを攻撃するのは」
神尾 信子「いえいえ、別にそんなつもりは・・・！」
神尾 信子「あと、ついでに言いますと私・・・」
神尾 信子「T大の文学部卒業してます・・・」
住人D「えっ・・・えぇえええ????!!!!」
住人D「未来の・・・先輩？」
住人D「・・・いや！嘘でしょう！」
住人D「T大卒業してて、みじめに宗教に すがるわけないじゃないですか！」
神尾 信子「これ・・・」
神尾 信子「私のfacebookなんですけど・・・」
神尾 信子「この『T大でのキャンパスライフの様子』 ・・・で、信じていただけるかなぁと」
住人D「う・・・嘘でしょう・・・？ T大に行ってて宗教だなんて・・・」
住人D「あと、この頃の先輩・・だいぶ派手・・・」
神尾 信子「黙れ!!!!!!!!」
神尾 信子「・・・まぁ、とにかく・・・」
神尾 信子「低学歴だろうが高学歴だろうが 美男美女だろうが、そうじゃなかろうが・・・」
神尾 信子「ハマる時はハマるんですよ、宗教は」
神尾 信子「いえ・・・」
神尾 信子「『落ちる』時は『落ちる』んですよ。 誰だって」
神尾 信子「何にせよ、『何か』を下に見るのは やめた方がよろしいかと思いますよ」
神尾 信子「それは“未来の自分”の姿かもしれませんから」
神尾 信子「・・・」
神尾 信子「あれ？ と、いう事は『玄関でモグモグする人』も 下に見ちゃいけなかったのかなぁ・・・」
神尾 信子「私もまだまだね・・・」
住人D「あの・・・」
神尾 信子「そうだ。逆に考えてみるのはどうです？」
神尾 信子「『エプォパに入るような人』だから T大に入れた・・・みたいな？」
住人D「──！ なるほ・・・ど？」
　　とりあえず、パンフは受け取ってもらえた。