猫たちのクリスマス会

阿野 創

猫たちのクリスマス会(脚本)

猫たちのクリスマス会

阿野 創

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猫たちのクリスマス会
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〇綺麗なリビング
  みなさんは知っていますか?
  クリスマスの日
  みんながパーティーを
  楽しんでいる間
  世の中の猫たちも
  クリスマス会を
  開いているんですって──

〇綺麗なリビング
  今日はクリスマス
みお「リボンー! リボンー? どこいっちゃったのー?」
みおの母「おかしいねぇ・・・ さっきまで庭にいたんだけど・・・」
みお「もぉ!  これからパーティだってのに、 なんでいなくなっちゃうかなぁ・・・」
みおの母「うーん・・・」
みおの母「まぁ、リボンの気まぐれは いつものことでしょ? そのうち戻ってくるわよ」
みお「ふーんだ!」
みお「もぉ!  リボンのことなんて、 知らなーいっ!!」

〇通学路
  その頃、リボンはというと・・・
リボン(はぁ、はぁ💦)
リボン(なんとか 見つからずに抜け出せたぞ)
リボン(みおたちとのパーティーもいいけど ボクにはボクの楽しみがあるもんねー!)
リボン(さ、早くいつもの所に行かなきゃ! ミケたちが待ってる!)
  猫たちには、猫たちだけで集まる
  秘密の場所があるんですって
  ついて行ってみましょうか──

〇神社の石段
  ここは、神社の階段前
  リボンたちの秘密の集会所──
ミケ「遅い遅いおそぉいーー! リボンのやつ、おそいぃぃぃぃいー!!!」
シュガー「はははぁ☆ リボンは遅刻魔だからねー」
シュガー「そのうち、ちゃんと来るよぉー☆」
ミケ「そうだとしても 遅すぎだよっ! 遅い!」
ミケ「もぉ・・・ 事故とかに会ってなけりゃいいけど・・・」
  この子たちは、リボンの友達の
  ミケ(♀)とシュガー(♂)
  本当は猫語で喋ってるんですけど
  分かりやすいように
  人間の言葉にしておきますね
「ごめん、ごめーん!!」
リボン「遅くなっちゃったよー なかなか抜け出せなくてさー💦」
ミケ「リボン、遅いっ! おそいよっ!」
シュガー「はははー☆ ミケ怒ってるー☆」
リボン「ごめん、ごめんって!」
ミケ「もー! 今日は時間厳守だって あんなに言ったのにぃ!」
リボン「分かってるってー💦」
シュガー「ミケは厳しすぎるよぉー☆」
シュガー「ぼくたち猫に 時間厳守を求めてもねぇー☆」
ミケ「シュガーが甘すぎなのっ!」
リボン「もー、ボクのせいで けんかしないでよぉー💦」
シュガー「ねぇねぇ!」
シュガー「それよりー 今日はどうするー? クリスマスだよぉ! どうする! なにするー?」
リボン「それ、考えてたんだけど!」
リボン「駅前にさ! 大きなツリーあるじゃん! あれ見に行こうよー!」
ミケ「駅前ー!?」
ミケ「あそこは、人間がいっぱいだよっ!」
シュガー「人が多いところはー☆ 危ないよねぇー☆」
ミケ「そうだよー! ほんとに・・・ リボンは気を回せないんだから・・・」
リボン「うーん💦 そんなこと言ったって・・・」
シュガー「せっかくだからぁ☆ 綺麗なところがいいよねぇー☆」
リボン「綺麗なところかぁ・・・」
リボン「あ、そうだ! ぼくいいところ知ってる!!」
リボン「みんな! こっちこっち!」
シュガー「えぇ~? リボン早いよぉー」
ミケ「ほんとに・・・」
ミケ「リボンは仕方ないやつだなぁ・・・」

〇見晴らしのいい公園
リボン「ここ!  ここだよ!」
シュガー「もぉー早いよぉ・・・」
シュガー「!!」
シュガー「わぁ☆ 街が見渡せるー☆」
シュガー「ほんとに綺麗なところだねー☆」
リボン「でしょー!? この前散歩してた時に見つけたんだー」
ミケ「リボンー待ってってばぁ! 早いよぉ!」
ミケ「ーー!!」
ミケ「なにここ? 綺麗なとこー!」
リボン「ねー綺麗なところでしょー☆」
  どうやら、目的の場所についたようです。
ミケ「・・・ ねぇ、りぼんー」
リボン「んー?」
ミケ「・・・さっきは怒ってごめんね💦」
リボン「ううん。平気! 謝らなくて大丈夫!」
シュガー「りぼんの家には みおちゃんがいるからねー☆ 抜け出すの大変だったでしょー?」
リボン「うん。 今頃、みおが心配してるかも・・・」
ミケ「あんまり みおちゃんに心配かけちゃだめだよ!」
リボン「うん、そうだね・・・」
リボン「でも、ボクにとっては ミケもシュガーも大切な友達だからさっ♪」
ミケ「・・・」
シュガー「クリスマスだし 雪が降ればよかったのにねぇ☆」
ミケ「えぇ! やだよ! ワタシたち猫だよ!? 猫はコタツで丸くなるんだよ!?」
シュガー「ぼくは雪好きぃー!」
リボン「シュガーは 雪みたいに白いからねー だから雪が好きなの?」
リボン「そもそも、 どうしてシュガーって名前なの?」
シュガー「ぼくの毛が真っ白だからぁ 砂糖みたいで、シュガー!」
シュガー「砂糖ってー英語で シュガーって言うんだってぇ☆」
リボン「へぇ、そうなんだー」
リボン「ミケはー?」
ミケ「そんなのすぐわかるだろー!? 三毛猫だからミケ!!」
ミケ「ほんと センスねーよな! うちの飼い主っ!!」
シュガー「はははぁ☆ また、怒ってるー☆」
シュガー「じゃあじゃあ☆ リボンは、 どうしてリボンなのー?」
リボン「みおの家に初めてボクが行った日 みおがボクの尻尾に リボンを付けたがったんだって!」
リボン「それでリボン!」
リボン「ボクはすごい嫌がったんだけどねー」
シュガー「はははー☆ 尻尾にリボンは嫌だよねぇ☆」
ミケ「うんうん! 尻尾はあんまり触るなって感じー」
リボン「・・・」
「・・・」
リボン「みお、 ボクのこと探してるだろうなー」

〇見晴らしのいい公園
シュガー「あ、雪だぁ☆」
リボン「・・・」
リボン「ねぇ、 帰ろうか?」
ミケ「・・・」
ミケ「そうだね!」
シュガー「・・・」
シュガー「ぼくの飼い主も たぶん心配してる!」
ミケ「帰ろう」
シュガー「うん」
リボン「帰ろう!」

〇綺麗なリビング
「にゃーん!」
みお「ーーリボンの声だ!」
みお「リボン! 今ベランダ開けるね!」
リボン「にゃん!」
みお「もぉ! どこ行ってたのー!? パーティー始まっちゃったよ!?」
リボン「にゃぁん」
みお「ふふっ♪ 大丈夫だよ!」
みお「よーし! リボンも帰ってきたし、 パーティーの続きしよー♪」
  これが、猫たちの
  クリスマスのお話──
「今日はねー リボンにプレゼントがあるんだよー☆」
  気ままに見える猫たちにも
  猫なりの考えがあるんですね
リボン(プレゼントぉ?)
リボン(リボンじゃなけりゃいいけどっ!)
「にゃーーん!!」
  ーーおしまい

コメント

  • ネコたちはいつも謎の集会をしてますが、こんなことを話してたんだ〜。遅刻しがちな子、怒りっぽい子、マイペースな子と、猫の世界もいろんな子がいてみんな可愛い。ニャンだかんだ、最後は飼い主さんのもとに帰るところがニャンとも言えずニャゴみましたニャ。

  • 優しいナレーションがすごくよかったです。
    猫たちを見守ってるなぁって感じました。
    猫は猫なりにクリスマスを楽しんでるみたいで、あの夜景とかすごくきれいなんだろうなぁと。

  • ねこ様好きにはたまらないお話ですね。作者さん、猫語への翻訳ありがとう♪ねこたちも夜景みて喜んだり、雪見てはしゃいだり、私達と同じようにきっとクリスマスを楽しんでますね。想像してうれしくなりました。最後のプレゼントがリボンじゃなかったことを願います(笑)

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