白魔法使いは黒魔法使いに興味があります

レi

姉という存在(脚本)

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〇教会の中
アリス「はぁ!?なんでアイスがなの!!」
「アリスさん、教会内では騒がないでください」
アリス「騒がないでじゃないでしょ!! 母さまや父さま、皆から期待されてきた私なのよ!!」
アイス(アリス──・・・)
  確かにそうだ。
  ずっと前から・・・いや、生まれてきてから期待されていたのは【双子】ではなく、姉のアリスだった。
  周期的に私の可能性もないことはないのに、なぜかアリスだけが周りの人に期待されてきた。
  それには理由がちゃんとあった。
  双子の姉、アリスと比べて妹の私は、喋り出すのも、歩くのも、勉強も、人とのコミュニケーションも、全部遅れていた。
  さらにそんな私とアリスを見た親は、当然ながらも着る服や化粧品、いい方を全部アリスに渡した。
  そして私は、中身だけじゃなく見た目まで出来損ないになってしまった・・・─
アリス「ともかく!!こんなのおかしいわ!!!! もう一度やって!!!!」
「何度も言っていますが、教会では静かに。あと、事実を変えることはできませんし、神様にとても失礼です」
アリス「・・・ッでも!!!!」
「静粛に!!!!」
アリス「──っ、」
「・・・検定は終わりました。お疲れ様です」
アリス「・・・・・・はい、」
アイス「・・・あ、ありがとう、ございましたっ、」
アリス「────ふんっ」
アイス「アリスっ、待って・・・!!」

〇教会内
  ──教会廊下──
アリス「・・・ほんと、なんなの!?」
アイス「アリス・・・」
アリス「なに!?白魔術師の称号で嬉しい!?自慢でもするわけ!?」
アイス「違うの・・・えっと、」
  教会から出て人気のない廊下を早足で歩くアリス。叱る人は居ないからかまた声を張り上げている。
  正直私は、白魔術師という【立場】をもらってうまくやっていける自信が無い。
  それに、私なんかが白魔術師の称号だったのが母さまや父さまが知ったら、
  さっきのアリスみたいに教会に迷惑をかけてしまうだろう。
  だったら、私は────
アイス「・・・ねぇ、アリス」
アリス「うるさい!!」
アイス「あのね」
アリス「・・・・・・」
アイス「白魔術師の称号、」
アイス「・・・・・・あげる」
アリス「・・・なに言ってんの?」
アリス「称号は交換したり出来ない。それくらい知ってるんでしょ?」
アイス「・・・うん、私が言いたいのはね、」
アイス「【白魔術師の称号】はあげられないけど、白魔術師としての【立場】をあげる」
アイス「私には向いていない。絶対アリスの方がいい」
アリス「・・・」
アイス「アリスのことだから、何年かして検定しなおしたら白魔術師の称号、出るんじゃないかな・・・・・・」
アイス「その何年かの間に、白魔術師の称号をもっているように振る舞えばいいんじゃないかな・・・」
アリス「それ、いいわね!!」
アリス「どうせあんたには不釣り合いなんだし、私が貰ってあげるわ!!」
アリス「じゃあさっそく母さまと父さまに伝えに行かなくちゃ!!」
アイス「・・・」
アイス「・・・これで、」
アイス「いいんだよね・・・?」

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