彷徨える魂のクリスマス

結ヰ織

彷徨える魂のクリスマス(脚本)

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〇雑踏
  12月24日
  《クリスマス》
  人々が幸せな時を大切な人と過ごし、
  プレゼントを贈られる日
  だけど、この世にはクリスマスの日に
  誰からも相手にされない、
  異質な者がいる。
  私たちは、そんな異質な者達へ
  クリスマスプレゼントを贈り、
  旅立ちを見送るのが仕事。
  そう、シスター・サンタの仕事

〇大聖堂
シスター・テサラ「今年も、この日がやってきてわ。 彷徨える悲しい魂たちにクリスマスの プレゼントを贈り旅立ってもらう日」
シスター・テサラ「みんな、心して掛かりなさい。 魂が望むプレゼントを贈り、 絶対成仏してもらうのよ」
シスター・テサラ「特に、シスター・リトナ! あなたには毎年、成仏した魂たちから 閻魔様を通じてクレームが来てるのよ」
シスター・テサラ「みんな口を揃えて 最悪のプレゼントだって言ってるそうよ。 今年は大丈夫でしょうね、 しっかり頼むわよ」
シスター・リトナ「はい、お任せください」
シスター・テサラ「本当に大丈夫だろうな。 まぁいい。 これがお前の担当する魂だ」
シスター・リトナ「承りました」
  東雲 彰
  12月20日
  夜道、背後から刺され昨日死亡
  犯人は──

〇住宅街
東雲 彰「う・・・・・・、 う、う~ん、」
東雲 彰「ハッ! え、あれ? 俺、何してたんだっけ?」
東雲 彰「確か・・・・・・昨日? バイト終わりに彼女への クリスマスプレゼント買いに行って」
東雲 彰「それから・・・・・・?」
東雲 彰「・・・・・・」
東雲 彰「駄目だ、何も覚えてない」
シスター・リトナ「あなたは、死んでいます」
東雲 彰「うわっ! な、なんですか?!」
シスター・リトナ「あなたは、死んでいます」
東雲 彰「は? 俺が死んでる? 何言ってるんですか?」
シスター・リトナ「あなたは、20日にプレゼントを買った その帰り道、背中をナイフで刺され 重傷を負い、昨日死にました」
東雲 彰「何を言って・・・・・・」
シスター・リトナ「これがあなたの事件を 取り扱った新聞です」
  12月20日
  深夜、東雲彰さん(23)
  背中を刺されているのが発見
  意識不明の重体
  犯人は未だ捕まっていない
東雲 彰「え、これ・・・・・・ どういうことだよ!」
  東雲 彰が新聞を取ろうとする。
  が・・・・・・
東雲 彰「な、なんで さ、触れない・・・・・・」
シスター・リトナ「あなたは死んで、 今は魂だけの存在になっています。 言わば、幽霊ということです」
東雲 彰「そ、そんな。 俺、死んだのか・・・・・・ それで、あなたは?」
シスター・リトナ「私は、シスター・サンタの シスター・リトナ」
東雲 彰「シスター・サンタ?」
シスター・リトナ「シスター・サンタは、 あなたのように未練があり成仏できない 彷徨える魂たちに」
シスター・リトナ「クリスマスプレゼントを贈り、 成仏してもらうのが仕事」
東雲 彰「なんだ、それ」
東雲 彰「俺の未練か・・・・・・ プレゼントって何でもいいのか?」
シスター・リトナ「はい」
東雲 彰「じゃあ、俺を殺した犯人への復讐がしたい とか? なんて冗談だよ」
シスター・リトナ「承りました」
東雲 彰「ガチ? でも犯人は未だ見つかってないって」
シスター・リトナ「犯人はわかっております」

〇一戸建て
シスター・リトナ「ここに あなたを殺した犯人がいます」
東雲 彰「え?! ここって、彩芽の家」
東雲 彰「どいうことだよ なんで、彩芽の家に・・・・・・」
東雲 彰「そ、そんな まさか・・・・・・」
シスター・リトナ「行きましょう」
  ガチャガチャ
  ドンッ!!!
  鍵のかかった玄関の
  ドアを蹴破る

〇シックな玄関
「な、何の音?!」
シスター・リトナ「上の階ね」

〇女の子の一人部屋
高峰 彩芽「だ、誰ですか・・・・・・?」
シスター・リトナ「私は、シスター・サンタの シスター・リトナ」
高峰 彩芽「シスター・サンタの シスター・リトナさん・・・・・・?」
シスター・リトナ「私は、 あなたに会いたいという人を 連れて来ました」
高峰 彩芽「私に会いたい人? そんな人どこにも・・・・・・」
シスター・リトナ「東雲さん、 私と握手をしてください」
東雲 彰「え、どうして今? ・・・・・・ わかりました」
  東雲彰の魂が
  シスター・リトナの身体に
  吸い込まれた

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コメント

  • 最後の殺害動機があまりな感じがしました。幼稚すぎますよね。
    彼は成仏出来たみたいでよかったです。
    シスターのドアの開け方すごいなぁと思いました。笑

  • このふたりは幼馴染みだったのでしょうか、にしてもそこまでするほどだったとは、執着心って怖いですね。彼に気持ちを伝えて向き合っていたらこうはならなかったのかな、、それとも彼がもしそこでノーと言ったら同じ結末だったのだろうか、、考えてしまいます。

  • 殺す動機が…。
    それならそうなる前に告白でもすればよかったのに!
    プレゼントで復讐をもらっても…うーん…。
    もし自分がその立場にならないと、気持ちってわからないものかもしれませんね。

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