二人、どうやら同じ幻覚を見ているようです?

歯車

エピソード2 昔話と謎の黒服(脚本)

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〇荒廃した教会
  体験版のゲーム「メイビー・ワールド」をダウンロードした事で異世界へ飛ばされたアサノとシロサキは廃教会でソムと出会った。
  白の王とは何なのか、ここは何処なのかアサノとシロサキはまだ何も知らない。
ソム「・・・・・・」
  そして、この男は沈黙を保ち何も喋らない。
シロサキ「ソム、さん・・・お聞きしたい事が沢山あるのですが・・・」
ソム「・・・ソム、で いい」
シロサキ「ソムは、ここで何をしているの?」
アサノ(順応するの早ッッッ)
ソム「・・・瞑想だ。この地は古の国の夢の跡。俺はここに来ると落ち着く」
シロサキ(どうして服ボロボロなんだろう・・・)
アサノ「古の国・・・?そういや、ここって何処なんだ?異世界の、どの辺?」
ソム「・・・昔話をしよう 古の国。創造神ティアルにより一番初めに作られたチェスの盤上の世界に俺は住んでいた」
ソム「だが・・・その国はある日、突然現れた邪神によって滅ぼされてしまった」
ソム「国を離れていた創造神ティアルは急いで舞い戻り邪神を滅したが、邪神が放つ破滅の邪気までは浄化することはできなかった」
ソム「そこで、創造神ティアルは自分の命を捧げ新たな世界を創った。この世界、ティアルディーブルに伝わる神話だ」
ソム「そして、世界の中心であると信じられているこの国は現在アルディナ国と呼ばれている」
ソム「こんなに丁寧に説明したのは初めてだ・・・感謝するんだな愚者共」
シロサキ「え、と、ありがとう・・・って!ほんとに貴方は失礼ね!私たち今来たばかりなのよ!知らないことだらけなんだから色々教えてよ!」
アサノ(・・・ちょっと待てよ?このソムって人、神話の時代から生きてるってこと?な、何者?)
アサノ「すいません!こんなこと聞いたら失礼かもしれませんけどソムって、もしかして人間じゃなかったりする?」
ソム「・・・俺はチェスの駒、白の王(キング)から作られた人間モドキだ」
ソム「現代では俺のような者達は擬人種(ぎじんしゅ)と呼ばれている」
シロサキ(人間じゃ・・・ないの・・・そっか、だから長生きしてるって事か!)
アサノ「やっぱり、そうなんだ・・・いやー、すげーマジで異世界に来ちゃったな俺ら・・・」
シロサキ「何をしたら帰れるのかな?」
ソム「・・・・・・?」
  何者かの気配を感じたソムが周囲を見渡した刹那、廃教会のガラスが割れ黒服の集団がアサノたちを取り囲んだ。
アサノ「うわああ!???な、なんだ!?!?」
黒服の男「異界から来た者達だな?」
黒服の女「一緒に来てもらおう」
アサノ「なんなんだよ!?や、やめろって!」
シロサキ「なんなのよ!アンタら!あれ?アサノくん・・・?どこに行ったの!?」
ソム「貴様ら・・・何者かは知らんが、この神聖な地を荒らすと言うのなら俺は容赦しない!」
ソム「この両腕の神器、クジャンテ・チェギナーの餌食となれ──」
黒服の男「何が、起きたのだ・・・?」
黒服の女「全く、見えなかった・・・」
ソム「・・・無事か?」
シロサキ「なんなのよ・・・あいつら・・・ あなたも、なんなのよ・・・」
シロサキ「ごめん、なさい・・・・・・急すぎて、頭混乱してて・・・アサノ、くん・・・」
ソム(・・・一人くらい生かしておけば良かったか)
ソム「おい、貴様・・・いつまで泣いている?」
シロサキ「その貴様呼びやめてよ・・・私は、シロサキ」
ソム「シロサキ・・・行くぞ。着いてこい」
シロサキ(今、名前・・・初めて呼んでくれた!)

次のエピソード:エピソード3 ティアル神話の光と闇

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