渋谷メロディー♪~めぐり巡って再び出逢い(脚本)
〇オレンジ(ディープ)
お天道様が
強い眼差しで地を見守ってくれている夏
〇渋谷駅前
弦之介(昔は静かだった渋谷も、今はこんなに にぎわい、元気に)
弦之介(変わったなぁ・・・・・・)
弦之介(まぁ、変わってないのは拙者だけか・・・・・・)
〇ゆめかわ
りんかちゃん「~♪♪」
りんかちゃん「~♪♪」
スクランブル交差点にある大きな画面の中でアイドルが歌をうたっていた。
〇渋谷駅前
弦之介「ムムム・・・このおなごが歌っているものは・・・・・・」
弦之介は画面を見た。
弦之介「!!!」
弦之介「もしかしてあの子は!」
〇黒背景
渋谷メロディー♪
このお話は、ふたりがめぐり巡って渋谷で再び出逢う物語。
〇渋谷駅前
りんかちゃん(画面の中の私の歌声、素敵ね・・・・・・)
りんかちゃん(映像うつりもいい感じ! 可愛い!)
私、りんかは画面に映る自分の姿を見に、渋谷にちょこちょこ来ているわ!
そして”足を止めて画面を見てくれる人”の数を数えているの。
りんかちゃん(やがては、沢山の人に画面の私を見て立ち止まってもらいたい。それが私の夢・・・・・・)
りんかちゃん(夢の街、渋谷☆)
りんかちゃん(うふふ、今日は見てくれている人が多いわ)
りんかちゃん(ん!?)
りんかちゃん(あの画面をガン見している人って・・・・・・!)
〇渋谷駅前
弦之介は見られている気配を感じ取り、振り向いた。
弦之介「!!」
〇黒背景
ふたりは目が合った。
〇渋谷駅前
りんかちゃん(私はあの人にだけは関わってはいけないの・・・・・・)
りんかちゃん(何故ここに? これはまぼろし?)
りんかちゃん(とりあえず、逃げよー)
りんかちゃんは、弦之介がいる場所とは逆方向に走った。
〇渋谷駅前
弦之介「またここでも拙者から逃げようとするとは・・・・・・」
弦之介はりんかちゃんを追いかけた。
〇黒背景
〇渋谷のスクランブル交差点
〇SHIBUYA109
〇東急ハンズ渋谷店
〇黒背景
ふたりは渋谷を何周もして、とにかく走り回った。
〇ハチ公前
りんかちゃん(ふぁー、疲れた)
弦之介「逃げないでくれよ」
りんかちゃん(来たっ! ここはハチ公前! なんだか待ち合わせしたみたいな展開ね!)
〇モヤイ像
まるで、格闘ゲームで彼がしかけてくる攻撃をひたすら避けるような気持ちで私は逃げた。
〇Bunkamura
りんかちゃん「どうしよー」
りんかちゃん「あ、そうだ!」
〇SHIBUYA SKY
りんかちゃん(さすがにここまでは来ないでしょ・・・・・・)
りんかちゃん(いちど、ここから下を見てみたかったんだぁ)
りんかちゃん「街がみえる! きれー!」
弦之介「頼むから、逃げないでくれよ・・・・・・」
りんかちゃん(来たっ!)
弦之介「何故逃げるのだ」
りんかちゃん「だって・・・・・・」
りんかちゃん(私は過去生をずっと覚えている)
〇黒背景
〇集落の入口
記憶がずっと残っているのはきっと彼への未練が残っているから。
私は彼と相思相愛だったのだけど
当時は親が決めた相手と結婚するのが当たり前の世で
私は別の男の人と結婚をした。
〇白
いちばん古い過去の記憶は、彼と出逢った時。
次は外国のイケメン貴族になり、
旅館で働く女性になり寿命を全うし、
そして、アイドルとして生きている今の私。
〇SHIBUYA SKY
弦之介「あの歌は、拙者の作った歌ではないか?」
弦之介「もしかして、そなたに捧げたあの歌を覚えていてくれたのか?」
弦之介「もしかして拙者の事も覚えて・・・・・・」
弦之介(ううん、まさかな・・・・・・)
〇SHIBUYA SKY
りんかちゃん「忘れた事はなかったわ!」
〇花模様
そう、私は彼のぬくもりを
仕草を、
声も・・・・・・
何ひとつ忘れる事はなかった。
〇SHIBUYA SKY
弦之介「何故逃げるんだ? あの時も・・・・・・」
弦之介「拙者はそなたに避けられ続けて」
弦之介「気になりすぎて」
弦之介「成仏出来ずにいる」
〇SHIBUYA SKY
りんかちゃん(私のせいで・・・・・・)
りんかちゃん「ごめんなさい」
りんかちゃん「結ばれないのに、顔を見るのが辛くて」
〇SHIBUYA SKY
弦之介「もういちど、逢いたかった」
弦之介「姿を見る事が出来たから、拙者はもう成仏出来るだろう」
りんかちゃん「待って! 私はこのままじゃあ、ずっとあなたの事忘れられないよ」
りんかちゃん「私も一緒に行く」
弦之介「駄目だ! 生きろ!」
〇黒背景
〇古民家の居間
私が少しでも怪我をしたり、風邪で苦しんでいると
彼は物凄く心配してくれて、
寄り添ってくれていた。
辛いから生きたくないと言えば、
必ずなだめてくれて、最後には今みたいに
生きろ! と強く言ってくれた。
だから反対するとは思っていたけれど。
〇SHIBUYA SKY
りんかちゃん「じゃあ、どうすればいいの?」
弦之介「・・・・・・」
弦之介「・・・・・・」
弦之介「・・・・・・」
弦之介「そなたが今の世の寿命を全うするまで一緒にいる」
りんかちゃん「えーーん!!」
〇黒背景
それから、私たちは寄り添った。
お互いに触れる事は出来ずにぬくもりを感じる事は出来なかったけれど、
とても幸せを感じた。
〇SHIBUYA SKY
弦之介「~♪♪」
りんかちゃん「あ、新しい歌だ!」
弦之介「今の気持ちを歌にしてみたんだ」
りんかちゃん「本当に昔から歌作るの好きだよね」
りんかちゃん「作った歌を、沢山の人に聴かせて幸せ届けたいとも言っていたしね!」
りんかちゃん「めちゃくちゃいい歌! 聴いているだけで幸せになれるわ」
弦之介「ふふっ」
りんかちゃん「~♪♪」
後に、この時弦之介が作った歌を、りんかちゃんが歌う事になり、この世でヒットする。
〇黒背景
これからふたりは幸せを一緒に紡いでゆく。
〇白
弦之介「~♪♪」
りんかちゃん(過去)「~♪♪」
ちなみに、過去生でふたりが恋に落ちた場所もこの街♡
〇黒背景
愛と夢の街、渋谷☆
古き良き時代の純粋な恋人たちから、私達現代人は学ぶべき点が沢山ありますね。一人の人を世紀をまたがっても想いつづけるなんて私にはできない・・・。
何度生まれ変わっても会いに来てくれるって、すごくロマンティックですね。
ずっと寄り添ってくれるとか、とても温かな気持ちになれるお話でした。
最近入ったばかりのエフェクトを
早速こんなにも使いこなしていてすごいなと思いました🤭✨
虹をかけたり、終わりの方の光のエフェクトなど、
とても勉強になります😌