妖怪バスター イナバニー

さぶろう

第7話 新戦士登場!の巻(脚本)

妖怪バスター イナバニー

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〇廃ビルのフロア
チュパカブラ「ハァ・・・ハァ・・・ ここまで来ればもう大丈夫だろう・・・」
チュパカブラ「さぁて・・・思う存分こいつの血を味わうとするか・・・!」
ケンジ「や、やめてください! 本当に勘弁してください! 俺、酒とかタバコとかやってるんで吸ったら体壊すと思いますよ!!!!」
???「ずいぶんと楽しそうじゃな?チュパカブラ・・・」
チュパカブラ「そ、その声は・・・?」
妖狐 玉藻「酔いが覚めたんで地上に来てみたが、なかなか面白そうな事をやっているではないか?」
妖狐 玉藻「で、この男をどうするつもりじゃ?」
チュパカブラ「ハハァ! こやつの血を吸い吸血人間に変えた後で街に放ち、人間どもをパニックに陥らせようと考えております!」
チュパカブラ(よかったぁ・・・今日は酒が入ってないみたいだ・・・)
妖狐 玉藻「お前にしてはいい作戦じゃないか、チュパカブラ」
チュパカブラ「ハハァーッ!! お褒めいただきありがとうございます!!」
妖狐 玉藻「どれ、最後にこの男の顔を拝んでみるとするか・・・」
ケンジ「ひ、ひぃ!」
妖狐 玉藻「・・・・・・・・・剣右衛門?」
ケンジ「・・・へ?」
チュパカブラ「・・・玉藻サマ、今何と・・・?」
妖狐 玉藻「・・・チュパカブラ、この男を妾にくれんか?」
チュパカブラ「いやしかし・・・そうなると私の作戦が・・・」
妖狐 玉藻「代わりになる人間など、いくらでもおろうが!!!!! 妾はこやつが欲しいのじゃ!!!!」
チュパカブラ「ひっ・・・ひぃっ!!! す、すみません!!!! 代わりの人間、探してきまーーす!!!!」
ケンジ「あ・・・あのぉ 俺、これからどうなるんですか?」
妖狐 玉藻「フフッ・・・ 何も恐れる事はありませんわ さぁ、妾の元に行きましょう・・・」
妖狐 玉藻「剣右衛門さま❤️」
ケンジ「え、えぇ・・・」

〇空っぽの部屋
  一方そのころ、イナバニーが眠るビルでは──
モミジ「あー・・・ イナバ、完全に眠っちゃってるね・・・」
  彼女の名前はモミジ
  イナバニーと同じ妖怪バスターである
モミジ「おーい、起きろー」
モミジ「・・・・・・・・・起きないか」
モミジ「(深呼吸)」
モミジ「こぉら!!!!イナバ!!!!!起きろ!!!!!!」
イナバニー「うあぁぁぁ!! は、はい!!!起きてます!!!!」
イナバニー「・・・ってモミジ先輩じゃないですか! なんでこんなところに!?」
モミジ「どうしたもこうしたも・・・ あんたの気配がここで途絶えてたから心配して来てやったのよ」
モミジ「で、どうしてアンタはここで寝てたわけ? サボりって訳では無さそうだけど?」
イナバニー「いやぁ・・・ ドラキュラの暗闇空間を脱出するためにイナバニーサンシャインを使ったら、体力を消耗しましてね・・・」
イナバニー「どうにかこうにかドラキュラはやっつけたんですが、仲間のチュパカブラが人を攫って行っちゃったんです・・・」
イナバニー「追いかけようとは思ったんですよ!! でも体力が切れちゃって、気絶してしまって・・・」
モミジ「まったく・・・おっちょこちょいなんだから・・・」
モミジ「それで、チュパカブラの居場所は分かるの?」
イナバニー「あ!ちょっと今から探ってみます!」
  説明しよう!
  イナバニーの耳は半径50キロメートル以内であれば小さな物音でも逃さず聞き取る事ができるのだ
  イナバニーは普段、こうやって妖怪の元に駆け付けてるんだねぇ
イナバニー「いました! ここから北に30メートルあたりの地点です!」
モミジ「よし!今からそこに向かうわよ!」
イナバニー「はい!」

〇公園のベンチ
チュパカブラ「グフフフ・・・ さあ、貴様の血をこの私に捧げろ! そしてお前は吸血人間になるのだ!」
通行人「嫌ァァァ! 助けてぇぇ!!」
???「そこのチュパカブラ!待ちなさい!」
チュパカブラ「むっ!その声は・・・!」
イナバニー「妖怪バスター、イナバニー見参!!!」
モミジ「アンタ・・・そのヒーローものっぽい口上まだやってるんだ・・・」
イナバニー「えー?だってかっこいいじゃないですか? モミジ先輩もやってみましょう?」
モミジ「いや、私は遠慮しとくわ・・・」
チュパカブラ「くぅ・・・イナバニーとその仲間か! となるとドラキュラはもう既に・・・」
イナバニー「そう!ドラキュラはもう私が倒したわ!」
モミジ「さぁてチュパカブラ、さっさと観念してアンタが連れ去った人をこちらに渡しなさい!」
チュパカブラ「連れ去った人・・・? あの男なら玉藻サマが連れて行ったわ! 何故なのかは俺も知らん!」
イナバニー「そんな・・・」
チュパカブラ「今だっ!スキありぃ!」
イナバニー「ぐあッ!!」
モミジ「イナバ!!!」
チュパカブラ「他人の心配をしてる場合か? 吸血管攻撃!!」
モミジ「くっ・・・! 首に管が・・・!」
チュパカブラ「ヒッヒッヒッ! もうすぐ吸血妖怪バスターの完成だ!」
イナバニー「そんな事・・・させないッ!!」
イナバニー「イナバニーソォォォォド!!!!!!」
チュパカブラ「ぐぁぁぁ!!!! 管が!管がぁぁ!!!」
イナバニー「モミジ先輩、大丈夫ですか!?」
モミジ「えぇ、なんとかね・・・」
モミジ「さあ、アイツを倒すわよ!!!」
イナバニー「はい!!!」
モミジ「うぉぉぉぉぉ!!!!」
イナバニー「必殺!!ダブルバスターダイナミック!!!!」
チュパカブラ「ち、ちくしょー!!」
モミジ「なんとか片付いたわね・・・」
通行人「あ、あの! 助けていただきありがとうございます!!」
モミジ「いえいえ、こちらはただ自分の仕事をしただけです・・・」
イナバニー「夜道は危ないから気をつけてくださいね〜」
通行人「はい!気をつけます!」
イナバニー「・・・結局、助けられませんでしたね」
モミジ「そんなに気を落とさなくてもいいんじゃない? 殺されたって訳じゃなさそうだし、きっとそのうち見つかるわよ」
イナバニー「・・・そうですよね! 私、これからも頑張ります!」
モミジ「ところで・・・」
モミジ「アンタ、勝手に変な技名叫ばないでよ・・・」
イナバニー「えぇ〜!? いいじゃないですか、こういうの!」
モミジ「いやアンタねぇ・・・」
  チュパカブラは倒したが、ケンジは見つからなかった──
  はたして、イナバニー達はケンジを見つける事ができるのか?
  そして、玉藻の目的とは何か?
  これからも頑張れ!イナバニー!

次のエピソード:第8話 ケンジの行方の巻

コメント

  • 新キャラのツッコミ役…もとい…理性的なモミジ先輩の加入ですね!ノリと勢いで押し切ってきたイナバニーの口上に鋭い指摘、、じわじわキますね!

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