バカ達のあるお話

白旗初心者饅頭

にわめ・廃墟(脚本)

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〇荒廃したホテル
イチヤ「夏といえば肝試し! という訳で霊が出ると噂の廃墟にやってきたぞ!」
ニル「別に肝試しすんのはいいけど何で鍋と食材がいるんだよ」
サンマ「そらもちろん鍋食うためよ。ほら準備しろ」
ニル「廃墟で鍋食うの???」
イチヤ「本日の鍋はすき焼きです」
ニル「なんで廃墟来てまでやることがすき焼き食うことなんだよ」
口裂け女「まぁいいじゃないかしら? 廃墟で鍋なんて聞いたことないけれど面白そうじゃない」
ニル「まぁいいかも・・・ 待ってどちら様?」
イチヤ「あ、この人は対幽霊用助っ人 口裂け女さんです」
サンマ「いやとんでもねぇ人呼んでんな!? 人じゃないけど!」
口裂け女「対幽霊なら任せない 私のナイフで細切れにしてやるわ」
ヨナ「おーい、すき焼きできたよー」
イチヤ「腹が減っては何とやら。 腹ごしらえするぞー!」
ニル「お、おー?」

〇荒れたホテルの一室
イチヤ「うめぇな、すき焼き」
口裂け女「中々美味しいじゃないコレ あ、ちょっと!その肉食べようとしてたのに!」
サンマ「あ、そいつはサーセン。 代わりの肉入れときますね」
ニル「なんで俺らは平然と廃墟ですき焼きつついてんだ?」
ヨナ「気にしたら負けだよ モグモグ」
  うらやましいめしやぁ・・・
ニル「ウワ-ッ!?で、出たァ!?」
イチヤ「楽しい飯の時間を邪魔するとは無粋な幽霊もいたもんだな 口裂けさんやっちまってください」
口裂け女「今美味い飯食ってんでしょーが! 散れ!」
  ィァァア!!ワタシモタベタカッタアァァァ!!
サンマ「いや除霊方法真逆の物理!?」
口裂け女「拳で黙らせられないものは無いのよ 覚えておきなさい」
イチヤ「力は正義ってな」
ヨナ「やはり力は全てを解決する・・・」
ニル「つーかあの幽霊散り際俺食いたかった言うてたぞ アレ単に鍋が望ましかっただけじゃね?」
イチヤ「脅かしたのがわりぃ」
口裂け女「まぁもうやっちゃったし どうしようも無いわよ 忘れましょ」
ニル「ドライだな・・・」
ヨナ「よーし、〆のうどん入れるよー」
イチヤ「お、〆はうどんか。いいね」
ニル「〆まで用意してたのかよ」
口裂け女「食後のデザートもあるわよ 作ってきたから」
ニル「あ、ありがとうございます」
サンマ「いやー、〆のうどん美味いな」
イチヤ「メッチャウメェ」
ヨナ「すき焼きうどん美味しいねぇ」
ニル(普通にうどん食ってるけど これ肝試しと言っていいんか?)
ニル「なぁ、これほんとに肝試しなのか? ただ廃墟来て鍋食いに来ただけだぞ今んとこ」
口裂け女「まぁ、たしかにそうね」
イチヤ「あー確かに。 一応幽霊出ては来てるけど殴り飛ばしてるから肝は試されてないしな」
ニル「幽霊は殴り飛ばすもんじゃないんだがなぁ・・・」
イチヤ「まぁこんなともあろうかと 別の肝試し用具を用意した」
ニル「別の肝試し用具?」
イチヤ「生牡蠣です」
口裂け女「それをどうするのよ」
イチヤ「生のまま食べます 肝試しです」
口裂け女「まぁ、ある意味肝試しね」
サンマ「まぁたしかにあたる恐怖で肝試しできるけど それすんならわざわざこんな廃墟来る必要あったか?」
イチヤ「・・・正直ない」
口裂け女「無いのね・・・」
イチヤ「まぁ、一応肝試しだし、やろうぜ」
  その後5人で生牡蠣を食らった
  普通に美味かった
  ちなみに当たったのはイチヤだった
  後余談なんだけど
  口裂け女さんのデザートバカクソ美味かった

〇狭い畳部屋
  後日・・・
  バカたちの家
口裂け女「お見舞いに来たわよ 見事に当たったらしいわね、彼」
ニル「俺は!当たらねぇ!とか変にフラグ立てっからだろうな。あのバカ当たったの」
サンマ「言い出しっぺが当たるとはな」
ヨナ「あ、口裂けさん ひとつ頼みたいことがあるんだけど いいかな?」
口裂け女「何かしら?」
ヨナ「僕にあのデザートの作り方教えてくれないかな?」
口裂け女「いいわよ 今度教えてあげる」
ヨナ「やった! ありがとう!」
サンマ「・・・怪異が料理を教える時代か。 時代は変わったな・・・」
サンマ「はー、シュークリーム食って寝よ」

次のエピソード:さんわめ・スイカ割り

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