エピソード19(脚本)
〇テニス部の部室
菜々美はクラウドファンディングを募るために、動画配信をしている『OH! TUBE』の録画を行っていた。
額には『借金返済!』というハチマキをつけている。
大野菜々美「はい! というわけで、今日の配信は終わりでーす! 」
大野菜々美「コメントとかくれた皆さまありがとうございました! 」
大野菜々美「これからも崖っぷちアイドルの私達の応援を宜しくお願いしまーす!」
配信を終えると、紫苑が菜々美に声をかける。
松山紫苑「んー、借金もいいけど何か弱いんだよなぁ」
大野菜々美「え? でもアイドルって悲壮感以外に応援してもらえる要素ある?」
松山紫苑「別に悲壮感からファン獲得しなくてもいいんじゃない?」
大野菜々美「じゃあどうすれば?」
松山紫苑「私達にしか出来ないことをする!」
大野菜々美「口では何とでも言えるけどさ」
松山紫苑「そうだなぁ・・・。 出来るものは何でも盛り込んでいこう!!」
松山紫苑「やってったら何かうまくまとまるかもしれないし!」
〇電器街
〇繁華街の大通り
紫苑と菜々美はライブ用の衣装を着てチラシを配っていた。
松山紫苑「ぺぇる☆ぃえろーを宜しくお願いします!」
通行人「ん? ライブでファンのお悩み相談やってくれんの?」
松山紫苑「はい! 知人弁護士同伴のもと、私が皆様のお悩みを法律で解決致します!」
大野菜々美「そして、私は思った事をストレート伝えるのが得意なので、ビシバシと本音で皆様のアドバイスを致します!!」
通行人「怖そうだな~」
〇SNSの画面
初めは下火であったが、少しずつぺぇる☆ぃえろーに関するツイートは広がっていった。
るヲタ速報「今会いに行けるは当たり前! 【新種】今相談出来るアイドル出現!? ライブでお悩み解決なるか!?」
りらっ熊田「病弱アイドルだって。変わってるから興味アリ。しかも相談にものってくれるらしい」
りらっ熊田「ちょっと方向性ブレブレだけど、それも良し!」
makimaki「可愛いナナミンゴと知的なしーちゃん、アイドルなのに媚びてないのが好印象❤maki応援しちゃいまーす☆」
もみあげパンダ「OH!TUBEでおなじみの芸人顔負けの一発芸をしてくれるナナミンゴが面白い」
もみあげパンダ「ライブでは全部見せてくれるらしいぞ」
病んデレ@社会復帰中「誰にも相談できない悩みがあって、アイドルには興味ないけど」
病んデレ@社会復帰中「そういうイベントには興味あるからライブに行ってみたい!」
ダルめしあ「俺の相談にのってくれ!」
ナマじゃないほうのハゲ「俺の話を聞いてくれ!」
ゅみ☺「私の悩みを聞いて~!」
ぺぇる☆ぃえろーのアカウントのフォロワーが、1万、3万、5万と増えていく。
〇SNSの画面
ぺぇる☆ぃえろー「有難うございます! 皆様のおかげで目標金額六百万を達成してライブが出来ることになりました! 」
ぺぇる☆ぃえろー「ライブ会場は東京のどこか! 前日またココで発表します☆平日の開催となってしまいましたが、よろしくね」
〇寂れた雑居ビル
〇個別オフィス
その頃──蛇淵(へびぶち)はぺぇる☆ぃえろーがネットで話題となり始め、金切り声を上げていた。
蛇淵雅子「これは一体どういうこと!?」
アンチコメントを少しでも多く書こうとあがく。
まさニャン「でも、間近で見るとけっこうブスだし、歌もイマイチだったよ」
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