アングラ☆リーガル

杜若ゆうき

エピソード16(脚本)

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杜若ゆうき

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〇アパートの台所
監督「はい、じゃあ先にファーストシーンいきましょう」
撮影スタッフ「じゃあ菜々美さん、これに着替えて下さい」
大野菜々美「ん? ぺぇる☆ぃえろー?」
撮影スタッフ「いえ、あくまでも一般的なアイドルです。 普段は冴えない団地妻が実は地下アイドルという設定で・・・おっと!」
  スタッフの手から包帯が転げ落ちる。
大野菜々美「やっぱり意識してますよね? 嫌! ぺぇる☆ぃえろーを汚さないで! 」
大野菜々美「私、絶対アダルトビデオになんか出ませんから!」
監督「困ったなぁ・・・。 もう予算もスケジュールも組んでるのに」
大野菜々美「やーーーーーだーーーーー!!」
大野菜々美「無理なものは無理! むりむり無理!!」
蛇淵雅子「そうね菜々美、わかった。わかったわ。 今日のところは辞めにしてもいい」
大野菜々美「社長!?」
蛇淵雅子「今日の撮影は辞めてもいい」
蛇淵雅子「・・・賠償金さえ払ってくれたら」
大野菜々美「・・・ばいしょうきん?」
蛇淵雅子「当然でしょう? 監督さん、スタッフさん、男優さんの人件費と機材、場所代、お弁当代に、衣装代」
蛇淵雅子「菜々美のデビュー作の為に莫大な資金がかかっているんだよ」
蛇淵雅子「いまさらそれをチャラになんて出来っこないじゃない」
大野菜々美「い、幾らくらい?」
蛇淵雅子「ざっと見積もって、二、三千万くらいかしら・・・」
蛇淵雅子「・・・もっとかも」
大野菜々美「そ、そんなに!?」
蛇淵雅子「いや、もっとかもね。 貴女のバイトの稼ぎで何年かかるかしら・・・」
大野菜々美「それでも払います」
蛇淵雅子「貴女だけで稼げる額じゃあないわ」
蛇淵雅子「もし払えなかったら・・・親御さんにもご迷かかかるだろうねえ」
蛇淵雅子「家が差し押さえになったりとか」
蛇淵雅子「あまり裕福じゃあないと聞いているし、これからどこに住むことになるのかしらねぇ・・・お可哀想」
大野菜々美「待って! これは菜々美だけの問題でしょ?」
監督「まぁ、親子ですから、娘の責任取るのは当たり前でしょう」
大野菜々美「ううう・・・・」
蛇淵雅子「悪い事は言わないわ、お金も稼げて有名にもなれるのよ? やらない手はない」
蛇淵雅子「ちょっとキモいのをガマンすればいいだけよ、ほんのちょっとだけ」
大野菜々美「う・・・そうですね。 わかりました。やりま──」
  そのとき、ふと監督の横にいる男、トルネード村田が視界に入る。
トルネード村田「イメトレ、イメトレ! ベロ~ン、ベロロ~ン! んチュ❤んチュ❤」
大野菜々美「ぉぉおおえええええぇ! 無理だ・・・!」
大野菜々美「ち、ちょっと外の風を浴びて来ます」

〇団地のベランダ
  ベランダに出るや否や、菜々美は紫苑に電話をかける。
大野菜々美「紫苑出て! お願い!!」
  留守番電話サービスに接続致します。
  ピーという発信音の後に・・・
大野菜々美「あああああ! 何で出ないの!?」
大野菜々美「・・・まあそうか」
大野菜々美「そうだよね。 あれだけひどい事言ったんだもんな」
大野菜々美「ハァーあ・・・」
  遠くの方に、仲良さそうに歩く二人の女子高生の姿が見える。
大野菜々美「あーあ、やっと出来た友達だったのに・・・、もう、嫌」
大野菜々美「嫌! 嫌だよぉおおお! 全部いや~!! 」
大野菜々美「何で私だけ? 誰か! 誰か助けて!」

〇ファンシーな部屋

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