穢れた純白

木村壱

エピソード1(脚本)

穢れた純白

木村壱

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〇地下室
マサカズ「・・・・・・何をしているんだ」
タカユキ「ヒッ」
  マサカズの足元には、くたびれた手帳を抱えたまま倒れている男がいた。
  彼の頭から川のように血が流れている
タカユキ「マ、マサカズさん、こ、これは・・・」
マサカズ「・・・いい、何も言うな。早くここから出ていきなさい」

〇おしゃれな食堂
  朝8時、食堂には40名弱の子供たちが既にいた。
  静かに自分の席につく者、友人と話す者、それぞれ全く違うことをしている
  ただ行動は違えど、彼らの言動からは明日のクリスマスへの期待がうかがえる
マサカズ「おはよう! 昨日はぐっすり眠れたかな 今日はクリスマスイブ、明日のパーティに向けてみんなでがんばろう!」
  よろこびとやる気に満ちた声が食堂を揺らす。
  みなそれぞれの仕事を探しに席を立とうとした
マサカズ「仕事に取り掛かる前に、ちょっとお話があるんだ」
マサカズ「実はね、ユキオさんが昨日から急な予定で県外に行ってしまったんだ」
マサカズ「その用事が結構時間のかかるものらしくて、ユキオさんはみんなとクリスマスが過ごせないんだ」
  子供たちの顔が一気に曇る
マサカズ「ユキオさんもみんなと一緒に居たかったから、すごく悔しそうだったよ」
マサカズ「だからね、ユキオさん、一足早いけどプレゼントだけは、って準備してくれてたんだ」
  子供たちの顔に輝きが戻る
マサカズ「ユキオさんからのプレゼントは・・・スペシャルユキオビーフシチューです!」
  また歓喜の声が食堂に響き渡った
マサカズ「じゃ、今日一日頑張ろう。 あ、あとタカユキはあとで俺の部屋に来て」
タカユキ「・・・・・・はい」

〇怪しい部屋
タカユキ「・・・・・・失礼します」
マサカズ「あぁ、座って」
マサカズ「昨日、なんであそこにいたの?」
タカユキ「・・・・・・ユキオさんに、夕食の後にきてって言われて・・・・・・」
マサカズ「夕食後は部屋でリラックスタイムって、寮のルールがあるよね? なんで破ったの?」
タカユキ「・・・・・・だって」
マサカズ「はぁ なんで何も相談してくれないんだよ。俺、そんなに頼りない?」
  タカユキは怪訝そうにマサカズを見つめた
マサカズ「ユキオさんの持ってた手帳、読んだよ。 あんなことされてるだなんて・・・ ごめんね、気がつかなくて」
タカユキ「・・・・・・マサカズさん」
  タカユキは涙を湛えている
マサカズ「大丈夫、大丈夫だから。 俺がちゃんと片付けたから。バレない、バレない。大丈夫」
  マサカズはタカユキを強く抱きしめた

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コメント

  • ユキオとい人物が何をどうしたから、子供達から憎まれシチューの具とならなければならなかったのか。ただ、こんな大人にはなりたくないと強くおもいました。

  • 大人も子供もブラックで好きです!

  • こわいこわい。ぞっとする話でした。未来の糧って、子どもたちの血となり肉となるってことですよね。子どもと思っていてもこんな考えができるなんて、恐ろしい〜!

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