エピソード0 続きでもあり始まりでもある(脚本)
〇幻想
不思議な賢者「読者の皆さま、初めまして! 歯車の代理人の賢者、マイク・ラフレスターです」
不思議な賢者「この度は勝手に物語を始めたにもかかわらず途中で「ストップ」をかけてしまい申し訳ございません!」
不思議な賢者「ルートが決まるまでの間、暇でしょうし私どもも何か漫才というものをやってみましょうかね?」
「では、時の審判」
時の審判「なんで俺も? 漫才なんてやったこと無いのだが・・・・・・」
不思議な賢者「頼むよ、これは時間稼ぎなんだ・・・」
時の審判「では、仕方ない・・・俺たちには漫才は無理そうなので、アサノたちが異世界に飛ばされるまでの話を一緒に見ていこうか?」
不思議な賢者「ナイスアイデア!君の能力で話を1番最初に戻す事にしよう!」
時の審判「では、時を戻そう・・・」
不思議な賢者「「二人、どうやら同じ幻覚を見ているようです?」 エピソード0 始まるよ」
〇広い公園
アサノとシロサキは小学生の頃から幼馴染だった。
シロサキ(小学生)「今日さ、ガッコーの発表で、わたしの将来のユメはお姫様って言ったら笑われちゃった・・・・そんなに可笑しかったかな?」
シロサキ(小学生)「今度はケーキ屋さんって言っとこうかな・・・ アサノくんはなんて言ったの?」
アサノ(小学生)「オレは、地球を守る戦士って答えたけど・・・シロサキがお姫様ならオレはシロサキを守る騎士にもなるぜ!」
シロサキ(小学生)「へえ〜 かっこいい〜!」
アサノ(小学生)「地球を守る戦士は、へんげんじざい! なんにでもなれるんだ!」
アサノ(小学生)「「変身ポーズ」はもう考えてあるんだぜ!」
シロサキ(小学生)「どんなの?やってみて〜!」
アサノ(小学生)「・・・変身ッ!・・・てね」
アサノは自分なりにカッコイイと思っているポーズをシロサキに見せて照れくさそうに笑った。
その様子を見てシロサキも笑った。
シロサキから見たアサノは自分のユメをしっかり持っていて堂々としているように見えていた。
シロサキ(小学生)「約束だからね!私がお姫様になったらアサノくんが守ってね!」
アサノ(小学生)「もちろん!絶対に守るぜ!」
〇高い屋上
アサノとシロサキが中学2年生の頃
二人はゲーム仲間のレンマとギンジと一緒にモンスターを狩るゲームで遊んでいた。
「うわーッッッ また負けたー!!!!!」
シロサキ「アサノくん、武器弱すぎるって!なんで一人だけ縛りプレイしてるの?」
アサノ「いや、俺はこの装備で!この武器で勝ちたいんだよ!」
シロサキ「謎の拘り〜」
アサノ「俺は双剣が好きなの!頼むからギンジとレンマは火力高いやつで怯ませてくれ!」
ギンジ「ったく、アサノは〜 仕方ねえな~」
レンマ「ところで、アサノ・・・そのノートはなんなん?●スノート?」
アサノ「そんなわけねーだろ・・・」
アサノ「もっとすげーモンだよ!これにはな、俺の魂を込めた設定が書いてあんの!」
レンマ「なんだそりゃ・・・?」
ギンジ「アサノ、今度はなんのゲームの影響受けたんだ?見してみ〜」
アサノ「あっ、ちょっ・・・勝手に見んな!」
(これは・・・・・・スタイリッシュに悪魔を狩るゲームだな・・・・・・)
アサノ「主人公と兄貴めっちゃかっけーんだもん・・・・・・」
「わかる〜〜〜」
レンマ「そりゃ〜厨二病になっても仕方ねえな〜納得するわ!」
アサノ「はあ〜?バカにしてんのか?」
「やったぁ~!!!!!勝った~~〜!!!!!」
シロサキ「アンタたちの話が長いから、私ひとりでクリアしちゃったよ〜!」
「マジかよ?」
レンマ「シロサキちゃん、もしかして俺らよりゲーム上手いんじゃないの・・・?」
シロサキ「私はモンスターを狩るより育てたり愛でたり交換して図鑑埋めるほうが好きだけどね!あ!今度新作出るんだよ!私は両方予約済み!」
(ポ○ットモンスターかな?)
アサノ(シロサキ、対戦しないのに新作出るたびプレイ時間凄いことになってるからな・・・)
このあと暫くシロサキの熱のこもったオタク話を聞くことになるアサノたちであった。
〇一階の廊下
ある日の夕方のこと
ピンポーン、とインターホンの音がしてアサノがドアの外の様子を確認すると、シロサキが立っていた。
アサノ「どうしたよ?また家に居づらいってか?」
アサノ「それで俺ん家に来るの、子どもの頃からの癖だよな・・・まあ、上がれよ」
シロサキ「・・・おじゃまします」
〇散らかった部屋
アサノ「あ、ワリ・・・散らかってるわ。いや、急に来るって知らなかったし!」
アサノ(何があったか聞かないほうが良いのかな)
シロサキ「急に来てごめん。また親のケンカ始まっちゃって・・・嫌になって家出てきちゃった」
アサノ「マジか・・・乙・・・ 俺もこんなことしか言えなくてごめん・・・」
シロサキ「いい。気にしないで。アサノくんは、いつも通りにしてて・・・そのほうがすぐチョーシ良くなりそうだから」
アサノ(いつも通り?こんな時までゲームの話に逃げろと?)
アサノはアプリストアの新作ゲーム一覧を眺めながら、シロサキは今何をしてほしいのか考えていた。
分かるわけもないのだが。
アサノ「これ、可愛くね?」
シロサキ「そうね・・・」
アサノ(何してんだ、俺・・・シロサキにかける言葉が見つからねー)
無意味にスクロールした画面に見慣れないゲームタイトルがチラついた。
タイトルは「メイビー・ワールド」
アサノ「なんか全く知らん会社のゲーム見つけたけど面白いかな?」
シロサキ「ふーん?ちょっとやってみよ?」
シロサキも「メイビー・ワールド」を見つけたようで早速ダウンロードし始めた。
どうやら体験版らしい。
アサノは怪しい・・・と思いながらもシロサキより少し遅れて「メイビー・ワールド」をダウンロードし始めた。
「な、なに!?これ!?急に光って・・・」
「うわあああああああああああああああああああああ!?!?!?!?」
〇幻想
時の審判「ようこそ「狭間の世界」へ」
不思議な賢者「君たちの行き先は「異世界ティアルディーブル」だよ」
「気をつけて、行ってらっしゃい!」
エピソード1に続く・・・