SS.2 ミツル争奪戦?(脚本)
〇古生物の研究室
ミツル「・・・(ヒマだなー。オスカー、何か面白い事ない?)」
数日経ち少々髪の伸びたミツルはオスカーの元を訪れる
オスカー「仕事の邪魔だ。帰れ」
ミツル「・・・(ちぇー・・・)」
サラ「ようこそミツル様。何も無い所ですがごゆっくりしていって下さい」
サラはおもてなしにお茶と菓子を出す
ミツル「ああ。・・・どうも」
オスカー「──おいサラ! 人手が足りねえんだ! サボって無いで来い!」
サラ「──黙れよクソ亭主! ミツル様のお世話以上の仕事なんてあるかよ!?」
オスカー「んだとゴルァ!?」
オスカー「・・・って言い争っても仕方ねえな。ったくこんな時ばかり来やがって。空気読めねえのは体質だったか、・・・まあいい」
サラ「あ、気にしないで下さい。いつもの事なので」
ミツル「・・・」
オスカー「そうかよ。そう言うならそれでも良いが。 お前最近気温が高くなってストレスに敏感になったのかもな?」
サラ「ん? どうした、なんの話だ?」
オスカー「ミツルが夫婦喧嘩を辞めろってよ。 お前はどうしたい?」
サラ「ミツル様が仰るなら構わないぞ。流石に若いカップルみたいに下品でみっともない行為は出来ないが」
オスカー「ま、ミツルもそこまで言わないだろ」
ミツル「ふーん・・・」
オスカー「言うんじゃ無えぞ?」
ミツル「見てみたい気もするけど・・・」
サラ「──すみません、それだけは死んでも嫌です」
オスカー「だってよ。残念だったな」
ミツル「・・・オスカーも満更じゃ無さそうだね?」
オスカー「──は!?」
サラ「お前そんな幼稚な事を・・・気色悪いぞ」
オスカー「・・・ったくこの池○が」
ミツル「ハッハッハ・・・」
ミツル「・・・」
オスカー「あ? ”アイツ”なら医者の旦那に引き抜かれてここは辞めたぞ?」
サラ「ああ! ミツル様の事!」
ミツル「・・・医者の旦那?」
オスカー「ゴローかロクロかシチハチローか?」
ミツル「ああ、アイツか。・・・あいつ医者だったんだ、占い師か呪い師かマフィアだと思ってたよ」
「え? は?」
〇豪華な社長室
ロクロの病院──院長室
ロクロ「ようこそハニー! 僕らの愛のオフィスへ」
ミツル「何が愛のオフィスよ・・・。ハニーも辞めなさい」
ミツルはほんの少し髪型を変えている
ロクロ「ミツルー、ミニスカナース衣装折角用意したのに着てくれないのかー?」
ミツル「面倒だから無視するわね」
ロクロ「弟の前では着るくせにー」
ミツル「死ね」
ロクロ「何だよー、随分と過激な事言うじゃねぇか。気候が良くなってストレス感じまくってるのか?」
ミツル「そうね・・・。最近ちょっと。急な環境の変化もあるのでしょうけど」
ロクロ「ま、慣れない内はその辺に寝ててもいいぞー。僕の秘書なんて、僕の仕事自体あって無い様な物だからな!」
ミツル「何よそれ・・・?」
ロクロ「うちには優秀な医者が粒揃いだ。経営や人事なんかは実質伯母がやってるからな」
ミツル「お前は何すんだよ?」
ロクロ「俺にしか出来ない手術は俺がやるな。後進の育成の為に基本は見守ってるが・・・。 そんなのは稀だな」
ミツル「最近はあったの? あんたその椅子座ったの最近でしょ?」
ロクロ「あったぞ。家督争奪戦みたいな感じでな。あ、親父はただの七光で仕方無くこの病院を継いだから腕は平凡だぜ」
ミツル「ふーん・・・。争奪戦? まるで誰かと争ってたみたいじゃないそれだと?」
ロクロ「経営の才能は伯母がズバ抜けてたから先代院長の爺様の任命でやってたしさ。だからその息子で俺の従兄が・・・」
ロクロ「自分の方が家督を継ぐのに相応しいって言い出したから、俺はそいつと腕を競い合ったんだ」
ミツル「あ、本当に争奪戦だったのね」
ロクロ「で、結果は俺の圧勝。見事この病院を手に入れたんだ」
ロクロ「あ、ちなみに従兄は野心タラタラの可哀想な奴だったけど伯母は俺にも親父にもよくしてくれるいい人だぜ」
ロクロ「お前と同じで”ブラコン”なのかもな」
ミツル「・・・もういいわ。ちょっとめまいもして来たし突っ込むのもしんどい」
ロクロ「僕が突っ込んであげようか?」
ミツル「切り捨てるわよ」
ロクロ「それは困るな」
レイ「ハーイミツル! 久しぶりー」
〇豪華な社長室
ロクロ「誰だよお前! 僕達の愛の巣に土足で入って来て!?」
レイ「あたしはレイ。ミツルの・・・”元彼”? ついでにミツルの守護者ラッキー7(セブン)!」
ロクロ「元彼・・・?」
ロクロはミツルに視線を向ける
ミツル「・・・昔は”いい男”だったわ」
レイ「もうー照れるじゃなーい」
ロクロ「お前の趣味か?」
ミツル「私、というより弟の趣味かしらね。私がアイツに黙って守護者何人か美形にしたらその仕返しにそいつらを世帯持ちにして」
ロクロ「でも僕は美形で独身だぞ?」
ミツル「あなたはその後・・・つまり”ミツルが1人から2人に分かれた”後に、私が独自に作ったから例外よ」
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