最終話:枯れ木に花を咲かせましょう(後)(脚本)
〇見晴らしのいい公園
天草 アイ「うえっ!? 泣かないでください!!」
支倉 マサヨシ「はははっ。歳を重ねると 涙脆くなってしまうもので」
支倉 マサヨシ「そうか・・・良かった」
天草 アイ「すみません。聞こえな──」
天草 アイ「店長さん!!」
天草 アイ「さっき 気付かなかったけど もう 桜が咲いてるんですね!」
〇桜の見える丘
天草 アイ「桜が咲くのは3月頃なのに 今年は早いなぁ。すげぇきれい」
支倉 マサヨシ「アイくん。 『桜』の花言葉をご存知ですか?」
天草 アイ「出た!店長さんの 得意な花言葉クイズ!」
天草 アイ「よく 母さんが言ってた」
天草 アイ「花の特徴を想像すればいいから・・・」
天草 アイ「『美しい人』とか『きれいな人』!」
支倉 マサヨシ「ほぼ 正解です。 『優美な女性』という意味があります」
支倉 マサヨシ「・・・私の妻の名前もサクラでしてね」
天草 アイ「奥さん 花言葉みたいな人ですか?」
支倉 マサヨシ「ええ。私にはもったいないほど 素晴らしい女性です」
天草 アイ「店長さん 良い人だし 奥さん 幸せですね!」
支倉 マサヨシ「ええ。次は・・・ 幸せにしてやりたいですね」
天草 アイ「えっ?何──」
「おじいさーーーん!?」
水野 ユカ「シノブ!! あれ絶対 おじいさ・・・ えっ 何 恥ずかしがってんの?」
間宮 シノブ「ひぃ〜!! 目立ってます〜!!」
水野 ユカ「っても 数人でしょ?」
「心配したんだからね〜!! SNSでも噂になってるし!!」
天草 アイ「あの女の人 前から思ってたけど キャラ濃い」
天草 アイ「ん?後ろにいる奴 どっかで・・・?」
大原 ヒロト「はぁ はぁ・・・ 先生の言う通り 本当にいた・・・!」
大原 ヒロト「ちゃんと伝えるんだ・・・!」
「ぼ 僕もっ・・・ お礼 言えてなかったから・・・!」
「あの時 助けてくれて ありがとうございました・・・!」
天草 アイ「何 ど どういうこと!?」
支倉 マサヨシ「アイくん。皆さんにお伝えください」
支倉 マサヨシ「皆さんのおかげで 私の── 枯れた心の木にも花が咲いた。と」
天草 アイ「か 枯れた心の木?」
天草 アイ「それ 俺が伝えるより 店長さんが伝えたほうが・・・」
支倉 マサヨシ「よろしく、お願いします」
天草 アイ「・・・分かりました。 伝えてきます!」
「──では 参りましょうか」
支倉 マサヨシ「はい。よろしくお願いします」
支倉 マサヨシ「本当に、ありがとう──」
〇桜の見える丘
天草 アイ「あの〜・・・」
水野 ユカ「君は あの女の子のお兄さん!」
水野 ユカ「元気にしてた?」
天草 アイ「は はい。俺もアヤメも元気です」
天草 アイ「実はさっき 花屋の店長に 伝えてほしいことがあるって言われて」
水野 ユカ「伝えてほしいこと?」
天草 アイ「えっと 確か・・・ 『私の枯れた心の木に花が咲いた』?」
水野 ユカ「それ 何かの歌詞?」
間宮 シノブ「何だか 詩みたいですね」
間宮 シノブ「感謝の言葉じゃないですか? 何となく・・・」
水野 ユカ「あぁね!」
大原 ヒロト「店長が消えたっ・・・!?」
大原 ヒロト「う 嘘だろ・・・!? 店長もあの死神と同じっ・・・!?」
「あ あのさ!前に 橋にいた奴だよな? 店長から伝えてくれって言われて──」
「おじいさんが消えたとか 何の話?」
大原 ヒロト「な 何だよ!? 目の前 見たらいいじゃん!!」
〇空
「店長さん!?!?」
「・・・つくづく人間は騒がしいですね」
「はははっ。その割には あなたも 気に入っていたように見えましたよ?」
「ふっ。マサヨシさんのせいだと 申しておきましょう」
「・・・あの世では また サクラと逢えるでしょうか?」
「どうでしょうね。 私は外勤なので その辺りは何とも」
「そうですか・・・」
「まぁ 内勤の連中に それとなく尋ねてみますよ」
「・・・あなたはお優しい方だ」
「ふっ。これも”仕事”ですから」
〇街中の道路
──一年後
一時期 世間を賑わせた
フローリスト・ハナサカの存在は
時間の経過とともに
人々の記憶から薄れ行った
だが──
〇部屋のベッド
苦難を乗り越え”BACKBONE”
堂々のメジャーデビュー!
新曲はなんとバラード!
『ホワイト・ダリア』
恩人へ向けたものだと語った
Gt. SHO-GOに迫る──
村田 カスミ「はぁ。まさかショウゴくんが メジャーデビューするなんて」
村田 カスミ「喜ばしいことだけど今までみたいな デートは出来なくなるんだな・・・」
「誰だろう・・・ってショウゴくん!?」
「あっ カスミさん! 押しかけてすいません」
「今日 誕生日だからお祝いに ケーキとプレゼント持ってきたんスよ」
「あ ありがとう!今 開けるね! ・・・その花束に添えてある箱 何?」
「開けてみてからのお楽しみっス!」
〇ラーメン屋
〇ラーメン屋のカウンター
水野 ユカ「店長!シノブ!来たよ〜!」
間宮 シノブ「こんにちは!YU-KAさん! 今日は 何にしますか?」
水野 ユカ「そうだなぁ・・・ 坦々麺にしよっかな!」
間宮 シノブ「食券 頂きます! お好きな席でお待ちください!」
「・・・こちら お冷やです」
水野 ユカ「大原くん。今日バイトだったんだ?」
大原 ヒロト「・・・はい」
水野 ユカ「・・・大原くんが一年前から 人見知りなのは分かるけど」
水野 ユカ「もっと 笑顔が欲しいっていうか」
間宮 シノブ「YU-KAさん! また 後輩を困らせてる!」
水野 ユカ「えっ!? あたし 困らせてないよ!?」
大原 ヒロト「・・・ぷっ。くくく」
「わ 笑ったーーーー!?」
「おい オメェら!うるせぇぞ!!」
「・・・店長!ごちそうさん! ところであの花 どうしたんだい?」
「んっ?あぁ あれか? あの3人が持ってきたンだよ」
「女房との結婚祝いだっつって。 花言葉のカードまで添えてな」
「ハハハッ!良い子たちじゃないか。 なんて言う花言葉なんだい?」
「きゅ 『究極の愛』だったか?」
「そりゃあ 粋だねぇ!」
〇テレビスタジオ
男性「本日のゲストは 一条アキさんに お越しいただいています!」
男性「現在 全国各地の映画館で 上映中の『親愛なる貴方へ』ですが」
男性「なんでも すぐに オファーを引き受けたとか」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)
人間同士の素敵な繋がりを感じさせる物語でした😭
一人一人の“想い”を丁寧に描き表現された人間ドラマ…本当にお気に入りの作品です✨️
また時期をおいて定期的に一気読みしたいですね😊
完結まで描いて下さり、心よりありがとうございました✨️
完結お疲れ様でした!
とても優しいお話でした!
世界中がこんな優しい人たちで溢れたらいいのに。
カスミとショウゴお付き合いするようになったのですね☺️
完結おつかれさまでした!
様々な登場人物の困難や悩みに正面から立ち向かう各話、作成時にはきっと精神をすり減らしながら描いていたのだろうと勝手に想像してしまいました。
そんな各話の主人公たちの1年後の姿、色とりどりに咲き乱れているような賑やかさと華やかさでいっぱいですね!そして、マサヨシさんも思い残すことがなく……ですよね。
各話の丁寧なコメント返しにも感謝しています。ありがとうございました