せめてマトモに拒否されたいエプォパ信者の勧誘日記

東龍ほフク

1・ローズベリー神(脚本)

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〇アパートの玄関前
  私!神尾 信子!
  エプォパ教の信者!
  エプォパのおかげで、仕事やプライベートの
  ツラかった事イヤな事・・・
  全部吹っ飛んじゃった!
  こんな素敵な教え、他の人にも
  教えて広めなくっちゃ!
  先輩方みたいに、私も皆さんに教えを広めるぞ!
神尾 信子「こんにちは〜!」
住人A「はぁい?」
神尾 信子「突然ですが、あなた・・・ 幸せですか?」
住人A「えっ、なんですか?」
神尾 信子「エプォパをご存じですか?」
住人A「あぁ、エプォパの方かぁ・・・」
住人A「確か、エープォパー神による宗教でしたよね?」
神尾 信子「・・・! エープォーパ神をご存知で?!」
住人A「まぁ、多趣味なんで」
住人A「でも・・・」
住人A「萌えませんよね」
神尾 信子「「萌え」・・・?」
住人A「エープォーパー神がデュム・ラハラに した行いは萌えませんねぇ」
住人A「我が神である“ローズベリー”様の足元にも 及ばない萌え度ですよ」
神尾 信子「確かに、我がエープォーパー神が デュム・ラハラにした行いは正義といえど 非道なものがありますが・・・」
神尾 信子「・・・ローズベリー神とは・・・?」
住人A「ローズベリー神を知らないと?!」

〇キラキラ
  あの『リリーカレスキュー!』の
  ローズベリーたんをご存じないと?!

〇アパートの玄関前
住人A「ローズベリーたんは、あんなにも 毛嫌いしていた地上の人間らを コテ=ヤナハ大罪の時にすべてお許しになり、」
住人A「自らの体が粉となって瓦解するまで最後の力を振り絞り、大地と民ごと守護魔法で守り通した御方であらせられるぞ・・・!」
神尾 信子「そ、そんな凄い神様がおられたなんて・・・!」
住人A「そして、注目すべきは 『体が瓦解する際の衣服の崩れ』ですよ」
住人A「当時、実力派揃いのアニメーターらを監督の人望で集めて描かせた、異様な神作画で少しずつ瓦解していく衣服 ──!」
住人A「徐々に露わになっていくローズベリーたんの素肌、羞恥で染まったあの紅の頬に・・・」
住人A「当時少年だった私は、未だに 恋い焦がれお慕い申しておるのですよ・・・」
神尾 信子「・・・」
神尾 信子「アニメの・・・お話で・・・?」
住人A「媒体は違えど、神に 変わりはないでしょうが?」
住人A「1次元・2次元・3次元・史実・虚構・・・」
住人A「神がどの媒体でどう表現されているかに 全て差はないですし、問題はないです」
神尾 信子「はゎ〜・・・」
住人A「で?私のローズベリーたんと比べて そちらのエープォーパー神は?」
住人A「見た目どんなんですか? 何をしましたか?自身が瓦解するほど 何か他者にしたんですか?」
住人A「萌えるんですか? 感動するんですか?」
住人A「作画は?声優は? タイアップ関連は?ファンのマナーは?」
神尾 信子「えっ、えっ・・・」
住人A「・・・あぁ、いえ」
住人A「別に説明なさらなくとも、 エプォパの教本は1度読んだ事が ありますので知ってはいます」
住人A「エープォーパーの本を読んで、 特に何も感動しなかった!」
住人A「『萌え』がなかった・・・」
住人A「『萌え』が!!!!!! なかった!!!!!!!!!!」
住人A「・・・なので、すみませんが私は エプォパにハマることはないですよ」
住人A「申し訳ないです。 私はローズベリー神 一筋なので・・・」
神尾 信子「いえ・・・」
神尾 信子「あなたには既に、信じている“神”が いらっしゃって良かったです・・・!」
神尾 信子「はい・・・」
住人A「では、私はこれにて」
神尾 信子「・・・」
神尾 信子「・・・んん?」

次のエピソード:1のおまけ

コメント

  • うちに来るエプォパもこれくらい面白かったら良かったのに……(笑)。思いっきり語ってやりたい……!

  • うわー、オタ話にも真剣に向き合おうとする信子さん、真面目ですねー!
    (多くの勧誘は、別の神を出された時点で、その神を必死にディスるか自身の信仰する神を息継ぎせずにアピるかの2択ですね←)

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