七映志 〜オワコンと化した日本映画に己が龍を解き放て〜

西東友一

1-1.主役のいない円卓会議(脚本)

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〇おしゃれな居間
  トゥルルル──
曹操「もしもし〜」
荀彧「『もしもし〜』じゃありません!」
荀彧「円卓会議が始まってますよ!?」
曹操「・・・大声を出すなよ、まだ酒が抜けてねえんだ」
曹操「いつも通りイクがオレの代わりに出といて。 んじゃ・・・」
荀彧「なりません、曹操様!!」
曹操「んな、あんな名ばかりのクソみたいな会議出たところで時間の無駄だ。それよりも今見てたいい夢の方が断然──」
荀彧「今日はいつもと違うんです! 映画界が終わってしまいます!!」
曹操「終わってるのは元からだが・・・ どうした?」
荀彧「やっと、目が覚めてくれましたね」
曹操「いいから要点を伝えろ」
荀彧「はっ、はい」
荀彧「袁紹様が──もにょもにょもにょ」
曹操「はぁ!?」
荀彧「ひっ」
曹操「・・・悪い。 すぐ行く、なんとか抑えられるか?」
荀彧「頑張ってみますけど・・・」
曹操「ああ、信じている」
荀彧「!!」
荀彧「この荀彧にお任せを! ではっ!!」
  ツーツーツー・・・
曹操「イクは優秀とはいえ、金持ちのことしか耳に入らねぇ、袁紹のことだ。 急ぐか──」
曹操「・・・たくっ。 ようやく、これからという時に あの金満バカが・・・」
曹操「んーーーっ」
曹操「・・・さて、行くか。 映画業界が再興できる土壌が失われる前に──」

〇国際会議場
袁紹「じゃあ、みんな。 可決ということでいいかな?」
「・・・」
荀彧「待ってください!!」
袁紹「・・・なんだね? 曹操の代理の・・・」
荀彧「荀彧です」
荀彧(皇甫嵩様、何進様、袁紹様、袁術様、孫権様、公孫瓚様・・・)
荀彧(今の映画界の名だたる方々・・・ でも──)
荀彧(ふふっ。 負ける気は致しませんね。 だって、私は──)
荀彧(曹操様の左腕なのですから)
荀彧「袁紹様の貴重なご提案を曹操にもご報告させていただきました」
袁紹「・・・それで、彼の意見は?」
荀彧「『反対』です」
袁紹「反対・・・か」
袁紹「残念だ」
荀彧「理由は本人からお伝えしますので、しばらくお待ち・・・」
袁紹「いや、結構」
袁紹「悲しいかな曹操・・・ 嫉妬をしているのだろ? このボクに」
荀彧「なっ」
荀彧「曹操様は嫉妬したからと言って子どもみたいなことはしません!!」
荀彧「では、私が理由を──」
袁紹「それも結構」
袁紹「曹操の代理人くん」
袁紹「今までこの円卓会議に代理人を遣すなんて 横暴を許してきたのが間違いだった」
袁紹「この席に座る者は今は亡き映画界の巨匠、 シロサワ監督に託された者たちだ」
袁紹「キミじゃない」
袁紹「あと、そこのキミ」
劉備「いい!?」
袁紹「公孫瓚くんが連れて来たようだが・・・ 公孫瓚くん、彼は?」
公孫瓚「ああ、このお方は劉備。 妾のところで勉強している──」
袁紹「はぁ・・・全く君たちは。 最初のルールを曲げないで貰えるかな?」
袁紹「このペンをシロサワ監督から託された者、 つまりこれからの映画界を担うに相応しい者たちでの映画界を考えるのがこの集り・・・」
袁紹「ボク、公孫瓚くんのように託された証として六星ペンを持っていないとね」
袁紹「それで、今日は議題の通り 株式会社シロサメで預かっている 緑星のペンのことだけど──」
劉備「そ、それなら──」
袁紹「キミは黙っていてくれ。 もう持ち主は決まっているんだ」
袁紹「紹介しよう、彼の名は──」
荀彧(曹操様、早く──)
  ギィーーーッ

次のエピソード:1-2.師弟の約束

コメント

  • 私も映画好きです。ほんと、この先映画の未来はどうなるのでしょうか?
    作者様は映画の未来に対して憤りと情熱を持っておられるようで、どんな提言をされるのか楽しみですね👍

  • こんにちは!映画がテーマになっているなんて新鮮でとても面白いです!クロサワ!なるほど映画の神様ですね!
    歴史は詳しくありませんが曹操達がどのように活躍するのか気になりました🤗

  • タイトル七映志ということは、7つの映画で競わせるみたいな感じになるんでしょうか?(((o(*゚▽゚*)o)))
    三国志わりと好きなので、第1話もし文字数に余裕があるならもっと読んでみたいと思いました😊

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