音楽の奇跡

フィア🍀🐬

僅かな希望(脚本)

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〇音楽スタジオ
あおい「ふ~、どうだった?」
こうた「やっぱ、あおいの歌はすげぇよ! 沢山の人、笑顔にさせるパワーあるし!」
あおい「そんな事ないよ 私なんて、まだまだなんだし・・・」
こうた「いや、本当にすげぇんだよ!? 俺さ、あおいの歌好きなんだ」
あおい「!?」
こうた「ん、照れてる?」
あおい「て、照れてないよ!」
こうた「はいはい笑 そういや、あおいって何で 音楽目指したんだ?」
あおい「ん? あ~、それはね・・・」
  5年前・・・
あおい「何でよ、お父さん!!」
ぐおん「そんなもん、ダメに決まってるだろ!! 音楽なんてものに関わるなと何度言えばわかる!!」
あおと「父さん、少しくらいは許してもいいでしょ ずっと我慢してるなんて無理な話だよ!」
ぐおん「あおと、お前も言うようになったじゃねぇか だけどよ、音楽に関わるのは親である俺が許さねぇ」
あおと「父さんはなんで、そこまで音楽に厳しいんだよ・・・ 理由を教えてくれ!」
あおい「あおとの言う通りだよ 理由を教えて!」
ぐおん「あ? 理由なんて簡単だよ 音楽は大切な物を奪う、悪魔だ!!!!」
「っ・・・」
ぐおん「とにかく、音楽に関わるってんなら、この家から出てけ いいな?」
「はい・・・」
あおい「この先どうしたら・・・」
あおと「姉ちゃん・・・」
あおと「はぁ・・・、仕方ないか」
あおい「あおと?」
あおと「姉ちゃん、この家出よ?」
あおい「あ、あおと、何言ってるの? この家を出たら住む場所も無いし、お金も無いのよ!?」
あおと「そんなの知ってるよ だけどさ、このまま父さんの言いなりにもなりたくないだろ?」
あおい「そうだけど・・・」
あおと「じゃあさ、こうた兄ちゃんに相談してみない?」
あおい「あっ、確かにこうたくんなら!」
あおと「でしょ! 今日の夜、荷物持ってあの場所に行こ!」
あおい「うん!」
  現在・・・
あおい「って事があって・・・」
こうた「で、あの後秘密基地で俺が2人を引き取ったと」
あおい「うん・・・」
こうた「そっか・・・ 詳しい事は聞いてなかったけど、そうだったんだな・・・」
あおい「うん・・・ だけど、こうたのおかげでまた音楽に関わる事が出来た ありがとう」
こうた「いいって 俺はあおいの夢、昔から知ってたしさ、叶えてやりたくて」
あおい「ふふっ、それじゃあそろそろ時間だし、帰ろっか!」
こうた「おう!」

〇明るいリビング
あおと「うーん、姉ちゃん達遅いなぁ・・・ 何もないといいんだけど・・・」
あおい「ただいま、あおと」
こうた「ただいま」
あおと「おかえり、姉ちゃん、こうたお兄ちゃん!」
こうた「ふっ、そろそろ呼び捨てでもいいんだよ」
あおと「え、いいの?」
こうた「俺とあおとはそんな凄い歳離れてねぇし、それくらい気にしないって!」
あおと「じゃ、そうする」
こうた「早速言ってみて!」
あおと「っ・・・ こうた///」
こうた「ん」
あおい「なになに、あおと照れてるの?」
あおと「て、照れてないって!」
こうた「ホント、照れ屋な姉弟だな」
「照れ屋じゃない!」
こうた「はいはい で、夕飯は?」
あおと「ん、もう出来てるよ ちなみに、今夜はハンバーグ定食だよ」
あおい「やった! あおと、よくわかってるじゃない!」
こうた「ははっ、今もハンバーグ定食好きなんだな笑」
あおと「姉ちゃんは昔から好きなんだよ まぁ、思い出のメニューだからな」
こうた「思い出のメニュー?」
あおい「ハンバーグ定食は、よくお母さんが作ってくれたメニューなの」
あおと「このメニューはみんな好きだったから、俺も作れるように頑張ったんだよ」
あおい「私が料理上手だったら良かったんだけどね・・・」
あおと「姉ちゃんは気にしないで 俺がしたくてしてる事なんだから」
あおい「なら、いいんだけど」
こうた「君達姉弟は仲が良くていいね 羨ましいよ」
あおい「お父さんの事もあったからね」
あおと「でも、こうたが居てくれたおかげで今がある ありがと」
こうた「まぁ、俺も2人には助けられてたし、少しでも助けてやりたくてな」
あおい「ふふっ、それじゃそろそろご飯食べよ!」
こうた「だな!」
あおと「んじゃ、温めてくるから待ってて」
「はーい」
あおい「久しぶりのハンバーグ定食、楽しみだなぁ」
こうた「そういや、ハンバーグ定食ってほとんど食べてなかったよな? 理由とかあるの?」
あおい「やっぱりお母さんの事を思い出すから、お互い気にしてたんだよね」
こうた「そっか・・・」
あおい「今日はお母さんの命日なの 私達としては辛い日だけど、でももう大丈夫 お母さんは私達にたくさんの愛、音楽を教えてくれたから」
こうた「あおいがいつもより気合い入ってると思ったら、そういう事か」
あおい「うん、今日最後に歌った曲はお母さんの贈ってくれた「My Dream」だよ」
あおい「この曲はあまり歌わないんだけど、今日はどうしても歌いたくてね」
こうた「だからあの時泣きそうになったのか・・・」
あおと「はい、どうぞ!」
あおい「やった! ありがと、あおと!」
あおと「ふふっ、こうたもどうぞ」
こうた「おう、ありがとな!」
あおと「んじゃ・・・」
「いただきます!」
あおい「美味しい~!!」
こうた「ホントだな!」
あおと「うん、我ながら美味しくできたな!」
あおい「やっぱ、ハンバーグ定食最高!!」
「あははっ笑笑」
  こうして3人は楽しい夜を過ごしたのでした

〇病室のベッド
あおい「こんなお別れなんて嫌だよ、お母さん!」
あおと「っ・・・」
れおん「・・・」
あおと「起きて、また笑ってくれよ・・・」
れおん「・・・」
医者「っ、なかなか回復しないな・・・」
看護師「先生、どうしますか?」
医者「・・・」
医者「この子達には申し訳ないが、ここから治すのは難しすぎる・・・」
看護師「そう・・・ですか・・・」
医者「運悪く急所に直撃している・・・ 治すにもかなり厳しい状況だ・・・」
ぐおん「くそ・・・ よりによって、なんでれおんだったんだよ!!」
医者「お父さん、お気持ちはわかりますが、こうなったら仕方ない・・・」
ぐおん「仕方なくないだろ!!」
医者「あっ、すみません・・・ ですが、今回は治すのは厳しいかと・・・」
ぐおん「それを治すのが医者だろ!?」
医者「中には医者でも治せないものも存在するんです・・・」
ぐおん「そんなのお前の実力が足りねぇだけだろう!!」
看護師「とにかく落ち着いてください この子達が怯えてますよ?」
ぐおん「ふん コイツらはこれくらい平気だ で、どうなんだ?」
医者「っ、すみません・・・」
ぐおん「はぁ、仕方ねぇ おいお前ら、帰るぞ」
れおん「っ・・・」
あおと「え?」
れおん「あ、お、い・・・ あ、お、と・・・」
あおい「お母さん!」
れおん「心配、かけて、ごめんね・・・ 母さん、もう、無理みたい・・・」
あおと「無理なんて言わないでよ・・・」
れおん「ごめんね・・・ あおい、あおと、家に帰ったら、母さんの、宝箱の物を、受け取って・・・」

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コメント

  • テーマもキャラクターも素敵なお話ですね☺️
    文字での音楽表現は難しいと思いますが、違和感なく想像できました、すごいです🙌
    続きも楽しみにしております🌟

  • 父親のぐおんはモラハラやパワハラで姉弟を虐待していたんですね。姉弟が不遇であればあるほど、音楽にかける情熱は高まるような、何とも皮肉な相乗効果があるように感じられました。こうたは神様みたいな人だけど、この三人の運命はこれからどう転がっていくのか。悲しい別れがないことを祈ります。

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