第2話「尾行の果て」(脚本)
〇大衆食堂
〇立ち食い蕎麦屋の店内
河内店長 「どないなっとんねんこれ?」
河内店長 「売り上げが釣り合ってへんぞ?」
坂田「店長あけましておめでとうございます〜」
河内店長 「おめでとうございます〜」
河内店長 「今年も色々よろしゅう頼んますね!」
坂田「こちらこそ、出来るだけこの店の力に なれますよう頑張りますよってに!」
河内店長 「ホンマ、坂田さんのおかげですわ」
河内店長 「ちょっと坂田さん?話があんねんけど」
坂田「怖っ! 急に何ですか?」
河内店長 「元旦に営業した日の売上げが 合ってないねんけど」
坂田「ああ、それね!」
坂田「実はね、鬼ケ原はん達が来はってね、」
坂田「散々呑み食いしたのに、2万だけ渡して 帰ってったんですわ」
河内店長 「なるほど、そういう事かあ」
河内店長 「普段、新地でしか呑まへんから、 相場分からへんのやろな」
坂田「ちゃいますよ!」
坂田「3人とも泥酔しとって、 間違えとるだけですよ」
河内店長 「首塚はんもかいな?」
河内店長 「あの人は酒強かったはずやけど」
坂田「でも呑んだら人変わりますねん」
坂田「1度、店戻って来たんで、 ちゃんとお会計してくれんのか思たら」
坂田「「新入りにワシらの職業チクんなよ」言うて」
河内店長 「なるほど。 「鬼の首塚」が出て来たんやな」
坂田「私も「金足りませんよ」って言わなあかん 思ったんですけど・・・」
河内店長 「いや、それは辞めといた方がええな」
坂田「そうでしょ?」
坂田「言うても私も女の子やから怖いやん」
河内店長 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
河内店長 「まあ、それにしても・・・」
坂田「ツッコんで良えねんで」
河内店長 「え?良かったん?」
坂田「当たり前やないですか」
河内店長 「いや、そこは気い使うがな」
坂田「長い沈黙の方がよっぽどあかんで!」
河内店長 「ごめんごめん」
河内店長 「まあ、何だかんだで うちがやっていけてんのも」
河内店長 「あの人らのおかげやしなあ・・・」
坂田「そんなん言うても、ケーキ代、 料理代、アルコール代でこっちは、 8万損してるんですよ?」
河内店長 「とりあえずツケにしとこか?」
坂田「あの人らがこの店来んの元旦だけやのに?」
河内店長 「うーん・・・よう考えたら、 元旦に店開けとるうちが悪い・・・」
坂田「悪ないでしょ!」
河内店長 「言うても8万くらい競馬で何とか・・・」
坂田「埋めれませんて!」
坂田「店長、ガチガチの本命しか買いませんやん」
河内店長 「ほな今度は大穴を・・・」
坂田「やめときなはれ!」
坂田「大損こくで!」
河内店長 「立地が良え言うのも」
河内店長 「良え事ばかりやないなあ・・・」
坂田「良えのは、店の女の子だけやねえ」
河内店長 「どこがやねん!!」
河内店長 「むしろお荷物や!!」
河内店長 「ホンマ早よ辞めんかい!!」
河内店長 「いつまで切り盛りしとんねん!!」
坂田「言い過ぎやろ!!!」
坂田「あんた極端やねん!!」
坂田「丁度いい塩梅分からんのかい!!」
河内店長 「ごめん、ワシ真っすぐな人間やから」
坂田「良えように言うな!」
坂田「そもそも何で元旦に休んどんねん!!」
坂田「店長やろ!しっかりせえ!!」
河内店長 「そこまで言わんでも良えやないか」
〇屋敷の門
鬼ケ原の自宅
〇駅のホーム
愛菜(本当に車掌さんだったの!?)
愛菜(え?でも、定年退職したはずじゃ・・・)
鬼ケ原「3番ホームにオリエント急行が通過致します」
愛菜(いい加減なこと言ってる!)
駅員 里中「鬼ケ原様、お久しぶりでございます!」
鬼ケ原「おう里中。元気でやっとるか?」
駅員 里中「は、はい!おかげさまで!」
駅員 柿谷「お久しぶりでございます!」
鬼ケ原「ん?誰や?」
駅員 柿谷「しゃ、車掌をやらせて頂いております 柿谷と申します!」
駅員 里中「こないだ来られた時に、ご挨拶したよな?」
駅員 柿谷「は、はい!させて頂きました!!」
鬼ケ原「知らんな」
鬼ケ原「ワシが覚えてないっちゅう事は、」
鬼ケ原「してないのと一緒や」
鬼ケ原「分かるな?」
駅員 柿谷「は、はい!申し訳ございませんでした!」
鬼ケ原「えー、3番ホームに寝台特急タイタニック号が通過いたしました!」
愛菜(タチ悪いわー)
愛菜(やっぱりカタギの駅員では無いわね・・・)
鬼ケ原「それにしても、1番乗車率が高い駅で この少なさ・・・」
鬼ケ原「いつまでこの鉄道が持つかのう・・・」
駅員 里中「色んなキャンペーンをやってるんですが・・・ なかなか難しい状況でして・・・」
鬼ケ原「もうどうなってもええわ」
〇居酒屋の座敷席
坂田「ん?テーブルの下に何かあるで・・・」
坂田「あら?こ、これ・・・」
坂田「鬼ケ原さんの保険証やん!!」
坂田「昨日財布から落としたんやろか?」
愛菜「おはようございまーす!!」
坂田「愛菜ちゃん、おはようさん」
坂田「これ見てくれる?」
愛菜「あ!これ、鬼ケ原さんのですか?」
坂田「そうや」
坂田「これ、後で届けに行ってくるわ」
坂田「そのついでに・・・」
坂田「こないだの飲食代を請求しようかな?」
坂田「どう思う?」
愛菜「ま、まあ・・・カチコミに行くよりは、 良いと思います」
坂田「ただなあ、店長さんは余計なことせんで 良え言うしなあ・・・」
坂田「私も女の子やから怖いねん」
愛菜「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
坂田「ツッコんでええんやで?」
愛菜「さ、さすがにそれは・・・」
坂田「無言の方が失礼やからね?」
愛菜「す、すいませんでした!!!」
坂田「いや、そこまで謝るほどでも無いんやけど・・・」
愛菜「そのお詫びと言ってはなんですが・・・」
愛菜「私、着いて行って良いですか?」
坂田「え?どこへ?」
愛菜「鬼ケ原さんのご自宅に行かれるんですよね?」
坂田「そやけど?」
愛菜「私も一応ボディガードみたいな感じで 一緒に行って良いですか?」
坂田「愛菜ちゃんがボディガード?」
愛菜「何かあったら身を挺して守りますから」
坂田「身を呈されてもハミ出るやん」
坂田「面積が少ないやんか」
坂田「私が滋賀なら、あんたは琵琶湖やで?」
愛菜「確かに!」
愛菜「ウケるんですけどー!!」
坂田「失礼やろ!!」
愛菜「怖っ!!」
〇屋敷の門
坂田「ほな行こか?」
愛菜「はい!」
────────つづく──────
面積はつっこんじゃ駄目だったか…難しいですね、女の子は。無言ボケかぶせ、良かったです。
今回もまた多彩な笑い声のオンパレードでww
レジの金額が合わない、この内容で会話が広がりに広がる店長さんと坂田さん、コテコテの関西風ですね!